不幸なことに異世界へ！？意外と充実してます…

授業

何を教えようかな～…なんて考えているとナハルディン先生に呼ばれてしまった。

｢いやぁ、申し訳ない。こういうことだから算数を専攻してもらえないかね？｣

…どういうことかと言うと学校で一級商人が先生になったことが話題になり計算を教えて欲しいと言ってくる学生が大勢いたとのことだった。

｢…わかりました。では、一度主任の授業を見学させてもらえませんか？｣

｢私の授業を？｣

｢はい、授業などしたことがないので勉強させてください。｣

｢わかった。明日から授業がある。それに参加するかね？｣

｢是非お願いします。｣

…次の日。

｢なぜジン先生がこの授業に？…もしかして私クビ？｣

｢違いますよ！ダラムマティ先生！戦闘ではなく算数を担当することになったので主任の授業を学んでおきたいと思っただけです！｣

｢算数を？｣

｢えぇ、私の授業を希望する学生がいるようでして…｣

｢理解しました。ジン先生も大変ですね｣

｢ははは…｣

主任の授業が始まりみんなが集中している頃、私は欠伸を我慢するのに集中していた。レベルが低すぎるのだ…。足し算をするのに時間かかりすぎ。このレベルの授業って逆に大変かもしれないな…。

｢………つまり、ここはこうなるのである…ジン先生！｣

｢はい！｣

やばい！聞いてなかった！答えられるかな…？

｢526+276を答えてくれ。｣

｢802です！｣

｢…早いな。皆はここまでなる必要は無いが紙を使わず頭の中で計算できるようになってくれ！以上！これにて今日の講義を終了する！｣

生徒が後片付けを始めるとナハルディン先生が近づいてくる。

｢私の授業はどうだったかね？…まぁ、一級商人が受ければ退屈だっただろう？｣

｢いえ、ためになりました。私の基準で進めると危なかったかも知れません…｣

｢基準？｣

｢えぇ、生徒会長のユミナさんです。彼女はすぐに2桁の掛け算を覚えてくれたので…｣

まぁ、彼女を基準に考えていたらダメだよな…。

｢なるほど…伸び悩んでいた彼女の後ろを押したのは貴方でしたか…私は教師失格ですね…生徒のわからないところをどう教えていいのかわからなかった…｣

｢少しだけやり方を教えただけですよ。基本ができてたからわかることが出来たわけですし｣

｢…そうですね！負けませんよ！初心に戻って必ず役に立つ授業にして見せます！｣

｢頑張ってください！｣

それから何度も主任の授業を受け１ヶ月後…ついに、この日が来てしまった…。