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第五章 お姉様
第八十二話 診察
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(占いって……それは、あれか? 昔、なぜか俺の占いが当たるとか言われて、目をギラつかせた女子達に色々とやらされたやつのことか!?)
過去、なぜかそんな噂が蔓延した学校で女子達に囲まれ、逃げられないようにさせられた上、良く分からないカードの選択をさせられた記憶に、俺は自分でも分かるくらいに頬を引きつらせる。
「そ、それよりも、ニナを医者に診せた方が良いんじゃないのか?」
そう尋ねれば、熟睡しているニナを見て、リリスさんは『それもそうですわね』と言って、そのままその場から消えてしまう。
「えっ? えっ?」
「カイト、あれは転移魔法だ。恐らく、ルティアスを呼びに行ったのだろう」
(……えっ? 転移って、道具なしでもできるのか?)
俺が見た転移といえば、あの王子一行が俺を置き去りにした時に見たもののみで……その時に、何か道具を使っていたことを知っていた俺は、まさか道具なしに転移できるなんてと驚く。
「リリスは、カイトちゃんなら占いができるって言ってましたけど……何か、そんな能力があったりするんですか?」
呆然としている俺に、ローレルさんが質問してくる。
「いや、そんなことはないはずなんだけど……」
実際、俺の占いは当たらなかったらしい。そのため、噂はすぐに終息して、俺は連日押し掛ける女子達から解放されたのだが……それまでは、本当に、つらかった。
「戻りましたわ」
「うわっ! って……ルティアスさんは、どうかしたの?」
目の前からリリスさんが消えて、しばらくもしないうちに、リリスさんは帰ってきた。……なぜか号泣しているルティアスさんを腰に引っ付けて。
「ほら、ルティ。皆見てますわ。さっさと離れてくださいまし」
「うあぁぁあっ、リリスっ、僕、何でもするからっ! だから、居なくならないでぇぇえっ!」
見ていて痛々しいほどにリリスさんにすがりついて号泣するルティアスさんを見ていると、リリスさんはいったい何をしたんだと疑問がわく。
「……私も、帰ったらジェドがこんな状態だったりして……」
そして、ポツリと呟いたローレルさんに、俺はさらに突っ込みたくなる。
(本当に、何をしたんだっ!?)
「ほら、ルティ、そこのニナちゃんを診てあげてくださいまし。そうしたら、ちゃんと家に帰りますわ」
「う゛んっ」
ブンブンと、首が取れるのではないかと思えるほどに、何度もうなずいた後、まだ涙の後が残る顔で、ニナへと近づき、事情を聞き出す。
「あぁ、ニナちゃんは無自覚な魅了使いですわ」
そして、そんなリリスさんの爆弾発言に……。
「リリスっ、僕はリリスを愛してるっ! リリスっ、リリスはっ!?」
ルティアスさんは、必死の形相でリリスさんに詰め寄る。
「はぁ、ルティ、わたくしは、ルティを愛していますから、声を抑えてくださいまし。彼女の力は、今、海斗が抑えている状態ですので、何の影響もありませんわ」
「カイトちゃんが……?」
そして、グリンッと首だけをこちらに向けてきたルティアスさんに……俺は思わず、後退りたくなる。
「リリスを守ってくれて、ありがとうっ!」
真剣にお礼を言われた俺は、とにかくうなずく。そして……。
ゴツンッ。
「いっ!?」
「カイトを怯えさせるな」
ライナードの拳骨によって、どうにかその場は落ち着きを取り戻した。
「うん、確かに成長促進魔法を使われた形跡があるね……そして、残念ながら、将来は子供を望めないだろうね」
「そん、な……」
あまりにも惨いその結果に、俺は言葉を失う。
「どうにかなりませんの? ルティ」
「リリスのお願いでも、こればっかりは……ごめんね」
「いえ、無理ならは仕方ありませんわ。それに、魔族の寿命は長いのですから、いずれ、治療法が見つかるかもしれませんものね」
「うん、僕もリリスのためなら努力してみるよ」
「ありがとうございますわ」
一度はニナの将来を思って目の前が真っ暗になったものの、リリスさんの言葉で我に返る。
(そうだ、魔族って長命な種族なんだから、まだ希望はあるんだっ)
「とりあえず、ニナちゃんの体に関しては以上ですわね。さぁ、カイト? 占ってもらいますわよ?」
「いや、だから、私に占いなんてできないんだけど!?」
「何を言ってますの? カイトは、自分に関わることであれば、百発百中の占いができるはずですわよ? 実際、山で遭難しても道を見つけるくらいのことはできましたでしょう?」
「いや、そりゃあ、道を見つけるくらいのことはできるけど……」
それは、言わずもがな、枝を倒してその方向に進むという方法だ。しかし、それと占いとは違う気がする。
「とにかく、騙されたと思ってやってみてくださいまし」
そう言われて、俺は、占いをするはめになるのだった。
過去、なぜかそんな噂が蔓延した学校で女子達に囲まれ、逃げられないようにさせられた上、良く分からないカードの選択をさせられた記憶に、俺は自分でも分かるくらいに頬を引きつらせる。
「そ、それよりも、ニナを医者に診せた方が良いんじゃないのか?」
そう尋ねれば、熟睡しているニナを見て、リリスさんは『それもそうですわね』と言って、そのままその場から消えてしまう。
「えっ? えっ?」
「カイト、あれは転移魔法だ。恐らく、ルティアスを呼びに行ったのだろう」
(……えっ? 転移って、道具なしでもできるのか?)
