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第五章 領地発展編
第202話 エレイン砲
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脳内に浮かんだ数字。
それを、おもむろに口にしてしまう。
「……バスト88のEカップ、ウェスト58、ヒップ87」
スタイルが良いと思ってはいたが、ここまでとは……。
「うぇぇえええ!?」
ルーナが恥ずかしそうに両胸を腕で覆う。
ドンピシャで正解だったようだ。
《自動演算》が優秀すぎる件について。
目で見た情報から、なんかを計算してスリーサイズを出したんだろうか。
文系の俺にはどんな計算をしたのかはわからないが。
きっと胸の奥底でずっと思っていた「ルーナのスリーサイズが知りたい!」という無垢な想いを《自動演算》さんが勝手に汲み取って計算してくれたのだろう。
スキルの癖に。
泣かせるじゃねえか!
というか、計算式を知らなくても答えがわかるってすごくない??
「な、なんでそんなの知ってるんだ!?」
ルーナが目に涙を浮かべながら、真っ赤になっている。
恥ずかしがるルーナってエロいよね。
「……まあ、いつも見てるからな。これくらいすぐわかるさ」
言ってみて、気づいた。
俺、すげえキモい事言っている。
ただのストーカーさんですやん。
「……コウ」
しかし、何かがルーナの琴線に触れたようで、俺に熱い視線を向けてくる。
「あ、愛の力かな。えへへ」
ちげえから。
スリーサイズ暴かれて喜ぶとか、どんだけだよ。
「わ、私は別にうらやましいなんて思ってませんよ? コウさんが愛してくださってるのはわかってますし……」
「……私のだっていつも見てるのに……閣下のバカ」
ミレイとエレインが物凄く不満そうな目で見てくる。
わかっている。
この俺がお前達のスリーサイズを知りたくないわけないだろう?
さあ出番ですよ、《自動演算》さん!
「ミレイ、バスト92のFカップ、ウェスト59、ヒップ90」
「エレイン、バスト83のCカップ、ウェスト55、ヒップ86」
「そしてカンナさん、バスト95のGカップ、ウェスト60、ヒップ97」
ズバズバと言い放つ。
とてつもなく気持ち悪い気もするけど。
「ふふふ、正解です! もう、エッチなんだから、コウさんは」
「……ふ、ふーん。せ、セクハラですけど! まあ、愛の力なら仕方ないですが……」
「コウくん? お姉ちゃんのおっぱいはもっと大きいですよ? 姉愛が足りないんじゃないですか? 触って確かめてみます?」
3人ともまんざらでもなく嬉しそうなので良かった。
サラッとカンナさんが盛ろうとしているのが気になるが。
というか、おっぱい揉ませてくれるの? じゃあ、揉むー!
「おい!!! なんでそいつらのもわかるんだ!? お前は私だけを見てないとダメじゃないかー!!! うわああん!」
カンパイを揉もうとしていたら、やっぱりというかルーナに邪魔された。
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら俺に抱きついてくる。
めんどくさいけど可愛いEカップめ。
それにしても《自動演算》さんは恐ろしい。
これなら何でもわかってしまいそうだ。
ルーナ潮の噴射角とか。
なんてエロいスキルだ。
オラ、ワクワクすっぞ!
ニャン子とピョン吉がぼーっとこっちを見ているが、2人にはまだ早い。
脳裏に数値は浮かんだが、言わないでおいてあげるのが優しさだろう。
2人とも将来性は十分にある。
特にピョン吉!!
「…………はっ!」
その時、にやにやと嬉しそうにしていたエレインが、何かに気づいたように顔を引き締める。
「閣下、学校作りは?」
「はあ? 学校? 突然何言ってんの、お前?」
「何言ってんのは閣下です! 先ほどまで学校を作ろうとしていたのを忘れちゃったんですか?」
ああ、そうだった。
完全に忘れてた。
学校<スリーサイズが成り立ってしまうのは仕方ない。
「コウくん、学校なんて作ろうとしてたんですか? 本当に建築の好きな子ですね」
匠ですからね! とカンナさんに親指を立てておいた。
とはいえですよ。
なんか学校作るのめんどくさくなってきた。
だって広すぎるし。
いや、ちゃんと作るよ?
