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決勝戦を終えて

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決勝戦が終わるとディオネから屋敷で待っているという連絡を受けて屋敷へと向かう。
屋敷につくとニュクスが居て「ドッペルゲンガーの用意ができました」と言われた。
自分で大公を辞めたいと言っていたことを忘れていたのだが説明を受けて思い出すことが出来た。

「早かったね…」

「主様のためですから…それと名前の違う身分証を用意しました。これは平民用ですのでご注意ください」

「ありがとう。じゃあ…折角アバンダンスの身分証を作ってもらったからアバンダンスを中心に活動していこうかな」

「あ、これを…」

「これは?結構分厚いみたいだけど…?」

「主様の話を他の国王にしてみましたら我が国の身分証も作らせてほしいと申しましたので…」

「へぇ…ありがとう。これはすごく嬉しいよ」

「お役に立てたのでしたら光栄です。それとこちらを…」

「これは?」

「私の使い魔です。普段は影と同化するのでお気になさらず…連絡ができない時の緊急手段としてお使い下さい」

「よろしくお願い致します。最悪の事態となった場合私を殺してもらって構いません…殺された使い魔は主の元である程度の代価を使い復活ができます」

「うーん、一人の方が気楽なんだけどなぁ…」

「…私ではダメですか?」

「はぁ…仕方ないか…案内などしてもらうよ?」

「かしこまりました!本日よりよろしくお願いします!」

あぁ、私の自由な生活が…。

「さて、身分証の名前は…スミス…職人かぁ…ニュクスたちの前じゃあアイテム作成の時間が多かったからなぁ…」

「気に入ってもらえましたか?」

「もちろん、それとこの影の名前はなんて言うんだい?」

「私に名はありません。なので影とお呼びください」

「あ、そう?」

「はい」

青年にでも化けるか?
いや、でも青年からおっさんになるってキツイぞ…。
このまんまでいいか…緊急の時は顔を変えて逃げることにしよう。
…すぐに戻すよ?
まぁ、追われてる訳でもないし…そう気負うこともないか。

「じゃあ…そろそろ行くか」

「あの…僕は…?」

あー、やっぱり出てくるよなぁ…。
パーンには本当に申し訳ないが…一人の時間が欲しい。

「マサヤとして活動する時はお願いしていいかな?今回はできるだけ一人で行動したいんだ」

「…わかりました」

「そう拗ねるな…お前達が一番大事に決まってるだろう?少し休憩の期間が欲しいのだよ…なに、時々戻ってくるさ」

「…はい、気をつけて行ってきてください」

「あぁ、ではまたな!」
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