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第四章 隠し事
第四十九話 会いたいのに(ライナード視点)
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城の書物を色々と探したものの、中々異世界に繋がるような書物には巡り会えない。元々、一日で何とかなるとは思っていなかったので、そこは深刻には考えなかったものの、カイトのことを思えば、少しでも早く帰る方法を見つけてあげたかった。
(離れるのは、苦しいが……)
ドム爺からの連絡がくるまで、俺はズキズキと痛む胸を無視して探し続けた。
「カイトは、楽しめたのだろうか?」
「はい、少々お疲れのようではありましたが、楽しいお茶会だったご様子です」
「それなら、良い」
屋敷に帰ってすぐに出迎えたドム爺から、カイトの様子を聞いて、俺は早足でカイトの元へと向かう。少し離れていただけなのに、一秒でも早く、カイトに会いたくて仕方がなかった。
「カイト、入っても良いか?」
カイトの部屋の前で、俺はきっちり許可を求める。すると、カイトが身動ぎする音が聞こえ、ほどなくして許可が出る。
(っ、カイト、布団の上で出迎えるのは反則だっ)
布団の上に座り込んだカイトの姿に、俺は、自然と大股でカイトに近づき、誰にも見られないように抱き締めてしまう。
「カイト、会いたかった」
カイトの気持ちが俺に向いていないことは知っている。だから、布団の上で出迎えたのも、特に意味がないことくらい分かっている。ただ、声が切実なものになってしまうのだけは、どうか許してほしい。
そうして、何度かカイトの名前を呼んで抱き締め続けていると、ふいに、カイトからとても愛らしい声で自分の名前を呼ばれる。そして、その赤く染まった顔を見た瞬間……俺は、カイトに負けず劣らず赤くなった。
(っ!?!!?)
その瞬間、俺の俺が、反応してしまう。
「っ、す、すまないっ、すぐ、戻るっ!」
とにかくその一言を残し、俺は、そこから立ち去ることしかできなかった。
それから数分後……どうにか落ち着きを取り戻して、約束通り、またカイトの部屋へと向かう。
「カイト?」
「ど、どうぞ」
どこか緊張した声と、小さな声で、『冷静に、冷静に……』と呟くカイト。
(………………もしかして、俺は、意識されている?)
そんな希望が、俺の中で芽生えてしまう。
(っ、ダメだっ。カイトは、元の世界に帰るんだ。だから、だから……)
今でさえも、カイトを手放したくないと思っているのに、想いを返してもらえるかもしれないと思ってしまえば、余計にそれは酷くなってしまう。
(ダメだ。危険だ。これ以上は……)
これ以上は、俺がもたない。カイトへの想いを暴走させれば、傷つくのはカイトなのだ。それだけは、絶対にできなかった。
「カイト、しばらく、俺はカイトと会えない」
「えっ?」
だから、その言葉が出てきたのは自然なことで……胸の痛みが、これ以上ないほどに強くなったのを、俺は表情に出さないよう、必死に努力する。
「そ、れは……仕事、とか?」
「そんなようなものだ」
『仕事だ』とは言えなかった。何せ、カイトは俺が片翼休暇を取っていることを知っている。そこで嘘を吐くわけにはいかなかった。
「そう、か……えっと、頑張ってな?」
引き留めてほしいなんて、考えていたわけではないのに、カイトのその一言が重い。
「あぁ」
今まで、漠然と片翼が居たらと願ってきた俺は、激しく痛む胸に、『片翼を持つということがこんなに苦しいものだとは知らなかった』と、ぼんやり感想を抱く。しかし、それでも、カイトに会わなければ良かったなどとは思えない。
「必ず……」
「えっ?」
俺の小さな言葉に聞き返してきたカイト。しかし、俺はそれに答えるつもりはなく、緩く首を振る。
「側には、いつも通りノーラやリュシリーをつける。たまにはドム爺も居るだろう。不便があれば、すぐに言ってくれ」
「分かった」
戸惑いを残しながらうなずくカイトに、俺は離れたくないという思いを無視して、俺は身を翻す。
(必ず、帰る方法を見つけてみせる)
先ほど呑み込んだ決意の言葉を、胸のうちで唱えて、一歩を踏み出す。
「っ、ライナード、体には、気をつけて、な?」
そんなカイトの心配が、涙が出るほどに嬉しい。
「あぁ」
俺は、振り返ることなく、それだけを告げると、ぼんやりしながらカイトの隣にある自室へと籠り……。
(っ、隣だと、すぐに顔を合わせることになるじゃないかっ!)