ただ今日は《自動演算》さんのお陰でムラムラしちゃったというか。
せっかくカンナさんとミレイも来たんだから、みんなで温泉乱交セックスでもしたいというか。
まあ、エレインがメガネをくいくいさせながら睨んでくるので、少しくらいは作るけど。
とりあえずは基礎工事をする為の穴を掘らなきゃいけない。
何メートルくらい掘るか。
ちなみに俺が作ろうとしている母校の小学校は4階建てだった。
子供が通うので、安全に作りたい。
まあ、10メートルくらい掘ればいいかな(勘)。
いきなり敷地全域に穴を開けると誰かが落ちて大変な事になるので、五メートル四方くらいに抑えておく。
そこに土魔法でドゴンっと穴を掘ってみた。
あれ。
イメージしたより深い気がする。
しかも二倍近く深い。
レベルが上がって知能も増えたせいだろうか。
俺は強すぎたらしい。
ふふふ。
まあ、深すぎて問題はないべ! ということで、掘った穴に石魔法でドバドバと小石を埋めていく。
この作業がめんどくさいんだよな。
あんまし楽しくないし。
でも基礎を疎かにしない所が匠っぽいので、がんばる。
「あ、閣下。ミレイ様もいらして丁度良いので、後で食料倉庫にいらして頂けますか? ちょっと相談したい事がありますので」
「え、私もですか?」
エレインがそんな事を言ってきた。
食糧倉庫で相談? ミレイも一緒に?
3P以外あろうか、いや、ない。
「いいよ。行く行く! すぐこの穴埋めちゃうからちょっと待ってろ」
「いえ、そんなにすぐじゃなくても大丈夫です。閣下の学校作りを邪魔するつもりはありませんので」
「遠慮すんなって! いいよ、学校作り飽きてきたし」
「飽きてきたってなんですか!? もっと尊敬できるとこを見せてください! せっかく普段のクズさを補えそうな善行をしているのに!」
このアサギリコウ、クズを恥じる気などない!
そんなわけで、さっさと穴を埋めた俺達は、ぞろぞろと食料倉庫までやってきた。
俺とミレイだけでいいとエレインは言っていたのだが、なぜかほとんどついてきた。
ルーナがいると大っぴらに3Pできないのに。
ちなみにカンナさんは飽きたとか言って帰っていった。
というか、あの基礎工事。
めちゃくちゃMPを食った。
穴が深すぎたせいもあるが、学校建築は結構苦労しそうである。
まあ、女を抱く以外は暇だしやるけど。
MPだって産廃重力魔法の熟練度上げか、人間ボイラーなどの生活用にしか使ってないし。
「食べ物がいっぱいにゃ!」
「……おいしそう」
初めて食料倉庫に来たニャン子とピョン吉が目をキラキラさせている。
「ここにある食べ物はみんなのものだからな。好きに食べていいぞ」
「良いんですかにゃ!?」
「……じゃあ、食べる」
2人が尻尾をぶんぶん振りながら倉庫に突入していく。
ピョン吉は一心不乱にニンジンをかじっていた。
ニャン子はダークエルフさん達の獲ってきた小魚を丸呑みしている。
さすが兎と猫だな。
ていうか、生魚って丸呑みしていいんだろうか。
まあ、そんな楽しそうな獣娘たちは置いておいて。
「で? 話ってなんだ、エレイン?」
「はい。では失礼して」
メガネをくいっと持ち上げたエレインが、すっと一歩前に出る。
「こちらにある大量の食料は、明らかに村人達の消費量を上回っています。食べきれずに余った食料をどうしているか、閣下はご存知ですか?」
そんなの知らん。
「……もったいないですが、悪くなっちゃったお野菜やお肉とかは捨てています。そんなの食べたらお腹を壊しちゃいますから」
「お腹壊しちゃったら大変だからな!」
