ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第一章 異世界転移編

第6話 異世界初夜

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 レベルが上がったので、ステータスを確認してみる。

#############################################
【ステータス】
名前:コウ
LV:4
称号:悲哀なる社畜
HP:1228/1228(+4)
MP:2/17(+4)
筋力:4(+1)
防御:4(+1)
敏捷:6(+2)
器用:8(+2)
知能:11(+1)
精神:13(+2)
スキルポイント:1
#############################################

 やっと筋力が上がった。
 それでも、やっぱり知能とか精神が順調に上がっている。
 今までのゲーム知識でいくと、知能は魔法攻撃力、精神は回復魔法とか魔法防御力に影響してたはずだ。
 なので、精神が一番高い俺は、メイジっていうか、プリーストよりなステータスだった。
 プリーストとかさ。
 回復魔法なんて俺の美学に反する。

 オンゲとかやってると回復使える職業って大体人気だけど、一度も選んだことはない。
 あと盾職とかも選んだことはない。
 常に脳汁でまくりのアタッカー職一択だった。
 ちなみに、一番好きだったのは暗黒騎士だ。
 ぜんぜん人気なかったけど。
 暗黒は餡子でも喰ってろ! とか言われて、PTに入れてもらえなかった。
 今まで聞いた悪口の中でもっとも意味不明だった。

 そういえば、回復魔法って取れるスキルの中にあったっけか。
 そう思いながら、取れるスキルの一覧を表示してみる。

#############################################
【取得可能スキル一覧】
 使用可能スキルポイント:1

・武器スキル
剣/槍/弓/棍/斧/拳

・魔法スキル
風魔法/土魔法

・強化スキル
HP/MP/筋力/防御/敏捷/器用/知能/精神
#############################################

 やっぱり、回復魔法なんてなかった。
 まあ、それはいいのだ。回復魔法に興味はない。
 人を癒して何が楽しいのかと。

 超火力で攻撃しまくって、タゲとりまくって死んで、盾さんとか回復さんに白い目で見られる。
 そんな瞬間が大好きだ。
 まあ、オンゲでも友達いなかったけど。

 それにしても、取れるスキルが少ない気がする。
 レベル上がるたびに、スキルポイントもらえるんだとしたら、レベル19で全スキルを取得できてしまう。
 レベル19がカンストなんだろうか。
 いや、そんな事は許さない。
 カンストレベルは最低でも99は欲しい。
 レベル9999のゲームに出会ったときは、エベレストにアタックをかけている気分だった。

 さて、スキルポイントがあるので、新しいスキルを取れるわけだが。
 今回は、ちょっと待とうと思う。
 俺にはすでにイグナイト・バーストという必殺技があるので、火力には困っていない。
 それに、風魔法、土魔法を取ったところで、きっと使えるようになるのは風生成と土生成だろう。
 ≪水生成≫、≪火生成≫を参考にすると、きっと扇風機と、えっと、土が生み出せるのはなんだろう。
 というか、土を生み出せるのは誰得なんだろうか。
 土なんてその辺にあるっての。

 他にも、武器スキルには興味がある。
 が、しかし、悲しいことに俺は武器を持っていないのでね!
 剣スキルとか覚えたいけど、意味ないのだ。
 昔いた、家が貧乏なのでゲーム機を買ってもらえずに、ソフトだけ買ってもらった渡辺君みたいなものだ。

 ああ、いや、武器はあるよ。デュランダルが。
 でも、デュランダルって武器的には、どのカテゴリなんだろう。棍棒だろうか。
 いやいや、デュランダルなんだから、剣に決まっている。
 でも、なんか剣スキルを取ろうという気にならない。不思議だ。
 まあ、デュランダルがただの枝だからなんですが。

 そんなわけで武器スキルもいらないです。

 もうひとつ、強化スキルなんてものもあるが、論外である。
 多分、ステータス補正をしてくれるんだろうけど、俺の美学に反するのだ。
 ステータスってのはな、上げるもんであって、上げてもらうもんじゃねえんだ!
 ステータス補正なんてのが許されるのは小学生までだ!

