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第一章 幼少期編
第百十四話 考察1
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そんなこんなな話し合いが終わって、私は真っ先にイルト王子の居場所をメイドへと尋ねる。
「殿下ならば、第一王子殿下と一緒に自室で待機されております。お会いになりますか?」
「はい、お願いします」
「こちらです」
イルト王子は、黒ではあるのだが、だからといって、城の使用人達がイルト王子を見下すことはない。ちゃんと、『王子』としての扱いを心得ている状態だ。目の前に居るメイドだって、イルト王子を見下すような発言をすることなく、ちゃんと業務を全うしてみせる。
(『モフ恋』でも、イルト様は守られていたのかなぁ?)
黒というだけで差別するのが当たり前な場所で、もしかしたら、イルト王子は随分と守られた存在だったのかもしれない。もちろんそれは、今の私にも言えることで、改めて、家族へと感謝する。
(お父様もお継母様も、私を愛してくれる。……絶対に、悲しませるわけにはいかないよね?)
今回は、きっとどんなに調べても、黒幕の捕縛には繋がらない。そして、今日という日をわざわざ選んで襲った動機に関しても、今はまだ、分からない。
(まさか、これが世界の強制力とかいうわけじゃ……ない、よね?)
チラリと思うのが、イルト王子が襲われることが予定調和であり、それを狂わせないために、今日が襲撃の日となった、なんていう荒唐無稽なことだ。
(うん、ないない。ない……はず)
残念ながら、世界の強制力についてはまだまだ分かっていないことの方が多い。実際に存在するか否かを含めて、何一つ分かっていないというのが正解だ。ただし、たったの五年ではあるものの、私は今まで生きてきて、何となく、それは存在するのではないかと考えていた。
(何というか……冷遇されて育つユミリアを作ろうとする動きがあるような気がするんだよね)
お母様や使用人達を追い出したあの日以降、今のお屋敷に居る使用人はあまり増えていないのが現状だ。なぜなら、新しく人を雇っても、彼ら彼女らは、揃って私へ悪意を向けてくるのだ。あらかじめ、私に悪意を向ける者は許さないといった内容を伝えてあるにもかかわらず、そういった者が後を絶たない。
(そこに来て、イルト様への襲撃……うーん、強制力だとするなら、具体的にどんなものなのか分からないことには、対処のしようがないかなぁ?)
ちなみに、先ほどの話し合いの場で、王妃様にはイルト王子と同じ結界を張る魔導具を渡しておいた。もしも強制力が働くのだとすれば、王妃様の命が危ない。
(でも、強制力でなかった場合も考えなきゃだよね)
実際、それにばかり囚われていたら、見えなくなることも多いだろう。情報の洗い出しはもちろんのこと、新たな情報を得ることも必要になってくる。
「こちらになります」
そうして、辿り着いた部屋を前に、私は一度難しい考えは隅に追いやって、頬を緩ませるのだった。
「殿下ならば、第一王子殿下と一緒に自室で待機されております。お会いになりますか?」
「はい、お願いします」
「こちらです」
イルト王子は、黒ではあるのだが、だからといって、城の使用人達がイルト王子を見下すことはない。ちゃんと、『王子』としての扱いを心得ている状態だ。目の前に居るメイドだって、イルト王子を見下すような発言をすることなく、ちゃんと業務を全うしてみせる。
(『モフ恋』でも、イルト様は守られていたのかなぁ?)
黒というだけで差別するのが当たり前な場所で、もしかしたら、イルト王子は随分と守られた存在だったのかもしれない。もちろんそれは、今の私にも言えることで、改めて、家族へと感謝する。
(お父様もお継母様も、私を愛してくれる。……絶対に、悲しませるわけにはいかないよね?)
今回は、きっとどんなに調べても、黒幕の捕縛には繋がらない。そして、今日という日をわざわざ選んで襲った動機に関しても、今はまだ、分からない。
(まさか、これが世界の強制力とかいうわけじゃ……ない、よね?)
チラリと思うのが、イルト王子が襲われることが予定調和であり、それを狂わせないために、今日が襲撃の日となった、なんていう荒唐無稽なことだ。
(うん、ないない。ない……はず)
残念ながら、世界の強制力についてはまだまだ分かっていないことの方が多い。実際に存在するか否かを含めて、何一つ分かっていないというのが正解だ。ただし、たったの五年ではあるものの、私は今まで生きてきて、何となく、それは存在するのではないかと考えていた。
(何というか……冷遇されて育つユミリアを作ろうとする動きがあるような気がするんだよね)
お母様や使用人達を追い出したあの日以降、今のお屋敷に居る使用人はあまり増えていないのが現状だ。なぜなら、新しく人を雇っても、彼ら彼女らは、揃って私へ悪意を向けてくるのだ。あらかじめ、私に悪意を向ける者は許さないといった内容を伝えてあるにもかかわらず、そういった者が後を絶たない。
(そこに来て、イルト様への襲撃……うーん、強制力だとするなら、具体的にどんなものなのか分からないことには、対処のしようがないかなぁ?)
ちなみに、先ほどの話し合いの場で、王妃様にはイルト王子と同じ結界を張る魔導具を渡しておいた。もしも強制力が働くのだとすれば、王妃様の命が危ない。
(でも、強制力でなかった場合も考えなきゃだよね)
実際、それにばかり囚われていたら、見えなくなることも多いだろう。情報の洗い出しはもちろんのこと、新たな情報を得ることも必要になってくる。
「こちらになります」
そうして、辿り着いた部屋を前に、私は一度難しい考えは隅に追いやって、頬を緩ませるのだった。
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