異世界最強のレベル1

銀狐

文字の大きさ
35 / 60
氷山の討伐

30

しおりを挟む
「これを受けたいんですが」
「えっと、この依頼は特Sレベルの依頼ですが、お間違いないでしょうか?」
「はい。これを見せればいいかな?」

 俺たちは冒険所からもらったカードを見せた。
 受付の人はカードを手に取ると、驚きの表情を見せた。

「あなたたちがクラーの町で出たSレベル冒険者ですか……!」
「そ、そうですよ」
「噂は聞いています!あぁ、こんなすごい方と実際にお会いできるなんて……。感無量です!!」

 受付の人は俺の手をつかむとぎゅっと自分のほうへと持っていった。
 ちょっ、それ以上持ってくと当たるから!

「ふんっ!」
「あぁ……!!」

 メルは俺の腕をつかみ、受付の人の元から引っこ抜いた。
 その力、普通の人相手だと腕が無くなっているぞ。

「そ・れ・で!これは受けれるのかなー?」
「は、はい。受けれますが、気を付けてください。依頼の場所はここガルガン王国より北にある山脈、ブリザードです」
「聞いただけで寒そうだわ」
「寒いどころではありません。気温は-100℃を下回り、暴風雪は勢いがありすぎて生身を貫きます」

 それはもう暴風雪じゃないよ。
 弾丸の嵐じゃないか。

「まあそれはいいや。ここから遠いの?」
「それはいいって……。遠いかというと、さほど遠くはありません」
「おかしくないか?ここは寒くはないし、どちらかと言えば大暑と大寒の差は少なそうだけど」
「全くその通りです。この依頼は異常現象の元凶の討伐。その異常現象をもたらしたのがアイスマウンテンロックなのです」

 へぇ!聞けば聞くほど面白そうな相手だな。
 早くどんなやつなのか見てみたい。

「よし!さっそく行こうか!」
「えっと、話を聞いていたんでしょうか?大変危険ですよ?」
「聞いていたよ。聞いていたから面白そうだなあって思ったんだ」
「そ、そうですか……?それはいいとして、報酬につきましては依頼完了次第お渡ししますので、終わりましたらまた戻ってきてください」
「わかった」

 これで初めての依頼を受けられた。
 報酬についてだが、依頼書のところにお金の金額が書かれていた。
 報酬は金貨千枚。
 村で悪魔を倒したときの100倍だ。
 それほどアイスマウンテンロックこいつが厄介みたいだ。

「そういえば国王から報酬貰うの忘れていた!」
「心配ないよ!ほら、鍵を貰っておいたから」

 メルはカギを取り出した。
 いつの間に貰っていたんだか。

「家のほうは依頼が終わってから見ようか」
「私は構わないわ」
「僕も構わないよ」

「ほかに用ってないよね?」
「たぶんないわ。必要なものは元々持っているし」
「じゃあ北の山脈、ブリザードを目指していこうか」

 今回だが、飛ばずに歩いていくことにした。
 気分転換を兼ねての依頼だからね。

 俺たちはガルガン王国を出て北へ。
 少し森が続く先には不釣り合いな氷の山があった。

「急に変わるねー」
「急どころではないわ。誰かが持ってきたのではないか?って思うぐらいだわ」

 まるで地面を削り、そこに別の土地を植えたような変わりようだ。
 俺は試しに入ってみた。

「なるほど。ここからはそのアイスマウンテンロックというやつの領域テリトリーなのか」

 中に入った途端、体に違和感が起きた。
 試しに入れた片足が凍っているんじゃないのか?と思うほどの寒さになった。

「やっぱりな。何かの魔法でここ一体全てを自分の領域にしているみたいだ」
「ここ一体を!?」
「そう考えると恐ろしく広いわよ」

 ゲームでも似たようなものはあった。
 例えば中に入ると霧が濃くなって見づらくなったり、重力が大きくなって動きづらくなったりステージによってのギミックがあった。
 今のように暴風雪で寒くなる場所はあったが、実際の寒さはなかった。
 あくまでもゲーム、エフェクトでしかない。

防寒対策アンチ・コールド

 ゲームでは実際の寒さはなかったが、寒い状態だとバッドステータスがあった。
 この魔法はバッドステータスその対策をすることができる。

「しっかり効果はあるんだな。全然寒くない」

 俺が試しに使い、大丈夫だと分かったら二人とも同じ魔法を使った。
 暴風雪で打ち付けられるが、この程度なら俺たちは全然大丈夫だ。

「さて、アイスマウンテンロックとやらを探すか」

 俺たちは奥へと進み始めた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...