ミレイとルーナがそんな事を言っていた。
そういえば、収穫の終えた畑に残った茎とかを焼き払う時に、一緒に野菜とか肉とかも燃やしてたかも。
気にせずガンガン火魔法をかけていたが、あれって腐ったやつだったのか。
「そう。腐った食料は捨てるしかありません。かつては、どんなに豊作になろうとも食べきれない分は捨てなければなりませんでした。食料の弱点は貯めておけない事です。しかし、人類はとある発明をしたのです」
エレインはそう言って、懐から1枚の金貨を取り出す。
その金貨を見て、なぜかルーナが食いついた。
「あっ! 私の金貨だ!」
「違います! これは村の予算です」
「もともとは私の金貨なのに……ところで、お小遣いもっと増やしてほしいな?」
「ダメです! ちゃんと週に銀貨1枚あげているでしょう? あれでやりくりして下さい」
「何を食べたらそんなにケチになれるんだ……」
「あなたと同じくここにある食材ですよ!! というか、何の話をしているんですか!? 今閣下と大切な話をしているんですから、黙っててください! さもないとぶちますよ?」
「うう……コウ! エレインが!」
あっさりと口喧嘩に負けたルーナが抱きついてくる。
可愛いので甘やかしたくなってしまう。
でも、ごめんなルーナ。
俺のお小遣いも銀貨1枚なんだ。
「……こほん、ルーナ様のせいで話がそれましたが……いいですか? 先人は収穫物を貨幣に変えることによって、蓄財を可能としたのです」
なんか当たり前な事をドヤ顔で言っているが。
結局何が言いたいのか良くわからない。
「だから、余剰な食材を腐らす前に売りましょうよっていう提案をしているんです! ここ数日でどれくらいの食料が余るのかちゃんと割り出してありますので!」
ああ、そういうこと?
例えるなら、クリア済みのゲームやもう飽きた漫画なんかはさっさと売っちゃえよ的な?
だったら、早くそう言ってくれればいいのに。
エレインってこういうとこあるよね。
「どこかの困った夫婦が散在したせいで困窮した村の財政を上向かせる事につながりますので」
まじかよ。
俺達のお小遣いが銀貨1枚なのはそいつらのせいってことじゃねえか。
「迷惑な夫婦もいたもんだ」
「ほんとになー!」
ルーナと2人で頷いていたら、エレインにすごい目で睨まれた。
なぜ。
「……捨てるよりも売ったほうがいいのはわかりますが、どうやって売るんですか?」
ちゃんと話を聞いていたらしいミレイがそんな疑問を口にする。
「販路はこの方にお任せしようと思います。 ちょっといいですかー?」
エレインが倉庫の奥に声をかける。
すると、人当たりの良い笑顔を浮かべたケイトさんが倉庫から顔を出した。
その手には、薄い木板に乗せられた書類を持っている。
「あら、みなさんお揃いで。こんにちは」
ケイトさんがにっこりと挨拶してくれるので、全員でぺこりと頭を下げた。
さすがケイトさんだ。
コンビ二の美人店員さんの笑顔の破壊力は半端ない。
ぜひ買った商品と一緒にケイトさんもお持ち帰りしたい。
「ケイトさんには今朝から、食料の見積もりをして貰っていました。食料は彼女が所属する商人ギルドの流通経路にこの村も加えて頂くことで、売りさばこうと思っています」
「ふふふ。この量なら結構な利益を見込めると思いますよ。今、王国全土で食糧不足ですし」
ケイトさんは貪欲な笑みを浮かべているのだが。
「店の方、留守にしちゃっていいんですか?」
ふとそんな事が気になったので聞いてみた。
「ええ。店は主人に任せて来ました。2徹までなら大丈夫と申しておりましたので」
シュジン?
