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エピローグ
第百二十話 二人の未来
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海斗です。昨日、ライナードに告白したとです。
海斗です。俺の危惧は全く外れてなんていなかったとです。
海斗です。今、下半身が痛くて動けないとです。
海斗です。このネタが分かる人はこの世界に少ししか居ないから、ちょっと寂しいとです。
海斗です。海斗です。海斗です……。
(うん、まぁ、ふざけても現状は変わらないけどな?)
デートの途中で、見事、お持ち帰りをされた俺は、結局、ライナードと結ばれることとなった。何というか……随分我慢させてたんだなぁというのが、一番の感想だ。
(でも、これでもう、俺は私になったわけで……)
男だったことに未練はないのかと聞かれれば、もしかしたらないのかもしれない、というくらいに、今はあっさりとこの体のことを受け入れられる。何よりも、ライナードの子供を生めるという点が大きい。
(いや、うん、だって、ほら……ライナードとの子供とか、絶対に可愛いし)
残念ながら、魔族は中々子供ができない種族らしいが、きっとそのうち、できるだろうと思っている。何でも、片翼と契りを交わせば、寿命が相手の魔族と同じくらいに伸びるらしいため、まだまだ数百年は生きることになりそうだった。
「カイトっ! 結婚式のドレスはどんなものが良い?」
ベッドでゴロゴロのんびりしていたところに、ライナードが何やら大量のカタログを持って入ってくる。
「へっ? えっ? 結婚式!?」
「む。カイトのウェディングドレスだ。あぁ、できれば、ドレスの色は赤か緑にしてほしいのだが」
そう言って、寝そべった俺にも見えるように、赤いドレスが載っているページを嬉々として見せてくるライナード。それに、頬を引きつらせた俺は、正常な反応をしていると思う。
「気が早くないか!?」
「そんなことはない。魔族で片翼同士であれば、会ったその日に結婚というのも珍しくない。まぁ、貴族の場合はそうはいかないこともあるが、それでも身内だけの結婚式をその日にすませるところは多いな」
「会ったその日に……」
いくらなんでも、それはスピード結婚の域を超えている。愛に生きる種族だというのは分かっていたはずなのに、今は、カルチャーショックが酷い。
「だから、カイト、結婚式の話をしよう」
「……うん」
目をキラキラと輝かせているライナードを前に、俺が断れるはずもなく、結局うなずくこととなる。
「じゃあ、一生の思い出になるような結婚式にしような」
「っ! もちろんだっ!」
これからは、ライナードと夫婦になる。恋人の期間が異様に短かったような気がしないでもないが、心はそれに喜んでいるから問題はないのだろう。
(少し、照れくさいけど……ライナードと一緒なら、なんだってできる)
たった一人、異世界に召喚された時は、己の不遇を嘆いたりもしたが、今は、召喚されて良かったと心から思う。
これから迎える結婚式に思いを馳せながら、俺達は、仲良く、話し合う。
暖かな居場所を見つけた俺は、もう、絶対にライナードから離れることはないだろう。死が二人を分かつまで……いや、死んでもなお、一緒に居たいと願いながら、よく晴れた日に、俺達は結婚式を迎えるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
これにて、『俺、異世界で置き去りにされました!?』は完結です。
後は、たまに『片翼シリーズ番外編』を更新したり、リリスちゃんの妹、シェイラちゃんが主人公な『私、竜人の国で寵妃にされました!?』を更新したりしていきたいと思います。
その後は……また、溺愛タグがつきそうな恋愛ものを書くかもです。
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
海斗です。俺の危惧は全く外れてなんていなかったとです。
海斗です。今、下半身が痛くて動けないとです。
海斗です。このネタが分かる人はこの世界に少ししか居ないから、ちょっと寂しいとです。
海斗です。海斗です。海斗です……。
(うん、まぁ、ふざけても現状は変わらないけどな?)
デートの途中で、見事、お持ち帰りをされた俺は、結局、ライナードと結ばれることとなった。何というか……随分我慢させてたんだなぁというのが、一番の感想だ。
(でも、これでもう、俺は私になったわけで……)
男だったことに未練はないのかと聞かれれば、もしかしたらないのかもしれない、というくらいに、今はあっさりとこの体のことを受け入れられる。何よりも、ライナードの子供を生めるという点が大きい。
(いや、うん、だって、ほら……ライナードとの子供とか、絶対に可愛いし)
残念ながら、魔族は中々子供ができない種族らしいが、きっとそのうち、できるだろうと思っている。何でも、片翼と契りを交わせば、寿命が相手の魔族と同じくらいに伸びるらしいため、まだまだ数百年は生きることになりそうだった。
「カイトっ! 結婚式のドレスはどんなものが良い?」
ベッドでゴロゴロのんびりしていたところに、ライナードが何やら大量のカタログを持って入ってくる。
「へっ? えっ? 結婚式!?」
「む。カイトのウェディングドレスだ。あぁ、できれば、ドレスの色は赤か緑にしてほしいのだが」
そう言って、寝そべった俺にも見えるように、赤いドレスが載っているページを嬉々として見せてくるライナード。それに、頬を引きつらせた俺は、正常な反応をしていると思う。
「気が早くないか!?」
「そんなことはない。魔族で片翼同士であれば、会ったその日に結婚というのも珍しくない。まぁ、貴族の場合はそうはいかないこともあるが、それでも身内だけの結婚式をその日にすませるところは多いな」
「会ったその日に……」
いくらなんでも、それはスピード結婚の域を超えている。愛に生きる種族だというのは分かっていたはずなのに、今は、カルチャーショックが酷い。
「だから、カイト、結婚式の話をしよう」
「……うん」
目をキラキラと輝かせているライナードを前に、俺が断れるはずもなく、結局うなずくこととなる。
「じゃあ、一生の思い出になるような結婚式にしような」
「っ! もちろんだっ!」
これからは、ライナードと夫婦になる。恋人の期間が異様に短かったような気がしないでもないが、心はそれに喜んでいるから問題はないのだろう。
(少し、照れくさいけど……ライナードと一緒なら、なんだってできる)
たった一人、異世界に召喚された時は、己の不遇を嘆いたりもしたが、今は、召喚されて良かったと心から思う。
これから迎える結婚式に思いを馳せながら、俺達は、仲良く、話し合う。
暖かな居場所を見つけた俺は、もう、絶対にライナードから離れることはないだろう。死が二人を分かつまで……いや、死んでもなお、一緒に居たいと願いながら、よく晴れた日に、俺達は結婚式を迎えるのだった。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
これにて、『俺、異世界で置き去りにされました!?』は完結です。
後は、たまに『片翼シリーズ番外編』を更新したり、リリスちゃんの妹、シェイラちゃんが主人公な『私、竜人の国で寵妃にされました!?』を更新したりしていきたいと思います。
その後は……また、溺愛タグがつきそうな恋愛ものを書くかもです。
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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それでは、ご感想ありがとうございました。