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モンスターのスキルを奪って進化する〜神になるつもりはなかったのに〜

3話:シズナを愛でる信者(?)

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翌日。

   俺は目が覚めた。どれくらい眠ったのだろうか?
   体感的には結構眠った気がする。

   俺はふと横を見た。そこには、鼻息を荒くして俺を見ている人がいた。明らかに理性を持つ人がするべき行動ではない。

   その人が、俺に向かって話しかけてきた。
   相変わらず何を言っているのかわからないがとりあえず笑っておく。
   俺が笑った瞬間、その人は声にならない音を上げて倒れる‥‥‥

‥‥‥ヤバイな。俺ってそんなに可愛いのかな?
‥‥‥若干、ナルシスト気味のことを考える。

数分後。

   気絶から立ち直った人は何かを言いながら胸を向けてくる。
   えっ?   まさか?   嘘だろ?
   男性なら歓喜しそうだが、俺は罪悪感(なんか犯罪を犯しているような感じ)で潰されそうになった。今ほど、記憶がなければよかったと思ったことはない。
  だが、俺はお腹が空いていたために(無意識に)その胸に吸い付いた。

   ‥‥‥夢‥‥‥と思いたかった。その実感を持たせたのはお腹が満腹になっていた事だ。しかし、何故だかそこだけぽっかりと穴が空いたかの様に記憶がない。願いが届いて記憶がなくなったのかもしれない。

‥‥‥まぁ、記憶がなくてよかったのかもしれない。
‥‥‥本当は少しだけ期待はしていたが。

お腹がいっぱいになったのか眠くなってきた。早く大きくなりたいところである。


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レマ視点

   私はレマ。平民の出であるために姓を持たない。そんなことはどうでもいい。そう!   大切なのは!   シズナ様のことだ!

   メイド長やメイドの先輩も経験したことらしいが、私にも専属の主人ができたのだ。

   初めて会った(一方的)ーー見た瞬間に私は胸が苦しくなった。しんどくなったのではなく、シズナ様の可愛さに魅了されたのだ。

   薄く黒い髪の毛が生えていて、可愛らしい寝顔、白くて小さい手、その他諸々を含めて私は魅了された。
   その瞬間、頭に称号を手に入れた声が響いた。

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【可愛いものを愛でる者】を手に入れました。
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【可愛いものを愛でる者】
可愛いものを恋愛、性的な事以外で愛でる者に贈られる。
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   私はすぐに悟った。そう!   シズナ様を『愛でよ』と女神様が言っているのだ!

   だから私はシズナ様を愛でるのだ!
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