そんな奴いたっけか。
ちょっと主人に聞こえて、俺のケイトさんが既婚者みたいな錯覚を覚えてしまうのでやめて欲しい。
「ケイトさんには、食料の出所の隠蔽策も伝えておりますので税対策もばっちりです」
「脱税はなかなか危険な橋を渡ることになりますので、私どもの取り分の方、よろしくお願いしますよ?」
「ええ。わかってますとも」
エレインとケイトさんが悪い笑みを浮かべている。
「そんなわけで閣下。段取りは全て整っておりますので、余った食料を売ってしまってもよろしいでしょうか?」
「いいよー」
王国に税として取られるのはなんか嫌だったが、金に換えるなら大歓迎だ。
それにしても。
ちょっと前まで税金税金うるさかったエレインが脱税とか。
人間変わるときは変わるものである。
「……つまりお金がたくさん増えるってことだよな? そうしたら私のお小遣いも増やしてくれるか?」
「はあ? 増えるわけないでしょう!? 冗談は空っぽの頭をなんとかしてから言ってください」
「わああああ! コウ! エレインが私の悪口言ったあああ!」
またしてもあっさりと口喧嘩に負けたルーナが泣きついてくる。
空っぽでもいいじゃない。かわいければ。
「あ、そうだ。ケイトさん。売上金なんですが、エルフ王国貨幣で頂けますか?」
「は、はあ。信頼度の高いエルフ王国貨幣で取引を行うのは、私ども商人の間では基本ですが……ラグニード王国の内政官様がおっしゃるとは思いませんでしたわ」
「え、ええ!? ……そ、それは質の悪いラグニード貨幣を頂くより長期的には利益が出るからであって……」
なぜか慌てたエレインが、恥ずかしそうに俺をちらちら見てくる。
言っている事はよくわかんないけど、可愛かった。
「ふふふ。うちの上客だったルーナ様の狂った金銭感覚を管理された時には忌々しいと思っておりましたが、ちょっとずつエレイン様のことが好きになってまいりましたわ」
朗らかな笑顔で毒を吐くケイトさん。
「……そういうこと、私に言います?」
「正直な気持ちを申し上げたのは、信頼の証と思って頂ければ幸いですわ。……今後ともよしなに」
そして、エレインとケイトさんが握手を交わしていた。
美人同士の握手とか。
胸アツな展開に、俺はドキドキした。
こうして、エレインの経済政策――通称エレイン砲によって、うちの村の経済状況は上向いた。
しかし、残念な事に俺とルーナのお小遣いが増える事はなかった。
それを、おもむろに口にしてしまう。
「……バスト88のEカップ、ウェスト58、ヒップ87」
スタイルが良いと思ってはいたが、ここまでとは……。
「うぇぇえええ!?」
ルーナが恥ずかしそうに両胸を腕で覆う。
ドンピシャで正解だったようだ。
《自動演算》が優秀すぎる件について。
目で見た情報から、なんかを計算してスリーサイズを出したんだろうか。
文系の俺にはどんな計算をしたのかはわからないが。
きっと胸の奥底でずっと思っていた「ルーナのスリーサイズが知りたい!」という無垢な想いを《自動演算》さんが勝手に汲み取って計算してくれたのだろう。
スキルの癖に。
泣かせるじゃねえか!
というか、計算式を知らなくても答えがわかるってすごくない??
「な、なんでそんなの知ってるんだ!?」
ルーナが目に涙を浮かべながら、真っ赤になっている。
恥ずかしがるルーナってエロいよね。
「……まあ、いつも見てるからな。これくらいすぐわかるさ」
言ってみて、気づいた。
俺、すげえキモい事言っている。
ただのストーカーさんですやん。
「……コウ」
しかし、何かがルーナの琴線に触れたようで、俺に熱い視線を向けてくる。
「あ、愛の力かな。えへへ」
ちげえから。
スリーサイズ暴かれて喜ぶとか、どんだけだよ。
「わ、私は別にうらやましいなんて思ってませんよ? コウさんが愛してくださってるのはわかってますし……」
「……私のだっていつも見てるのに……閣下のバカ」
ミレイとエレインが物凄く不満そうな目で見てくる。
わかっている。
この俺がお前達のスリーサイズを知りたくないわけないだろう?
さあ出番ですよ、《自動演算》さん!
