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第六章 復讐
第六十四話 裏舞台(ルティアス視点)
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「結果は上々、かな?」
リリスから家庭環境、および、王家や婚約者の暴挙を聞いた僕は、すぐに報復行動に出ることとした。と、いっても、リリスの側を離れる気はないので、兄さんの能力を使っての復讐だ。
もちろん、リリスには許可をもらったし、妹であるシェイラさんにも連絡をつけて、許可をもらった。
「兄さんには、感謝しないと」
僕が行ったことは、兄さんと連携しての情報収集と、何人かの夢に潜り込むこと。情報は、その人物の家族構成から、性格、趣味嗜好といった、多岐に渡るものを調べあげ、どのような復讐が効果的かを探っていった。
シャルティー公爵家当主、アドス・シャルティーには、リリスになんの力もなかった場合、自分がどれだけのことをしてきたのかを夢の中で叩きこんだ。そして、何度も何度も強制的に夢の中へと誘い、注意力を散漫なものへと変え、兄さんが手配した金貸し屋の書類へとサインさせることに成功した。後は、定期的に悪夢を見せて体力も気力も削り、借金の取り立てで破滅するよう誘導してやれば良い。
次に、リリスの義母、ニナ・シャルティーに関しては、家族のことを調べてみると、ニナ以外の者は比較的まともであることが分かった。だから、万が一にも、この復讐で彼らが巻き込まれることがないよう、あらかじめ隠密に長けた者を手配しておいて事にあたった。
ニナの両親には、夢の中で、ニナが今までどう過ごしてきたのかを見せた。そして、そのタイミングでアドスが借金取りにニナを奴隷にしても良いというサインをしている様子も見せる。
ニナの日々の浪費に憔悴していた二人は、それを正夢だと判断し、家中に可燃性の薬剤をまき、心中の準備を始めたものだから、僕は少し焦って、二人の救出を隠密に頼むこととなったが、とりあえず無事だったため安心だ。
ニナは、アドスのサインによって、奴隷に堕ちることとなり、今は、僕が前もって調べて、奴隷商の夢に見せておいた加虐趣味の男に買われていった。
「リリス、ニナの両親、つまり、リリスにとっての義祖父母にあたる人達を救出したんだけど、どうしたら良いと思う?」
「そう、ですわね。お二人は、どのような様子かしら?」
「報告では、随分と憔悴してるみたい。生きる気力を失ってる、という感じらしいよ。一応、怪我はないけど」
「……なら、一度シェイラも交えて話しておきたいですわ」
「そっか。それなら、ドラグニル竜国に彼らを送るようにしておくよ」
復讐の進捗は、逐一リリスに報告している。
ニナという女は、幼少の頃から男にモテることを自覚して、男達をたぶらかし、彼らを上手く利用しながら両親の教育から逃れてきたような女だ。そんな女がどうなろうが知ったことではないものの、その女を必死に教育しようとし続けてきた両親には罪はないだろう。たとえ本人達が責任を感じていたとしても、彼らを責めるリリスやシェイラさんではない。
「リリス。少しずつ復讐ができてきてるけど、どんな感じかな?」
「……そう、ですわね。まだ分かりませんが、随分と呆気ないような気がしますわ」
「そっか……。それじゃあ、続けて王家の方も色々工作してみるね」
「えぇ、分かりましたわ」
複雑そうな表情で告げるリリスに、僕はリリスをそっと抱き寄せる。
「報告を聞きたくないなら、それでも良いんだよ? 僕は、リリスが傷つけられたことが許せなくて、それで復讐してるだけなんだから、リリスが気負う必要はないよ」
「……っ、気負ってるわけではありませんわっ! ただ、その……わたくしを煩わせていた存在が、今は小さく見えていて、その落差に驚いていただけですわっ」
腕の中で顔を赤くして反論するリリスに、僕はそっと安堵の息を吐く。もしも、この復讐がリリスの負担になるようであれば、僕は即刻手を引くつもりだった。今や、僕が何もしなくても、リリスに危害を加えた者達は滅びの道を辿ることとなっている。僕は、それを少し後押しして、より惨い結果に導いているだけだ。
「それと、その……こんなことをさせて申し訳ないと言いますか……い、いい加減、離してくださいましっ」
そう言って、僕の胸を軽く押すリリス。魔法を使えば簡単に抜け出すことくらいできるはずなのに、それをしないリリスを見ていると、素直じゃないとしか思えないのだが、それを言えば反論されることが分かっているため、僕は静かに抱き締める腕に力を込める。
「ちょっ!?」
「大丈夫だよ。リリス。僕は、今までそれなりに汚れ仕事もしてきたから、この程度、何ともないよ。リリスは、本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫ですわっ! だ、だから、離してくださいましっ!」