 そんなわけで、今回はスキルをとらずにためておくことにする。
 もしかしたら、スキルポイントを2ポイントで取れるスキルが増えるかもしれないしね。

 俺的には、HPを攻撃力に変えるスキルが欲しい。
 なんていうか、あれには侘び寂びとロマンが詰まっている気がする。
 使うと、盾さんと白さんが発狂するけど。
 マクロスさんたのんます!

 そんな事を考えていた、俺の目の前には、ぷすぷすと煙を上げながら、燃え残ったウサギの死体がある。
 かなりグロテスクだ。
 ブレンバスターで頭部を潰したウサギもグロかった。

 あんまり考えたくはないが、これってドロップアイテムなんだろうか。
 よく考えたら、ドロップアイテムって死体の一部だよね。
 これは、ドロップアイテム:ウサギの肉といったところだろう。
 確かウサギって食べられたはずだ。
 よく考えたら、昨日の夜から何も食べていない。
 訓練された社畜は、3日くらいは食べなくても大丈夫だ。
 なので、もう少し我慢してみることにした。
 きっともう少し歩けば、セブンとかファミマがあるかもしれない。
 いや、絶対ないけど。
 でも、目の前のゲテモノは食べたくないので我慢する。
 木の実とかフルーツとかが見つかるかもしれないし。

 そんなわけで、俺は再び歩き出す。
 そして、俺の快進撃は始まった。

「イグナイト・バースト!」

「イグナイト・バーストゥ!!」

「ィグニィ・ヴァーストゥ!!!」

 必殺技が炸裂するたびに、ウサギが炎上していく。
 連戦連勝である。
 そして毎回、MP枯渇に襲われた。
 なんか数えるのがめんどくさいので、とりあえずMP枯渇するまで、≪火生成≫を念じまくるのだ。
 シンプルでいい。
 べ、べつに数を数えられないわけじゃないんだからねっ!

 それにMP枯渇までいくとMPが少し増えるのだ。
 今の最大MPは20だ。
 ただ、だんだん増えにくくなってきた気もする。
 やっぱりMPを使うと熟練度的なものが蓄積されていくみたいだ。

「エグナィ・ベータゥ!!」

 イグナイト・バーストを唱えるたびに、俺の発音はよくなっていき、現在はすでに原型をとどめていない。
 もはや何を言っているのか自分でもわからない。

「レクサス! ブルーバード!」
 もはや何を言っているのか自分でもわからない。
 そろそろちゃんと言おう。

 俺はそこらへんにいるウサギを殺しまくった。
 そろそろシーシェパードとかに襲われるレベルだ。
 襲われたら、容赦なく燃やしてやるけど。

 レベルもあれから2つ上がって、今はレベル6である。
 ステータスはこんな感じだ。

#############################################
【ステータス】
名前:コウ
LV:6
称号:悲哀なる社畜
HP:1228/1236(+8)
MP:15/29(+9)
筋力:5(+1)
防御:7(+3)
敏捷:10(+4)
器用:11(+3)
知能:14(+3)
精神:17(+4)
スキルポイント:3
#############################################

 それと、残念なことにスキルポイントが3になっても、取れるスキルの数は変わらなかった。
 あんこくぇ……。

 MPが結構上がったのと、ウサギの倒し方がわかってきたお陰か、最近はMP枯渇になる前に、ウサギを倒せるようになった。
 ただ、ウサギを倒しても経験値が1ポイントしか入らなくなった。

 そろそろウサギともお別れかと思うと少し寂しい。

「イグナイト・バースト!」

『1ポイントの経験値を獲得しました。』

 目の前で燃え尽きるウサギを見ながら、そろそろ暗くなってきたのがわかる。
 もう夜だ。

 ざわっと吹き付ける風が少し冷たい。

 なんとなく、少し心細くなった。
 荒野で夜明かしとか、大丈夫なんだろうか。
 ずっと都心で生活していたせいで、夜が暗いなんて、当たり前のことをすっかり忘れていた。