「ミレイ、バスト92のFカップ、ウェスト59、ヒップ90」
「エレイン、バスト83のCカップ、ウェスト55、ヒップ86」
「そしてカンナさん、バスト95のGカップ、ウェスト60、ヒップ97」
ズバズバと言い放つ。
とてつもなく気持ち悪い気もするけど。
「ふふふ、正解です! もう、エッチなんだから、コウさんは」
「……ふ、ふーん。せ、セクハラですけど! まあ、愛の力なら仕方ないですが……」
「コウくん? お姉ちゃんのおっぱいはもっと大きいですよ? 姉愛が足りないんじゃないですか? 触って確かめてみます?」
3人ともまんざらでもなく嬉しそうなので良かった。
サラッとカンナさんが盛ろうとしているのが気になるが。
というか、おっぱい揉ませてくれるの? じゃあ、揉むー!
「おい!!! なんでそいつらのもわかるんだ!? お前は私だけを見てないとダメじゃないかー!!! うわああん!」
カンパイを揉もうとしていたら、やっぱりというかルーナに邪魔された。
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら俺に抱きついてくる。
めんどくさいけど可愛いEカップめ。
それにしても《自動演算》さんは恐ろしい。
これなら何でもわかってしまいそうだ。
ルーナ潮の噴射角とか。
なんてエロいスキルだ。
オラ、ワクワクすっぞ!
ニャン子とピョン吉がぼーっとこっちを見ているが、2人にはまだ早い。
脳裏に数値は浮かんだが、言わないでおいてあげるのが優しさだろう。
2人とも将来性は十分にある。
特にピョン吉!!
「…………はっ!」
その時、にやにやと嬉しそうにしていたエレインが、何かに気づいたように顔を引き締める。
「閣下、学校作りは?」
「はあ? 学校? 突然何言ってんの、お前?」
「何言ってんのは閣下です! 先ほどまで学校を作ろうとしていたのを忘れちゃったんですか?」
ああ、そうだった。
完全に忘れてた。
学校<スリーサイズが成り立ってしまうのは仕方ない。
「コウくん、学校なんて作ろうとしてたんですか? 本当に建築の好きな子ですね」
匠ですからね! とカンナさんに親指を立てておいた。
とはいえですよ。
なんか学校作るのめんどくさくなってきた。
だって広すぎるし。
いや、ちゃんと作るよ?
ただ今日は《自動演算》さんのお陰でムラムラしちゃったというか。
せっかくカンナさんとミレイも来たんだから、みんなで温泉乱交セックスでもしたいというか。
まあ、エレインがメガネをくいくいさせながら睨んでくるので、少しくらいは作るけど。
とりあえずは基礎工事をする為の穴を掘らなきゃいけない。
何メートルくらい掘るか。
ちなみに俺が作ろうとしている母校の小学校は4階建てだった。
子供が通うので、安全に作りたい。
まあ、10メートルくらい掘ればいいかな(勘)。
いきなり敷地全域に穴を開けると誰かが落ちて大変な事になるので、五メートル四方くらいに抑えておく。
そこに土魔法でドゴンっと穴を掘ってみた。
あれ。
イメージしたより深い気がする。
しかも二倍近く深い。
レベルが上がって知能も増えたせいだろうか。
俺は強すぎたらしい。
ふふふ。
まあ、深すぎて問題はないべ! ということで、掘った穴に石魔法でドバドバと小石を埋めていく。
この作業がめんどくさいんだよな。
あんまし楽しくないし。
でも基礎を疎かにしない所が匠っぽいので、がんばる。
「あ、閣下。ミレイ様もいらして丁度良いので、後で食料倉庫にいらして頂けますか? ちょっと相談したい事がありますので」
「え、私もですか?」
エレインがそんな事を言ってきた。
食糧倉庫で相談? ミレイも一緒に?
3P以外あろうか、いや、ない。
「いいよ。行く行く! すぐこの穴埋めちゃうからちょっと待ってろ」
「いえ、そんなにすぐじゃなくても大丈夫です。閣下の学校作りを邪魔するつもりはありませんので」
「遠慮すんなって! いいよ、学校作り飽きてきたし」
「飽きてきたってなんですか!? もっと尊敬できるとこを見せてください! せっかく普段のクズさを補えそうな善行をしているのに!」
このアサギリコウ、クズを恥じる気などない!
