異世界最強のレベル1

銀狐

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ガルガン王国

20

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「じゃあさっそく作戦を考えよう」

 と言っても思いつかない。
 やっぱり俺が行ってくれば早くない?

「そうだなあ、全員で行くとガルガン王国こっちが手薄になるし」

 一番の理想は守りつつ攻めること。
 口では簡単だけどいざ実行となると……。

「いや、別にそれでいいじゃん」
「何がそれでいいの?」
「俺一人で攻めに行く。二人はここを守ってほしい」
「「ええぇ」」
「不満はわかるけど、少し調べたいことがあるから俺が行きたいんだ」

 俺だけまだ行ったことないところに行くのはずるいと思っているんだろう。
 でも本当に調べたいことがあるから行きたい。
 それに犠牲は少ない方がいいし、二人を犠牲になんかしたくない。

「もしもの時用にこれを――」
「「いらない」」
「えっ、でもそうしないと」
「そんなことは起きないわ」
「そうそう!その時は気づいたら僕たちがいるからさ」
「う、うん?」

 気づいたらいるって……。
 お化けか何かかよ。

「じゃあ今すぐ行動に移ろう」
「待ってほしい!急にそんなことをしたら」
「危ないのは承知だ。それに早めに安全を取り戻したいんだろ?」
「確かにそうだが、そんなに早くなるとそれに見合った報酬をすぐに用意ができない」

 攻められているからモノが少ないのだろう。
 国を救うとなると結構なものを用意するつもりだったはずだ。
 そんなもん人に渡したらせっかく助けた国が終わってしまう。

「そうだなぁ」

 これと言ってほしいものはない。
 こっちの魔法や武器は見てみたいけど、欲しいというほどでもないし。

「別に何も――」
「じゃあ僕たちが要求するものを言うね」

 俺の言葉をさえぎってメルが話し始めた。
 えっ、欲しいものあったの?

「僕たちが要求するのは拠点となる家。豪華な家がいいかな」
「そうね。住むならいいところがいいもの」
「そ、そんなものでいいのか?」
「僕たちにとって必要なものなんだ。いつまでもどこかに泊まったりしたらお金がもったいないし」
「わかった、それなら今すぐ確保しよう。おい」
「かしこまりました。すぐ調べます」

 なるほど、拠点確保か。
 ゲームだと朝昼夜関係なくずっと動き回っていたけど、今はそうはいかない。
 盲点だった。よく見ている。

「じゃあさっさと終わらせますか」
「どこへ行かれるんですか?」
「ん?外だよ」

 俺たちはここへ来る道の逆を通って外へ出た。。

「よし、ここなら大丈夫か」
「ディラ、気を付けてね」
「少しでも危ないと思ったらすぐ帰ってきてね」
「うん、ありがとう。じゃあ行ってくる。飛行フライ

 俺は空を飛ぶと周りを見た。
 飛んだのはいいけど、襲ってきている国はどっちだろう?

「メルメシア王国は向こう側です!」
「わかった。じゃあ行ってくるよ」

 俺は指をさされた方向へ飛び始めた。
 どんぐらいかかるのかなあ。


―――――――――――――――――――――――


「一人で大丈夫なんでしょうか?」
「僕たちも心配だけど、大丈夫だよ」
「ええ、大丈夫だわ」
「なぜそこまで言い切れるのですか?」
「「誰よりも強いから」」
「は、はあ……」

 二人の言葉に国王はあまり納得をしていなかった。
 強い?それだけではダメだ。
 自分より強い人はたくさん見てきた。
 見方が買収され、裏切られ、そして死んでいった。
 強いだけではダメなんだ。
 それと同様に頭の回転が良くないといけない。

「やはり、心配だ。あんな子供に任せた私が馬鹿だった」
「それはすぐわかるわ」
「うん!とりあえず僕たちは今できることをやろうか」
「出来ることですか?」

 要求してきた家のことか?
 それなら恐らくだがもう選別までいっているかもしれない。

「この国の外へ一旦出ましょう」
「何をするんですか?」
「いけば分かるわ」

 国王と側近、それと二人は国の外へと出た。

「少し大きいから時間がかかるわ」
「大丈夫だよー。周りに誰もいないし」
「じゃあ始めるわ。安全領域アンチエイリアス

 地面から徐々に透明な膜が張られていく。
 やがて国を覆うほどの大きさになった。

「なんだ、全然早いじゃん」
「ほかの魔法に比べれば遅いわ」
「そりゃあ規模は違うけどさー」

 一体何が起きたのだ?
 国全体に何か張られたのはわかる。

「これは一体……」
「物理、魔法攻撃の影響を無くす防御壁よ」
「そんな魔法を使えるのですか!?」
「使えるけど、あまり強くないわよ?」

 そんなはずはない。
 この魔法が使えれば今まで襲われることもなかった。
 そんな魔法を使ってもらえるなんて。

「じゃあ後はお城で待ちましょう」
「そうだねー。ディラはどれぐらいかかるのかなー?」
「またすぐ終わらせて戻ってくると思うわ」
「お、お待ちください!」

 二人は何もなかったかのように城へと戻っていった。
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