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第二章 少女期 瘴気編
第二百七十六話 山の主(セイ視点)
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あの場を離脱して、僕達は、またのんびりとした歩みに戻る。状況は悪いと思われるものの、だからといって、急いで何とかなるものでもない。
「せめて、魔王と合流できれば良いんだけどね」
「魔王? 何で?」
コウは、普段のサイズでは怖がられるようなので、今は、その半分の、大型犬よりも一回り大きいくらいのサイズで首をかしげる。
「魔王が、気になることを言ってたんだ。瘴気の力を自分に与えた存在には、何か目的があったようだってね」
「そいつが、今回の黒幕ってわけか」
「多分ね。目的さえ分かれば、少しは対処することもできるんだろうけど、今は全く手がかりがないから、まず無理だね」
「ぼく達、何ができる?」
無理なことは無理だと断じて、コウに促される形で、目標を立てることにする。
「とりあえず、敵は強大だ。だから、戦力を上げるために、この国の強者を味方につけようと思う」
「強者って言ってもなぁ……普通の人間がどうこうできる敵じゃねぇだろ?」
「ぼくっ、分かった! 味方につけるのは、人間じゃないっ!」
「うん、コウ、正解」
パタパタと尻尾を振るコウ。その頭をポフポフと撫でてやった後、僕は、ある一点へと視線を向ける。
「おい、ちょっと待て? まさか、あれじゃねぇだろうな? あっちの山のやつは、違うよな?」
「えっ? その通りだけど……何か、問題でもあるの?」
それだけは止めてくれと言わんばかりのローランの様子に、僕は、原因が分からずに尋ねる。
「マジか……アレは、性格が最悪なんだよ」
「何? 何? あっちの山の強い魔力のやつ? ローラン、知り合い?」
「性格が……ローラン、詳しくお願い」
目星をつけていたとはいえ、ソレがどういうものなのかは知らない。だから、僕達は、ちょうど良く腰かけられそうな広い階段に腰かけて、話を聞くことにする。
「後悔、するなよ?」
「後悔してもしなくても、やることは同じだから、早く話してよね?」
そうして、語られたローラン曰く、山の主の性格の悪さを聞いた僕は……やはり、別の案を考えるべきだろうかと真剣に悩むこととなる。
「あいつは……全く悪気はないが、とにかく構ってほしいってやつなんだ。その執着のせいで心を病んだり、自殺したりしたやつなんて、いくらでも居る」
山の主たる彼は、ローランを気に入り、さんざんつけ回していたが、ローランが必死に隠れた結果、どうにか、その魔の手から逃れることができたらしい。
「頼むから、俺だけは、あいつと関わらせないでくれっ」
真っ青になって懇願するローランの様子に、相手は相当なのだと判断する。
「あんな、変態野郎の近くになんざ、もう、二度と行きたくねぇっ」
人通りの少ないその場所で、ローランの叫びは、とても切実に響いた。
「せめて、魔王と合流できれば良いんだけどね」
「魔王? 何で?」
コウは、普段のサイズでは怖がられるようなので、今は、その半分の、大型犬よりも一回り大きいくらいのサイズで首をかしげる。
「魔王が、気になることを言ってたんだ。瘴気の力を自分に与えた存在には、何か目的があったようだってね」
「そいつが、今回の黒幕ってわけか」
「多分ね。目的さえ分かれば、少しは対処することもできるんだろうけど、今は全く手がかりがないから、まず無理だね」
「ぼく達、何ができる?」
無理なことは無理だと断じて、コウに促される形で、目標を立てることにする。
「とりあえず、敵は強大だ。だから、戦力を上げるために、この国の強者を味方につけようと思う」
「強者って言ってもなぁ……普通の人間がどうこうできる敵じゃねぇだろ?」
「ぼくっ、分かった! 味方につけるのは、人間じゃないっ!」
「うん、コウ、正解」
パタパタと尻尾を振るコウ。その頭をポフポフと撫でてやった後、僕は、ある一点へと視線を向ける。
「おい、ちょっと待て? まさか、あれじゃねぇだろうな? あっちの山のやつは、違うよな?」
「えっ? その通りだけど……何か、問題でもあるの?」
それだけは止めてくれと言わんばかりのローランの様子に、僕は、原因が分からずに尋ねる。
「マジか……アレは、性格が最悪なんだよ」
「何? 何? あっちの山の強い魔力のやつ? ローラン、知り合い?」
「性格が……ローラン、詳しくお願い」
目星をつけていたとはいえ、ソレがどういうものなのかは知らない。だから、僕達は、ちょうど良く腰かけられそうな広い階段に腰かけて、話を聞くことにする。
「後悔、するなよ?」
「後悔してもしなくても、やることは同じだから、早く話してよね?」
そうして、語られたローラン曰く、山の主の性格の悪さを聞いた僕は……やはり、別の案を考えるべきだろうかと真剣に悩むこととなる。
「あいつは……全く悪気はないが、とにかく構ってほしいってやつなんだ。その執着のせいで心を病んだり、自殺したりしたやつなんて、いくらでも居る」
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人通りの少ないその場所で、ローランの叫びは、とても切実に響いた。
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