ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

文字の大きさ
16 / 310
第一章 異世界転移編

第16話 生産スキル

しおりを挟む
 俺はルーナに膝枕をしてもらいながら、鍛冶魔法について聞いてみた。
 ルーナは整った美しい顔で俺を見下ろしている。
 下から眺めながら、睫毛長いなと思った。

「えーと、鍛冶魔法というのは生産魔法の1つだ」

「ほう」

「主に鉱物を触媒にして、武器や防具を錬成できる」

 そのまんまだな。
 魔法というからには、熱した金属を金槌でカンカン叩いて武器を作るような感じではなく、《土形成》のように魔力で金属を変形させるのだろうか。

「どうやったら覚えられるんだ?」

「鍛冶魔法を使える人に弟子入りするんだ。5年かけてインゴット生成といった基礎を覚えて、そこからまた5年かけてやっと短剣なんかを作れるようになるって聞いたぞ」

「10年かけて、やっと短剣か」

「うん。それも銅や錫といった柔らかい金属だそうだ。名剣なんかを錬成できるようになるには50年はかかると聞く。だから、武器は高価なんだ」

「50年か……。ちなみに、お前は鍛冶魔法使えたりするのか?」

「使えない。私が使えるのは裁縫魔法だ」

「裁縫も魔法があるのか」

「うん。あとは木工魔法、革細工魔法、錬金魔法、彫金魔法かな」

コンプリートしてえ。

「ちなみに生産魔法も使える魔法は一人で一つだ。属性魔法と違って、複数の生産魔法を使えるなんて話は聞いたことがない」

「ふむ」

 全種類覚えて、完全なる自給自足の世界にっていうのはダメなのだろうか。

「多分、生産魔法を覚えたいのだろうが、どれを覚えるかは、慎重に選んだほうがいい」

「うーん」

 何がいいだろうか。やっぱり鍛冶かな。
 土魔法で作れたけど、やっぱり鎌の刃は鉄がいい。

「ちなみに、裁縫魔法だったら教えてくれるのか?」

「教えるのは構わないけど、二人で同じ生産魔法を覚えていても、あんまり意味がないぞ。私が裁縫魔法を使えるんだから、お前は別の魔法をとった方が便利だ」

 意味はあると思うが、俺が裁縫魔法を使いたくなったら、いつでも来てくれるという事だろうか。
 というか、裁縫魔法ってどんなものが作れるんだろうか。
 ジャージとかスウェットとか作れるなら、作ってみたい。

「なあ、裁縫魔法ってどんな事ができるのかやってみてくれないか?」

「いいけど、今は素材がなくて……あ、そうだ。ちょっと服を脱いでくれるか?」

「……」

 なぜ俺を脱がそうとするのか。
 溜まっているんだろうか。

「……夜まで我慢できないのか?」

「なんの話をしている!? ちゃんと我慢できるわ!」

 ルーナは真っ赤になって反論する。意外と察しがいいな。

 エロゲーによく出てくるテンプレエロエルフになっちゃったのかと思って少し心配したのだが。

「もういい! 服を来たままでやるから! 痛くても知らないからな」

 ルーナが俺のスーツの肩に手を当てる。

 ウサギに噛まれて、破れていた箇所だ。
 大きな穴が開いている。
 下に着た白いワイシャツが透けて、かなりダサい。

 やがて、魔力が流れるのを僅かに感じた。
 ルーナの手が発光している。
 そして、触れられたスーツの肩の部分が少し温くなっていく。

 すると、スーツの穴がみるみる塞がっていき、暫くすると穴は完全に塞がっていた。

「おお!」

「これが裁縫魔法の修復(リペア)だ。今見たとおり、穴の開いた服なんかを修復できる。……というか、その服、修復するのに結構な魔力を使ったぞ。意外と精緻な作りなんだろうか。見た目ボロいのに」

「ボロいとか言うな」

 スーツのア○キさんに謝れ。

「とにかく、お前がボロを着ているのがずっと気になっていたんだ。直してやるから服を脱げ」

「そういうことなら」

 俺は膝枕から立ち上がると、ポポイと服を脱いで全裸になる。

「いや、誰も全部脱げとはいっていないが。まあ、いいけど」

 俺の唯一の持ちネタ、脱ぎ芸が炸裂したのに、ルーナは淡々とスーツを修復していく。
 初めは顔を真っ赤にして、決闘だー! とか言ってたのに。
 少しさみしい。

「お前この服しか持っていないんだろう? 今度、私が何か作ってやるからな」

 全裸で女にそんな事を言われると、先程にも増してヒモ感がハンパない。

 ルーナは機嫌良さそうに、スーツに裁縫魔法をかけていく。
 うつむきがちになっているため、肩から流れた金髪が陽の光を反射していた。
 なんとなく、付き合っていた彼女がワイシャツにアイロンをかけてくれる姿を思い出す。

