スキルが全ての世界で無能力者と蔑まれた俺が、《殺奪》のスキルを駆使して世界最強になるまで 〜堕天使の美少女と共に十の塔を巡る冒険譚〜

石八

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ドワイラルク編

第7話 夜通しの産物

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 メンクの村にて、俺は朝を迎える。
 結局、一番最初のコアマンティスを討伐してから時は六時間ほど経過しており、倒したコアマンティスの数も三十は超えていた。

 だが、脳からアドレナリンが出ているせいなのかそこまで眠いというわけではない。

 いや、実際のところ眠くはないものの、かなり疲れている。

 しかし秩序の塔での経験が生きたのか、俺の体力は夜通しで魔物たちと戦えるほどにまで成長していた。

「はぁ……はぁ…………さすがに、朝になったらもう来なくなるか」

 さすがに六時間も戦えば、体力だけでなく魔力も心許なくなってくる。

 それが、たとえスキルや称号の効果で消費魔力が減っていたとしてもだ。

「……それにしても、あまりにも数が多くないか……?」

 イズンからの情報では、メンクの村を襲うコアマンティスは多くても六匹ほどだと聞いたのだが、その五倍以上の数が襲ってきた。

 もしかしたら、コアマンティスを倒すことによって仲間のコアマンティスが代わりに餌をとるためやって来るのかもしれない。

 そう考えると、コアマンティスに指示を出している群れのリーダー的な存在のコアマンティスがいるはずだし、あれだけ凶暴な魔物が毎日襲ってくるのなら、根本的な問題から考えて巣を潰した方が早いだろう。

「まぁ……とりあえず、山は超えたな」

 地面に腰を下ろしてから空になりつつある水筒に口を付けると、俺の元に近付いてくる反応が《気配察知》により明らかになる。

 だがその方向は正面ではなく後方であり、それに《危険察知》が反応することはないため、その反応の正体はだいたい察しがついていた。

 そう、メンクの村の村長こと、イズンである。

「レイさん、お疲れさまです。これ、差し入れのお茶とおにぎりで、あとは冷たいタオルです」

「あぁ、有難い……ふぅ。とりあえず、かなりの数のコアマンティスは倒したが、この様子だとまだまだいるな。正直、根絶やしした方が早いレベルでな」

「それは今はいない護衛の者も言ってましたね。ですが、今は難しいことを考えず、ゆっくりと休憩してください」

「そうさせてもらうよ」

 イズンが持ってきてくれたタオルで顔や腕を拭きつつも、バケットの中に入っているおにぎりを頬張り、軽くお茶で流し込む。

 今思えば、前回食事を済ませてからもう半日以上経っているため、食えば食うほど腹が減ってくる。

 そのため、俺の握り拳よりも大きいサイズのおにぎりが五つ入っていたバケットは一瞬で空になり、俺は最後にお茶を飲み干して一息ついていた。

「……そう言えば、ネアはなにやってるんだ? さすがに、疲れて寝てるか?」

「それが……実は、すごく微笑ましい光景になっているのですよ」

「……微笑ましい?」

 微笑ましいとは、いったいどういうことなのだろうか。

 まず、ネアは美貌と可憐さを併せ持った容姿をしているが、可愛げだったりがないため、微笑ましいという言葉は似合わない女の子である。

 まぁ、よく俺からの質問に対し小首を傾げるときは可愛らしいのだが、それ以外は基本無表情なので、やはりネアの微笑ましい光景というものが想像できなかった。

「これは、レイさん自身の目で見てもらった方が早いです。ささ、こちらへ」

「お、おう」

 イズンに急かされ、俺は剣を鞘に収めてから村へ入る柵を乗り越え、ボールキャタピラーが飼育されている小屋へと連れていかれる。

 そして小屋の隙間から中を覗き込んで見ると、そこにはボールキャタピラーを優しく持ち上げるネアの姿があった。

 無表情なのは変わらない。
 それでも、ネアはボールキャタピラーの顔を見つめつつも、どこか楽しそうにボールキャタピラーの体をブラブラと揺らしていた。

「ネアさん、無表情なのは変わりないのですが、先ほどからボールキャタピラーたちとスキンシップをしているのですよ」

「おぉ……なんていうか、一心に見つめてるな。それよりも、ボールキャタピラーは大丈夫なのか? 触れたせいでストレスが溜まるとか、ないのか?」

「はい。むしろ、ボールキャタピラーは魔物の赤ちゃんなので、あぁやってスキンシップされることが大好きなのですよ。その証拠に、ボールキャタピラーも喜んで鳴き声をあげています」

 イズンがそう言うので耳を傾けていると、確かにボールキャタピラーは丸っこい体から生えた足をじたばたを動かしながら『ピーピー!』と鳴いていた。

 それに対し、ネアはボールキャタピラーを見て微笑むようなことはなかったが、ボールキャタピラーの背中辺りを撫でたりと、意外な一面を俺は目の当たりにした。

「芋虫といっても、農作物の葉っぱを食べる芋虫とは違って、可愛らしい顔をしていますからね。私も、そんなボールキャタピラーにはメロメロですよ」

「……まぁ、可愛いと思うぞ。芋虫だがな」

 正直、あまり虫が得意ではない俺はボールキャタピラーに触れることはできないと思うが、飼育環境がいいせいかボールキャタピラーも綺麗だし、なにより見ていて嫌悪感を抱くようなことはない。