その事実に気づくまで、俺はうちひしがれ続け……さらに、ショックを受けるのだった。
(離れるのは、苦しいが……)
ドム爺からの連絡がくるまで、俺はズキズキと痛む胸を無視して探し続けた。
「カイトは、楽しめたのだろうか?」
「はい、少々お疲れのようではありましたが、楽しいお茶会だったご様子です」
「それなら、良い」
屋敷に帰ってすぐに出迎えたドム爺から、カイトの様子を聞いて、俺は早足でカイトの元へと向かう。少し離れていただけなのに、一秒でも早く、カイトに会いたくて仕方がなかった。
「カイト、入っても良いか?」
カイトの部屋の前で、俺はきっちり許可を求める。すると、カイトが身動ぎする音が聞こえ、ほどなくして許可が出る。
(っ、カイト、布団の上で出迎えるのは反則だっ)
布団の上に座り込んだカイトの姿に、俺は、自然と大股でカイトに近づき、誰にも見られないように抱き締めてしまう。
「カイト、会いたかった」
カイトの気持ちが俺に向いていないことは知っている。だから、布団の上で出迎えたのも、特に意味がないことくらい分かっている。ただ、声が切実なものになってしまうのだけは、どうか許してほしい。
そうして、何度かカイトの名前を呼んで抱き締め続けていると、ふいに、カイトからとても愛らしい声で自分の名前を呼ばれる。そして、その赤く染まった顔を見た瞬間……俺は、カイトに負けず劣らず赤くなった。
(っ!?!!?)
その瞬間、俺の俺が、反応してしまう。
「っ、す、すまないっ、すぐ、戻るっ!」
とにかくその一言を残し、俺は、そこから立ち去ることしかできなかった。
それから数分後……どうにか落ち着きを取り戻して、約束通り、またカイトの部屋へと向かう。
「カイト?」
「ど、どうぞ」
どこか緊張した声と、小さな声で、『冷静に、冷静に……』と呟くカイト。
(………………もしかして、俺は、意識されている?)
そんな希望が、俺の中で芽生えてしまう。
(っ、ダメだっ。カイトは、元の世界に帰るんだ。だから、だから……)
今でさえも、カイトを手放したくないと思っているのに、想いを返してもらえるかもしれないと思ってしまえば、余計にそれは酷くなってしまう。
(ダメだ。危険だ。これ以上は……)
これ以上は、俺がもたない。カイトへの想いを暴走させれば、傷つくのはカイトなのだ。それだけは、絶対にできなかった。
「カイト、しばらく、俺はカイトと会えない」
「えっ?」
だから、その言葉が出てきたのは自然なことで……胸の痛みが、これ以上ないほどに強くなったのを、俺は表情に出さないよう、必死に努力する。
「そ、れは……仕事、とか?」
「そんなようなものだ」
『仕事だ』とは言えなかった。何せ、カイトは俺が片翼休暇を取っていることを知っている。そこで嘘を吐くわけにはいかなかった。
「そう、か……えっと、頑張ってな?」
引き留めてほしいなんて、考えていたわけではないのに、カイトのその一言が重い。
「あぁ」
今まで、漠然と片翼が居たらと願ってきた俺は、激しく痛む胸に、『片翼を持つということがこんなに苦しいものだとは知らなかった』と、ぼんやり感想を抱く。しかし、それでも、カイトに会わなければ良かったなどとは思えない。
「必ず……」
「えっ?」
俺の小さな言葉に聞き返してきたカイト。しかし、俺はそれに答えるつもりはなく、緩く首を振る。
「側には、いつも通りノーラやリュシリーをつける。たまにはドム爺も居るだろう。不便があれば、すぐに言ってくれ」
「分かった」
戸惑いを残しながらうなずくカイトに、俺は離れたくないという思いを無視して、俺は身を翻す。
(必ず、帰る方法を見つけてみせる)
先ほど呑み込んだ決意の言葉を、胸のうちで唱えて、一歩を踏み出す。
「っ、ライナード、体には、気をつけて、な?」
そんなカイトの心配が、涙が出るほどに嬉しい。
「あぁ」
俺は、振り返ることなく、それだけを告げると、ぼんやりしながらカイトの隣にある自室へと籠り……。
(っ、隣だと、すぐに顔を合わせることになるじゃないかっ!)
その事実に気づくまで、俺はうちひしがれ続け……さらに、ショックを受けるのだった。
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