「なあ、鍛冶魔法を教えてもらうには、どうすればいいんだ?」

「うーん、そうだな。近くの街に行って、鍛冶屋で教えてもらうのがいいかな」

 街……。
 街には行きたくない。
 鍛冶屋にも行きたくない。
 もっというと、知らない人に教えを乞いたくない。

「……お前が、町に行って鍛冶魔法を覚えて帰ってきて、俺に教えてくれるってのはどうだ?」

「お前、さっきの私の話聞いてたか!? 生産魔法は一人一個までしか覚えられないの。私はもう裁縫魔法を覚えてるんだって言っただろう?」

 やっぱり駄目か。わかってたけど。
 ならば、答えは一つしかない。

「俺に裁縫魔法を教えてくれ!」

「いや、だから、私と同じ生産魔法を覚えても……」

「いや、俺には裁縫魔法しか選択肢はない。お前と同じ裁縫魔法を覚えたいんだ!」

 そう、俺に選択肢はない。
 引きこもりの俺に町に行くという選択肢はないのだ。

「……そんなに、私と同じがいいのか」

「ああ!」

「仕方のないやつだな」

 そう言いながら、ルーナはなぜか俺の手を嬉しそうに撫でる。
 これは、オーケーと言う意味だろうか。

『エクストラスキル解放条件を達成しました。』
『解放条件:職人の徒弟になる。』
『解放スキル:生産スキル 鍛冶/木工/裁縫/革細工/錬金術/彫金』
『取得に必要なスキルポイントは1です。』

 その時、突然、そんなログが表示された。

 どうやら取得できるスキルが増えたらしい。
 ルーナの弟子になった事がトリガーなのだろうか。

 というか、取得できるスキルって増えるのかよ!

 今のままだと、レベル19でスキル全部取れちゃうから、なんかあるとは思っていたけど。

 早速、なんか生産スキルを覚えよう。
 たしか、まだスキルポイントは余っていたはずだ。

#############################################
【ステータス】
名前:コウ
LV:7
称号:悲哀なる社畜
HP:1236/1236
MP:82/82
筋力:7
防御:11
敏捷:12
器用:12
知能:30
精神:21
スキルポイント:3
#############################################

 久しぶりにステータスを確認してみると、スキルポイントはまだ3も残っている。
 というか、MPと知能がかなり上がっていた。
 魔法使いまくったからだろう。

「どうした? 急に遠くを見つめて」

 ルーナが心配そうに覗き込んできた。
 ステータスを眺めていただけなのだが、傍からみたら異常な光景なのだろう。

「いや、なんでもない」

 とりあえず、ルーナに色々と聞ける《裁縫》を取ってみようと思う。

『スキルポイントを1ポイント消費しました。』
『裁縫LV1を取得しました。』
『裁縫LV1:《下級糸生成》が使用可能になりました。』
『使用可能スキルポイントは2ポイントです。』

 《下級糸生成》というスキルを覚えた。
 下級とついているのが気になるが、その名の通り、糸を作れるのだろう。

「なあ、裁縫魔法の初歩って糸生成なのか?」

「そうだが、なんで知っているんだ」

「今、俺も裁縫魔法とやらを覚えてみた」

「はあ!?」

 正確には《裁縫》スキルだが。

「お前のお陰だ。ありがとう。本当にありがとう!」

「わわ、ちょっと待て」

 俺は思わずルーナを抱きしめていた。
 ルーナの話では、取得できる生産魔法は一つだけということだったが、多分俺はスキルポイントを消費すれば、何個でも生産魔法を取得できる。
 しかも、町に行かなければならないとか言われて、諦めていた鍛冶も取得できそうだ。

「糸ってどうやって作るんだ?」

「えーと、この辺りだと、ヒツジから羊毛を取って、羊毛から羊糸を作るんだが……」

「よし、ヒツジを狩りに行こう!」

「ちょっと待ってって……え、本当に裁縫魔法覚えたのか? 私だってお祖母様に教えてもらって5年はかかったぞ?」

 俺はルーナの手を取って、足早に歩きだす。

「というか、本当に待ってって! まだ、お前の服、修復終わってないから! お前、裸なんだぞ!」

 そう言えば、そうだった。
 なんの違和感もなかったのがびっくりだ。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...