涙目になって反論するリリスに、僕は本当に大丈夫そうだと確信して、腕の力を緩めるのだった。
リリスから家庭環境、および、王家や婚約者の暴挙を聞いた僕は、すぐに報復行動に出ることとした。と、いっても、リリスの側を離れる気はないので、兄さんの能力を使っての復讐だ。
もちろん、リリスには許可をもらったし、妹であるシェイラさんにも連絡をつけて、許可をもらった。
「兄さんには、感謝しないと」
僕が行ったことは、兄さんと連携しての情報収集と、何人かの夢に潜り込むこと。情報は、その人物の家族構成から、性格、趣味嗜好といった、多岐に渡るものを調べあげ、どのような復讐が効果的かを探っていった。
シャルティー公爵家当主、アドス・シャルティーには、リリスになんの力もなかった場合、自分がどれだけのことをしてきたのかを夢の中で叩きこんだ。そして、何度も何度も強制的に夢の中へと誘い、注意力を散漫なものへと変え、兄さんが手配した金貸し屋の書類へとサインさせることに成功した。後は、定期的に悪夢を見せて体力も気力も削り、借金の取り立てで破滅するよう誘導してやれば良い。
次に、リリスの義母、ニナ・シャルティーに関しては、家族のことを調べてみると、ニナ以外の者は比較的まともであることが分かった。だから、万が一にも、この復讐で彼らが巻き込まれることがないよう、あらかじめ隠密に長けた者を手配しておいて事にあたった。
ニナの両親には、夢の中で、ニナが今までどう過ごしてきたのかを見せた。そして、そのタイミングでアドスが借金取りにニナを奴隷にしても良いというサインをしている様子も見せる。
ニナの日々の浪費に憔悴していた二人は、それを正夢だと判断し、家中に可燃性の薬剤をまき、心中の準備を始めたものだから、僕は少し焦って、二人の救出を隠密に頼むこととなったが、とりあえず無事だったため安心だ。
ニナは、アドスのサインによって、奴隷に堕ちることとなり、今は、僕が前もって調べて、奴隷商の夢に見せておいた加虐趣味の男に買われていった。
「リリス、ニナの両親、つまり、リリスにとっての義祖父母にあたる人達を救出したんだけど、どうしたら良いと思う?」
「そう、ですわね。お二人は、どのような様子かしら?」
「報告では、随分と憔悴してるみたい。生きる気力を失ってる、という感じらしいよ。一応、怪我はないけど」
「……なら、一度シェイラも交えて話しておきたいですわ」
「そっか。それなら、ドラグニル竜国に彼らを送るようにしておくよ」
復讐の進捗は、逐一リリスに報告している。
ニナという女は、幼少の頃から男にモテることを自覚して、男達をたぶらかし、彼らを上手く利用しながら両親の教育から逃れてきたような女だ。そんな女がどうなろうが知ったことではないものの、その女を必死に教育しようとし続けてきた両親には罪はないだろう。たとえ本人達が責任を感じていたとしても、彼らを責めるリリスやシェイラさんではない。
「リリス。少しずつ復讐ができてきてるけど、どんな感じかな?」
「……そう、ですわね。まだ分かりませんが、随分と呆気ないような気がしますわ」
「そっか……。それじゃあ、続けて王家の方も色々工作してみるね」
「えぇ、分かりましたわ」
複雑そうな表情で告げるリリスに、僕はリリスをそっと抱き寄せる。
「報告を聞きたくないなら、それでも良いんだよ? 僕は、リリスが傷つけられたことが許せなくて、それで復讐してるだけなんだから、リリスが気負う必要はないよ」
「……っ、気負ってるわけではありませんわっ! ただ、その……わたくしを煩わせていた存在が、今は小さく見えていて、その落差に驚いていただけですわっ」
腕の中で顔を赤くして反論するリリスに、僕はそっと安堵の息を吐く。もしも、この復讐がリリスの負担になるようであれば、僕は即刻手を引くつもりだった。今や、僕が何もしなくても、リリスに危害を加えた者達は滅びの道を辿ることとなっている。僕は、それを少し後押しして、より惨い結果に導いているだけだ。
「それと、その……こんなことをさせて申し訳ないと言いますか……い、いい加減、離してくださいましっ」
そう言って、僕の胸を軽く押すリリス。魔法を使えば簡単に抜け出すことくらいできるはずなのに、それをしないリリスを見ていると、素直じゃないとしか思えないのだが、それを言えば反論されることが分かっているため、僕は静かに抱き締める腕に力を込める。
「ちょっ!?」
「大丈夫だよ。リリス。僕は、今までそれなりに汚れ仕事もしてきたから、この程度、何ともないよ。リリスは、本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫ですわっ! だ、だから、離してくださいましっ!」
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