 まあ、なんとかなるか。

 俺は深く考えたり、心配したりするのが苦手なので、気にしないことにした。
 ウサギ狩りを続行するのである。

 そんなこんなで、それから3匹目のウサギを狩ったとき、それは起きた。

『火魔法LV2を取得しました。』
『火魔法LV2:《火形成》が使用可能になりました。』

 おおおおお!
 あたりはかなり暗くなっており、視界はゼロに近かったが、表示されるログは不思議とよく見えた。

 新しい魔法が使えるようになったのだ!

 早速試してみる。

《火形成》!

 脳内でそう念じると、手のひらに炎が灯る。
 そして、それは≪火生成≫と違ってすぐに消えたりしなかった。
 真っ暗な闇の中で、ゆらゆらと赤くきれいな光を撒き散らしている。

 持続可能な≪火生成≫が≪火形成≫なのだろうか。
 いやいや、形成というくらいだから形を変えられるのではなろうか。

 俺は、手のひらで燃える炎に対して、伸びろ! と念じてみる。
 すると、炎はめらめらとゆれながら、わずかに伸びていく。

 しばらくして、手のひらに小さな火柱が形成された。
 何の触媒もない炎にしては、不自然な形である。
 すごく、魔法っぽかった。

 俺は続いて、飛べと念じてみた。

 ゴッと音を立てて、火柱が空に射出される。
 火柱はうなる様な速度で、天に昇っていった。

「うはっ!」

 思わず笑ってしまった。
 魔法。
 これぞ魔法である。

 今までのライターの火程度ではない。
 兵器といっても過言ではない火力が秘められているはずだ。

 これなら、矢のような形を作って、フレアアローとか。
 槍のような形を作って、フレイムランスとか。
 口から出すようにして、ヨ〇ファイアとか!

 最後のはあんまりやりたくないが。
 剣のような形を作って、魔法剣とかもできるかもしれない。
 ロマンだ。夢が広がる!

 ただ、MPがごっそり減っていた。
 実践で使うためには、少し練習した方がいいかもしれない。
 でもきっと、どうやったってイグナイト・バーストよりは強いだろう。
 ありがとう、イグナイト・バースト。
 そして、さようならイグナイト・バースト。
 正直、あの程度の火力でバーストとか、なに言っちゃってんのとか思ってた。

 さあ、新技の開発をしよう。
 その時だった。

「キシャー!!」

 突然、何かの声がする。
 あわてて、あたりを見回しても、敵の姿が見えない。
 今は夜で、あたりは完全な闇に包まれている。
 一切の照明のない夜なんて体験したことのない俺の目は、闇に全く慣れない。

 急に左肩に鋭い痛みが走った。
 何かに攻撃されたのだ。
 ばさばさと羽の音のようなものが聞こえる。
 敵は、空を飛んでいるのかもしれない。

 とっさにイグナイト・バーストを使おうとする。
 しかし、≪火生成≫は目標を目で認識しないと発動できなかった。
 第一、MPはさっきの≪火形成≫でほとんど使ってしまっている。
 使えたとしても、相手を倒しきる程の火力が出せるかどうかわからない。
 
「ふーむ」

 結構なピンチだが、社蓄はいつでも冷静になることができるのだ。
 会議で急にクライアントが切れ始めることなんてしょっちゅうだからね。

 俺は冷静になって、考えてみる。
 敵が認識できない。
 それは結構なデメリットである。
 ただ、さっきから何かが羽ばたく音が聞こえる。
 そうだ、これだ。
 目を閉じるのだ。
 音に耳を澄ませて、心の目で……。

「キシャア!」

 今度は、頬にダメージを受けた。

 音とか心の目なんか使えるわけがなかった。
 ならば、導き出される答えは!

