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日本人の登場⑤

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パチパチパチ…

敵の前に拍手をして空から飛んで登場する。

「いや、お見事。君たち四人が精鋭かな?」

「だったらなんだ?それとおまえは誰だ?」

「いや、失礼。私はアバンダンスの公爵だ。君たちの戦力を図るために来た…とでも言っておこうかな?」

「…アバンダンスの公爵殿は中々に豪胆な人だ」

「君は日本人なのかね?」

「…だったらどうしたと言うんだ?」

「私の知り合いにも日本人が何人かいてね?どうだろうか…少し話でもしないか?」

「話をするメリットが特に無いな…」

「ふむ、君たちが滅ぼそうとしている国で醤油を見つけたから一つ飯でも…と思ったんだがね」

「毒を盛るつもりか?」

「まさか…それに毒ならすぐに気づけるんじゃないか?」

「まぁな、わかった。いいだろう。飯を頂こうじゃないか…場所はどこにする?」

「ここでどうかな?」

「…ここで?貴方のスライムが暴れたせいで…瓦礫の山などがあるぞ?」

瓦礫の山はお前の技で出来たんだけどな…アシッドスライムは全部溶かしていたし。

「おっと失礼。では片付けるとしよう」

アシッドスライムを大量に召喚し、周りの家までも食べてもらい、ここを平地にした。

「…チッ、防御陣を引くのが面倒になったな。それに…」

「私はマサヤって言うんだが…君は?」

「俺はリューヤだ。」

「そうか…そろそろ片付いたし飯にしようか…」

やっぱり刺身かな?
ちょうどいい魚も持ってることだしね…。

「刺身でもいいか?」

「…刺身は少し怖いな」

「なーに、刺身も寄生虫がいるか鑑定すれば問題ないぞ?」

「そうなのか!?」

「まぁ、アバンダンスなどの海が近くにある国でないと食べられんがな?」

「…そうか」

「さて、出来たぞ。刺身の盛り合わせだ」

「美味そうだな…日本か…懐かしいな」

「君はここに来て何年になるのかな?」

「…そうだな、ここに来て…もう五年になるかな?」

「へぇ…五年に…ではそろそろ女のひとりやふたり出来たろ?」

「…この戦争が終わればゆっくりとできる」

「…なら、攻めるのをやめたらいい。そもそも君たちから攻めてきたんだろう?」

刺身を一口。
ご飯を取り出し、丼のようにして掻っ込む。

「俺にもご飯をくれ」

「どーぞ」

「…俺は知らない森に飛ばされてから一年間森の中で過ごしていた。森の中では弱肉強食。人間が食物連鎖の頂点だった地球とはなにもかもが違ったよ…そんな時に助けてくれたのがこの国の王女だった。俺は彼女に感謝している。だからこの戦争にも勝たなくてはならない」

「なるほどねぇ…うまい作り話を信じさせられたものだよ」

「なんだと?」

「君は洗脳されてるよ…それは多分その王女達が作った設定じゃないかな?私ならその洗脳を解けるけど…どうする?」

「…悪いが信用しかねる。俺と貴方は今は敵だ…」

「ふむ、では、『正気の御札』と『転移の魔術符』を君に預けておこう。使い方は鑑定をしなさい。君が疑わしいと思った時に我々のところまで来るといい…」

「…いいのか?貴重な品だぞ?」

「…後で返してくれよ?もう入手するのは難しいんだから」

「わかったよ。それでは刺身ご馳走様でした」

「おぅ、これ持ってけ」

醤油を投げる。

「ありがとう」

「じゃ、またな?」

「あぁ…」

リューヤは三人の女性と共に戻って行った。

「主様…そろそろ戻りませんか?」

「そーだな…敵と飯も食えたことだし、伝えたいことも伝えたしな」

私とパーンは転移を使い、陣地へと戻った。
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