俺が見た転移といえば、あの王子一行が俺を置き去りにした時に見たもののみで……その時に、何か道具を使っていたことを知っていた俺は、まさか道具なしに転移できるなんてと驚く。
「リリスは、カイトちゃんなら占いができるって言ってましたけど……何か、そんな能力があったりするんですか?」
呆然としている俺に、ローレルさんが質問してくる。
「いや、そんなことはないはずなんだけど……」
実際、俺の占いは当たらなかったらしい。そのため、噂はすぐに終息して、俺は連日押し掛ける女子達から解放されたのだが……それまでは、本当に、つらかった。
「戻りましたわ」
「うわっ! って……ルティアスさんは、どうかしたの?」
目の前からリリスさんが消えて、しばらくもしないうちに、リリスさんは帰ってきた。……なぜか号泣しているルティアスさんを腰に引っ付けて。
「ほら、ルティ。皆見てますわ。さっさと離れてくださいまし」
「うあぁぁあっ、リリスっ、僕、何でもするからっ! だから、居なくならないでぇぇえっ!」
見ていて痛々しいほどにリリスさんにすがりついて号泣するルティアスさんを見ていると、リリスさんはいったい何をしたんだと疑問がわく。
「……私も、帰ったらジェドがこんな状態だったりして……」
そして、ポツリと呟いたローレルさんに、俺はさらに突っ込みたくなる。
(本当に、何をしたんだっ!?)
「ほら、ルティ、そこのニナちゃんを診てあげてくださいまし。そうしたら、ちゃんと家に帰りますわ」
「う゛んっ」
ブンブンと、首が取れるのではないかと思えるほどに、何度もうなずいた後、まだ涙の後が残る顔で、ニナへと近づき、事情を聞き出す。
「あぁ、ニナちゃんは無自覚な魅了使いですわ」
そして、そんなリリスさんの爆弾発言に……。
「リリスっ、僕はリリスを愛してるっ! リリスっ、リリスはっ!?」
ルティアスさんは、必死の形相でリリスさんに詰め寄る。
「はぁ、ルティ、わたくしは、ルティを愛していますから、声を抑えてくださいまし。彼女の力は、今、海斗が抑えている状態ですので、何の影響もありませんわ」
「カイトちゃんが……?」
そして、グリンッと首だけをこちらに向けてきたルティアスさんに……俺は思わず、後退りたくなる。
「リリスを守ってくれて、ありがとうっ!」
真剣にお礼を言われた俺は、とにかくうなずく。そして……。
ゴツンッ。
「いっ!?」
「カイトを怯えさせるな」
ライナードの拳骨によって、どうにかその場は落ち着きを取り戻した。
「うん、確かに成長促進魔法を使われた形跡があるね……そして、残念ながら、将来は子供を望めないだろうね」
「そん、な……」
あまりにも惨いその結果に、俺は言葉を失う。
「どうにかなりませんの? ルティ」
「リリスのお願いでも、こればっかりは……ごめんね」
「いえ、無理ならは仕方ありませんわ。それに、魔族の寿命は長いのですから、いずれ、治療法が見つかるかもしれませんものね」
「うん、僕もリリスのためなら努力してみるよ」
「ありがとうございますわ」
一度はニナの将来を思って目の前が真っ暗になったものの、リリスさんの言葉で我に返る。
(そうだ、魔族って長命な種族なんだから、まだ希望はあるんだっ)
「とりあえず、ニナちゃんの体に関しては以上ですわね。さぁ、カイト? 占ってもらいますわよ?」
「いや、だから、私に占いなんてできないんだけど!?」
「何を言ってますの? カイトは、自分に関わることであれば、百発百中の占いができるはずですわよ? 実際、山で遭難しても道を見つけるくらいのことはできましたでしょう?」
「いや、そりゃあ、道を見つけるくらいのことはできるけど……」
それは、言わずもがな、枝を倒してその方向に進むという方法だ。しかし、それと占いとは違う気がする。
「とにかく、騙されたと思ってやってみてくださいまし」
そう言われて、俺は、占いをするはめになるのだった。
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