そんなわけで、さっさと穴を埋めた俺達は、ぞろぞろと食料倉庫までやってきた。
俺とミレイだけでいいとエレインは言っていたのだが、なぜかほとんどついてきた。
ルーナがいると大っぴらに3Pできないのに。
ちなみにカンナさんは飽きたとか言って帰っていった。
というか、あの基礎工事。
めちゃくちゃMPを食った。
穴が深すぎたせいもあるが、学校建築は結構苦労しそうである。
まあ、女を抱く以外は暇だしやるけど。
MPだって産廃重力魔法の熟練度上げか、人間ボイラーなどの生活用にしか使ってないし。
「食べ物がいっぱいにゃ!」
「……おいしそう」
初めて食料倉庫に来たニャン子とピョン吉が目をキラキラさせている。
「ここにある食べ物はみんなのものだからな。好きに食べていいぞ」
「良いんですかにゃ!?」
「……じゃあ、食べる」
2人が尻尾をぶんぶん振りながら倉庫に突入していく。
ピョン吉は一心不乱にニンジンをかじっていた。
ニャン子はダークエルフさん達の獲ってきた小魚を丸呑みしている。
さすが兎と猫だな。
ていうか、生魚って丸呑みしていいんだろうか。
まあ、そんな楽しそうな獣娘たちは置いておいて。
「で? 話ってなんだ、エレイン?」
「はい。では失礼して」
メガネをくいっと持ち上げたエレインが、すっと一歩前に出る。
「こちらにある大量の食料は、明らかに村人達の消費量を上回っています。食べきれずに余った食料をどうしているか、閣下はご存知ですか?」
そんなの知らん。
「……もったいないですが、悪くなっちゃったお野菜やお肉とかは捨てています。そんなの食べたらお腹を壊しちゃいますから」
「お腹壊しちゃったら大変だからな!」
ミレイとルーナがそんな事を言っていた。
そういえば、収穫の終えた畑に残った茎とかを焼き払う時に、一緒に野菜とか肉とかも燃やしてたかも。
気にせずガンガン火魔法をかけていたが、あれって腐ったやつだったのか。
「そう。腐った食料は捨てるしかありません。かつては、どんなに豊作になろうとも食べきれない分は捨てなければなりませんでした。食料の弱点は貯めておけない事です。しかし、人類はとある発明をしたのです」
エレインはそう言って、懐から1枚の金貨を取り出す。
その金貨を見て、なぜかルーナが食いついた。
「あっ! 私の金貨だ!」
「違います! これは村の予算です」
「もともとは私の金貨なのに……ところで、お小遣いもっと増やしてほしいな?」
「ダメです! ちゃんと週に銀貨1枚あげているでしょう? あれでやりくりして下さい」
「何を食べたらそんなにケチになれるんだ……」
「あなたと同じくここにある食材ですよ!! というか、何の話をしているんですか!? 今閣下と大切な話をしているんですから、黙っててください! さもないとぶちますよ?」
「うう……コウ! エレインが!」
あっさりと口喧嘩に負けたルーナが抱きついてくる。
可愛いので甘やかしたくなってしまう。
でも、ごめんなルーナ。
俺のお小遣いも銀貨1枚なんだ。
「……こほん、ルーナ様のせいで話がそれましたが……いいですか? 先人は収穫物を貨幣に変えることによって、蓄財を可能としたのです」
なんか当たり前な事をドヤ顔で言っているが。
結局何が言いたいのか良くわからない。
「だから、余剰な食材を腐らす前に売りましょうよっていう提案をしているんです! ここ数日でどれくらいの食料が余るのかちゃんと割り出してありますので!」
ああ、そういうこと?
例えるなら、クリア済みのゲームやもう飽きた漫画なんかはさっさと売っちゃえよ的な?
