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第一章 解放
第二話 婚約破棄
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遡ること、一週間前。シードル王立学園での卒業パーティーで、それは起こった。
「リリス・シャルティー公爵令嬢! 私、エルヴィス・レイリンは、貴女との婚約を破棄させてもらうっ! そして、新たに、ホーリー・ヴィッツ男爵令嬢を婚約者とするっ!!」
立食形式のパーティーで、突如として声高に宣言され、リリスは能面のような無表情で首だけをかしげる。
宣言を行った男は、レイリン王国第一王子エルヴィス・レイリンだ。金髪碧眼で、いかにも王子然としたイケメン。ただし、その性格は我が儘放題の俺様王子。
そんな王子にしなだれかかるようにしている見た目だけ可愛らしい女性は、栗色の髪と瞳を持つ男爵令嬢。確か、元々は庶子で、ここ最近ヴィッツ男爵が引き取ったとされる令嬢だ。
勝ち誇ったかの表情でこちらを見る彼女が、性格まで可愛いとは思えないわたくしは、一応の反論を試みる。
「この婚約は、王家とシャルティー公爵家との契約ですわ。わたくし達の一存で破棄できるようなものではございません」
「はっ、そんなこと分かっているっ。しっかりと父上からも許可を得た! そして、貴様にはホーリーへの殺人未遂の容疑がかけられている。よって、リリス・シャルティー公爵令嬢は、身分剥奪の上、国外追放とするっ!」
そういえば、その男爵令嬢はそんな名前だったかと思いながら、それでも覚えのない罪状に首をかしげかけて……思い直す。
(これは、チャンスね)
そもそも、わたくしはこの婚約を破棄したいと常々思っていた。ひねくれ者である自覚のあるわたくしは、その特性を前面に出して王子に嫌われようと努力し続けてきたのだ。
とはいっても、家名に泥を塗るのは色々と面倒なので、やったことといえばただ一つ。常に無表情で居ることだけだ。これが中々に効果的で、幼い頃の王子は、すぐにわたくしを気味悪がり、やがて『人形姫』などという社交界でのあだ名まで冠するようになった。
「かしこまりました。それでは、御前失礼致します」
裏での活動以外で、幼少期以来の笑顔を見せたわたくしは、周りの人間が呆けている間に一つの魔法を発動させる。
「国外まで、転移っ」
パリーンと城にかけられていた転移防止結界を破って、嫌がらせをしたわたくしは、次の瞬間、大自然の中にある小さなログハウスの前に出た。
「リリス・シャルティー公爵令嬢! 私、エルヴィス・レイリンは、貴女との婚約を破棄させてもらうっ! そして、新たに、ホーリー・ヴィッツ男爵令嬢を婚約者とするっ!!」
立食形式のパーティーで、突如として声高に宣言され、リリスは能面のような無表情で首だけをかしげる。
宣言を行った男は、レイリン王国第一王子エルヴィス・レイリンだ。金髪碧眼で、いかにも王子然としたイケメン。ただし、その性格は我が儘放題の俺様王子。
そんな王子にしなだれかかるようにしている見た目だけ可愛らしい女性は、栗色の髪と瞳を持つ男爵令嬢。確か、元々は庶子で、ここ最近ヴィッツ男爵が引き取ったとされる令嬢だ。
勝ち誇ったかの表情でこちらを見る彼女が、性格まで可愛いとは思えないわたくしは、一応の反論を試みる。
「この婚約は、王家とシャルティー公爵家との契約ですわ。わたくし達の一存で破棄できるようなものではございません」
「はっ、そんなこと分かっているっ。しっかりと父上からも許可を得た! そして、貴様にはホーリーへの殺人未遂の容疑がかけられている。よって、リリス・シャルティー公爵令嬢は、身分剥奪の上、国外追放とするっ!」
そういえば、その男爵令嬢はそんな名前だったかと思いながら、それでも覚えのない罪状に首をかしげかけて……思い直す。
(これは、チャンスね)
そもそも、わたくしはこの婚約を破棄したいと常々思っていた。ひねくれ者である自覚のあるわたくしは、その特性を前面に出して王子に嫌われようと努力し続けてきたのだ。
とはいっても、家名に泥を塗るのは色々と面倒なので、やったことといえばただ一つ。常に無表情で居ることだけだ。これが中々に効果的で、幼い頃の王子は、すぐにわたくしを気味悪がり、やがて『人形姫』などという社交界でのあだ名まで冠するようになった。
「かしこまりました。それでは、御前失礼致します」
裏での活動以外で、幼少期以来の笑顔を見せたわたくしは、周りの人間が呆けている間に一つの魔法を発動させる。
「国外まで、転移っ」
パリーンと城にかけられていた転移防止結界を破って、嫌がらせをしたわたくしは、次の瞬間、大自然の中にある小さなログハウスの前に出た。
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