 それに、今はネアとボールキャタピラーという意外ではあるものの案外マッチしている光景を前に、俺はつい口元を綻ばせていた。

「んじゃ、この微笑ましい光景を守るため、動き出しますかな」

「……なにか算段でもあるのですか?」

「あぁ。結局、夜にやってくる奴らは餌をとるためにやって来ただけで、数が減ってもまた補充されるはずだ。じゃあ、その根源を経つにはどうすればいいと思う?」

「っ! レイさん、もしや……」

「イズンさんの想像通り、巣を潰してしまえばこちらのもんだ。そして、出発は今からだ。今回はネアも連れていく。異論はあるか?」

 俺の発した言葉に対し、イズンは首を横に振ったので、俺は笑みを浮かべて小屋の壁をコンコンっとノックする。

 するとネアは驚いた様子──などを見せることはなく、そっとボールキャタピラーを元にいた場所に戻し、小屋の出口から出て俺の隣へとやって来た。

『…………どうしたの?』

「これから、ボールキャタピラーを守るためにコアマンティスの巣を潰しに行く。協力してくれるか?」

『うん、協力する』

 いつもはワンテンポ遅れて返事するネアが今回は即答したため、本当にボールキャタピラーのことを気に入っているのだろう。

 ここまで気に入ってしまえば、この村を出るとき辛くなってしまわないか不安だが、そこはもう、割り切ってもらうしか他はない。

 だが一方で、そんなやり取りをしている俺とネアの前では、どこか不安そうな表情を浮かべながらソワソワとするイズンの姿があった。

「……あの、巣を潰してもらえるのなら願ったり叶ったりなのですが、巣の場所はご存知なのですか?」

「いや、知らない。だからイズンさんだけでなく、この村の人たちから協力を仰ぎたい。コアマンティスの巣の場所は巣の数。そして、ネチャクの森の特徴もな」

「巣の場所は数は分かりますが、ネチャクの森の特徴もですか……?」

「あぁ。魔物を倒すとき、地の利を活かした方が有利に戦いを勧められる。敵の弱点を突くのは、魔法やスキルだけじゃない。戦法が変われば、いくら不利な状況でも勝つことだってできるからな」

「確かに、レイさんの言う通りですね……! では、今から村の者を集め、情報を提供します! しばしお待ちを!」

 フットワークの軽いイズンは、早速コアマンティスの巣やネチャクの森について知識のある者を探すべく、俺たちに背を向けて村の中を奔走する。

 たとえ一つの村の村長だとしてもここまで自ら動く者は少ないため、この村はイズンとボールキャタピラーがいる限り一生安泰だろう。

 なにより、村を統べる者が傲慢ではなく、だがらと言って謙虚ではあるものの自分の意見を率直に述べ、善悪の判断ができる者でなければ、村は腐っていくばかりである。

 それは街や国でも言えることだ。
 イズンのように、村だけでなく人々を統べていると自覚している者がいるだけで、そこは大きく繁栄していくのである。

 そんなふうに考えている俺の元に、久しぶりにある者が姿を見せる。

「おやおや、レイさんとネアさんじゃないですか。ボールキャタピラーの小屋の前で、なにをしているのですかな?」

 それは、自称ドワイラルクの豪商であるポッチョである。

 ポッチョは水の入ったバケツとブラシを手にしており、きっとこれから馬の手入れでもするのだろうと、容易に想像することができた。

「いや、実はこれからコアマンティスの巣を潰しに行こうと思ってな。だから、今はイズンさんに人を集めてもらっているから待っているところだ」

「…………左様ですか。では、わたくしめから一つお節介をさせていただきます」

「……お節介?」

「えぇ。お節介というより、余計なお世話かもしれませんね」

 渋々と、ポッチョがそう言うので俺はつい難しい顔を浮かべてしまう。

 一方、ポッチョはニコニコとした笑顔から急に冷めたものに変わり、俺にそっと耳打ちをしてきた。

「レイさん……あなたさまの人のために努力する姿は、素晴らしいものです。しかし、時には見捨てることも必要です」

「……見捨てる、か」

「見捨てるというよりも、見守ると言った方が聞こえはいいですね。腹を空かせた者に魚をやるよりも、釣りを教えた方が生存できるように、何事も善良な手を打つことは正義とはいえません。むしろ、滅びへ近付ける行為になりかねませんから」

「…………」

 別に、ポッチョはこの村が嫌いだったり、俺の行動を邪険に思っているわけではない。

 むしろ、この村が好きだから、俺のことを思っているからこそ、俺にそう告げてきたのである。

「レイさんはまだ若い。決して、人のために自分を犠牲にしてはいけませんよ。自分を犠牲にするときは、本当に大事なものを守るためです」

「……そう、だな。だが、ここだけの話……俺は、少し前まで非力な一人の冒険者だったんだ。なにもできず、ただ世界を傍観しているだけの人間に過ぎなかった。でも、今の俺には人を助ける力がある。その力を使えるのが、嬉しいんだ」

「…………それは、レイさんのいいところです。力を振るう矛先が正しいレイさんは、きっと強くなれます。だからこそ、時には見守ることも忘れないでください。助けることは、必ずしも救済に繋がるわけではありませんから」

「分かった……ご教授、感謝する」

「いえいえ。レイさんが真っ当な人柄だからこそですから。もし出発するときは、前日に教えてくださいね。馬車の準備等がありますので。ではでは……」

 馬を放っている牧場へと向かって歩いていくポッチョの背中を眺めながら、俺は自分の手のひらを見つめる。

 ポッチョに言われたことを噛み締めながらも、俺はボソッと「それでも」と、呟いてみせた。

 そよ風が吹くだけで、掻き消される声で──
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