 俺は冷静な判断で。

「そいやあ! ソイヤ!」

 デュランダルを振りまわしまくった。
 ついでに、あてずっぽうで蹴りとかパンチとかもしてみる。

 秘技、そのうち当たる! である。

「キシャッ!」

 不意にデュランダルに手ごたえを感じた。
 ついで聞こえる短い悲鳴。

「もらった!」

 俺は全力でデュランダルを振りぬいた。
 何かを地面に叩き落す。
 改心の一撃だったはずだ。

『3ポイントの経験値を獲得しました。』

 表示されたログを見て、俺は勝利を確信した。
 そして、右手に握ったデュランダルの様子がおかしい事に気づく。
 なんか、妙に軽くなっている。

 闇夜でよく見えない中、俺は左手でデュランダルを触ってみた。
 すると、デュランダルは折れていた。

「デュランダーーールッ!」

 愛剣の最期に俺は慟哭を上げる。
 今まで、ありがとう。
 一回しか使わなかったけど。
 俺の始めての愛剣はお前だけだぜ……。

 すごく悲しかったが、よく考えたらデュランダルはただの枝だったので、俺はポイした。

 それにしても。
 闇夜の戦闘は結構やばい。

 デュランダルが折れた今、次また襲われたら、俺にはもう拳しか残っていないのだ。
 あれ、今までとあんまし変わんなくね?

 とにかく、闇夜の戦闘は避けた方がよさそうだ。
 もう夜だし、どこかに入って、まったりしたい。
 ちなみに、社蓄には夜になったら寝ると言う常識は通用しない。
 夜になって、時間が余ったら、普段はできないゲームやアニメ視聴を気絶するまで続けるのだ。

 もしかしたら、もう少し歩けば漫喫とかがあるかもしれない。
 ああ、あるあ……ねーよ!

 どうしよっかなー。
 野宿するしかないよね。
 野宿といえば、焚き火だろうか。
 幸い火はある。火魔法がね(ドヤ顔)。
 ただ、薪はない。
 あー、探せばその辺に枝が落ちているか。
 でも、拾うのめんどいな。

 その時、俺はひらめいた。
 ずっとポッケに入れておいたあのぶよぶよ。
 スライムの落としたドロップアイテム(死体)である。
 単発のイグナイトでぼーぼー燃える程の、超可燃性物質だったスライム。
 そんなスライムが落としたあのぶよぶよって燃えるんじゃなかろうか。

 俺は、ポケットからぶよぶよを出して地面に落とした。
 そこに≪火生成≫をかけてみる。
 あ、イグナイトを唱えてみる。

 すると、ぶよぶよに火がつき、緩やかに燃え上がった。
 辺りが僅かに照らされ、やさしい熱を感じる。

 俺はその場にしゃがむと、ぼーっと燃えるぶよぶよを眺めた。
 しばらくしても、ぶよぶよが燃え尽きる感じはない。

 先ほどまで、少し肌寒かったのだが、ぶよぶよの火のお陰で暖かい。
 きっとさっきの謎の敵も、この火を恐れて近づいてこないだろう。
 知らないけど。
 魔物ってそういうものな気がする。

 俺は、ぶよぶよの火に当たりながら、気が緩んでいくのを感じた。
 いつまでもぶよぶよと言うのもなんなので、これからはスライム燃料と呼ぶことにしよう。
 いや、スライムオイルの方がしっくりくるか。
 スライムオイルを採用で。

 さて、≪火形成≫で新魔法を開発しよう。
 そう思いながらも、俺はだんだん眠くなっていくのを感じた。
 いやいや、まだきっと19時くらいのはずだ。
 こんな時間に寝るなんて、社蓄の名折れ。
 俺は、社蓄のプライドに、かけ、て……。

 俺の意識は、吸い込まれるように遠くなっていった。
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