だったら、早くそう言ってくれればいいのに。
エレインってこういうとこあるよね。
「どこかの困った夫婦が散在したせいで困窮した村の財政を上向かせる事につながりますので」
まじかよ。
俺達のお小遣いが銀貨1枚なのはそいつらのせいってことじゃねえか。
「迷惑な夫婦もいたもんだ」
「ほんとになー!」
ルーナと2人で頷いていたら、エレインにすごい目で睨まれた。
なぜ。
「……捨てるよりも売ったほうがいいのはわかりますが、どうやって売るんですか?」
ちゃんと話を聞いていたらしいミレイがそんな疑問を口にする。
「販路はこの方にお任せしようと思います。 ちょっといいですかー?」
エレインが倉庫の奥に声をかける。
すると、人当たりの良い笑顔を浮かべたケイトさんが倉庫から顔を出した。
その手には、薄い木板に乗せられた書類を持っている。
「あら、みなさんお揃いで。こんにちは」
ケイトさんがにっこりと挨拶してくれるので、全員でぺこりと頭を下げた。
さすがケイトさんだ。
コンビ二の美人店員さんの笑顔の破壊力は半端ない。
ぜひ買った商品と一緒にケイトさんもお持ち帰りしたい。
「ケイトさんには今朝から、食料の見積もりをして貰っていました。食料は彼女が所属する商人ギルドの流通経路にこの村も加えて頂くことで、売りさばこうと思っています」
「ふふふ。この量なら結構な利益を見込めると思いますよ。今、王国全土で食糧不足ですし」
ケイトさんは貪欲な笑みを浮かべているのだが。
「店の方、留守にしちゃっていいんですか?」
ふとそんな事が気になったので聞いてみた。
「ええ。店は主人に任せて来ました。2徹までなら大丈夫と申しておりましたので」
シュジン?
そんな奴いたっけか。
ちょっと主人に聞こえて、俺のケイトさんが既婚者みたいな錯覚を覚えてしまうのでやめて欲しい。
「ケイトさんには、食料の出所の隠蔽策も伝えておりますので税対策もばっちりです」
「脱税はなかなか危険な橋を渡ることになりますので、私どもの取り分の方、よろしくお願いしますよ?」
「ええ。わかってますとも」
エレインとケイトさんが悪い笑みを浮かべている。
「そんなわけで閣下。段取りは全て整っておりますので、余った食料を売ってしまってもよろしいでしょうか?」
「いいよー」
王国に税として取られるのはなんか嫌だったが、金に換えるなら大歓迎だ。
それにしても。
ちょっと前まで税金税金うるさかったエレインが脱税とか。
人間変わるときは変わるものである。
「……つまりお金がたくさん増えるってことだよな? そうしたら私のお小遣いも増やしてくれるか?」
「はあ? 増えるわけないでしょう!? 冗談は空っぽの頭をなんとかしてから言ってください」
「わああああ! コウ! エレインが私の悪口言ったあああ!」
またしてもあっさりと口喧嘩に負けたルーナが泣きついてくる。
空っぽでもいいじゃない。かわいければ。
「あ、そうだ。ケイトさん。売上金なんですが、エルフ王国貨幣で頂けますか?」
「は、はあ。信頼度の高いエルフ王国貨幣で取引を行うのは、私ども商人の間では基本ですが……ラグニード王国の内政官様がおっしゃるとは思いませんでしたわ」
「え、ええ!? ……そ、それは質の悪いラグニード貨幣を頂くより長期的には利益が出るからであって……」
なぜか慌てたエレインが、恥ずかしそうに俺をちらちら見てくる。
言っている事はよくわかんないけど、可愛かった。
「ふふふ。うちの上客だったルーナ様の狂った金銭感覚を管理された時には忌々しいと思っておりましたが、ちょっとずつエレイン様のことが好きになってまいりましたわ」
朗らかな笑顔で毒を吐くケイトさん。
「……そういうこと、私に言います?」
「正直な気持ちを申し上げたのは、信頼の証と思って頂ければ幸いですわ。……今後ともよしなに」
そして、エレインとケイトさんが握手を交わしていた。
美人同士の握手とか。
胸アツな展開に、俺はドキドキした。
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しかし、残念な事に俺とルーナのお小遣いが増える事はなかった。
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書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
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戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
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最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
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最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
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