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1章.転生

11話.6歳&学園入試

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6歳になった。半年前から、エルマ先生に学園入試の勉強を教えてもらっている。…お陰で全然スキルを取得出来ない。
スタールフ国では6歳になったら必ず学園に入らなければならない。俺はそのための勉強をしている。……0点でも学園に入れるが、成績が上位な程特典が良いのが付いてくる。そのため、貴族以外もしっかり勉強をするという訳だ。しかし、どうやっても勉強が苦手な人のために学力ではなく、武力の試験もやっている。……首席になれるように頑張ろう!
数日後。
今日は学園入試の日だ。この日のために勉強を頑張ったんだ。絶対に合格するぞ!…できたら首席になりたい。おっと、試験が始まるな。
「それでは……試験、始め!」
四則演算だから簡単だが、……油断していると墓穴を掘るからな。しっかりと見直しをしよう。
…1時間後。
「それまで!これで試験を終了する!次は武力の試験だ。」
…武力の試験は少し不安だな。でも、頑張るしかない!
「これから、武力の試験を行う。武器を使用するものはここに、魔法を使用するものは向こうに行け!それでは、…開始!」
…俺はどっちだろう。先に武器を使用する試験を受けよう。
「武器を使用する試験は、このゴーレムにダメージを与える、それだけだ。」
剣やら槍やらを持って、ゴーレムに攻撃をして行く人たち。でも、鑑定で見たら全然ダメージを与えられていないな。次は俺の番と、緊張していたら、俺の前の人がゴーレムにダメージを与えていた。…すごいなぁ。俺は鑑定を使ってその少女を鑑定した。

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名前マリナ・フィール
種族 人間
年齢 6歳
レベル3
職業剣士
HP230/230
MP110/110
筋力190
耐久170
敏捷160
魔力85
器用60
幸運55

状態 身体強化

スキル 剣術レベル3 身体強化レベル1

称号 剣士の卵 駆け出し剣士 中級剣士
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剣術レベル…3⁉︎、ってことはあの女の子は中級剣士か…。6歳でレベル3は相当キツイはずだ。…たゆまぬ努力なのかな?その少女は制限時間内にゴーレムを倒した。
「マリナ・フィール、合格!」
試験官がそう言った。マリナという少女は満足した顔をしている。…次は俺の番だな。
「準備はできたな、では、…始め!」
俺はゴーレムに向かって跳んだ。そして、そのままゴーレムに向かって剣を上下左右に振って斬った。ゴーレムは斬れた身体を繋げていく。俺はそれも構わずに斬り続けた。
数秒前。
やっとゴーレムは倒れた。あのマリナという少女よりスキルレベルが低いし、ステータスも劣っているから、制限時間ギリギリだった。
「シズナ・フォン・ラートリア、合格!」
試験官の言葉を聞いて、俺は安心した。
俺は疲れたまま、向こうにある魔法の試験を受けに行った。こちらもゴーレムだが、向こうのとはちょっと違うようだ。向こうのは、物理攻撃耐性有りで、こっちのは魔法攻撃耐性有り。やはり、それといってゴーレムにダメージを与えれている人はいないようだ。俺の前の幼女の番になった。だが、俺はそこまで気にしていなかった。
「それでは、…始め!」
「ファイアアロー!」
可愛らしい声とともに激しく燃える炎の矢が現れた。その炎の矢がゴーレムに向かって飛んでいく。炎の矢はゴーレムを貫いていく。俺は慌てて、その幼女を鑑定した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 リーフェル・ルーン
種族エルフ
年齢6歳
レベル2
職業魔術師
HP140/140
MP300/300
筋力40
耐久35
敏捷20
魔力290
器用275
幸運210

スキル 火魔法レベル2 水魔法レベル3 木魔法レベル3

称号 魔術師の卵 駆け出し魔術師 中級魔術師
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…鑑定をして、別の意味で驚いた。気にしていなかったから気づかなかったが、普通に見ても、耳が尖っているのがわかる。それにスキルレベルが火魔法以外、3のもすごい。その幼女もといリーフェルは、さらに魔法を唱えた。
「ウォータージャベリン!ウッドジャベリン!」
水の槍と木の槍は容赦なくゴーレムに襲い掛かって、穴を開けた。…人工モンスターでも同情する攻撃だな…
「リーフェル・ルーン、合格!」
「やった~♪」
…年相応ではないが、見た目相応な声を出して喜ぶリーフェル。そのギャップに俺は少し萌えていた…
……はっ、いかんいかん、そんな感情を抱いては。よし、ここは試験に集中しよう。俺はゴーレムに向かって魔法を唱えた。
「ファイアアロー!ウォーターアロー!マッドアロー!ウッドアロー!ウィンドアロー!」…気付いた時にはもう、遅かった…俺の魔法がゴーレムに次々と穴を開けていった。ゴーレムが倒れたところで、試験官が叫ぶ。
「ッッ!シズナ・フォン・ラートリア。合格!」
けど俺は、試験官の言葉など聞こえていなかった。リーフェルも珍しいが、俺の方がもっと珍しい。何故なら、5属性持ちはとても珍しいからだ。
これで学園で目立つことになってしまう。父さんからは「ユニークスキルは珍しいから知られるな」と言われてるし。このままじゃ、誰かにユニークスキルのことがバレるかもしれない。
俺は傷心のまま、馬車に乗って家に帰った。その日は今日のことを忘れるようにさっさと寝た。




ヒロイン(2人)登場!
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