異世界最強のレベル1

銀狐

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氷山の討伐

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 手を引っ張られながら洞窟の奥へ行くと、そこは大きな空間が広がっていた。

「へぇ!洞窟の奥にこんな大きな空間があったんだ!」

 本当に大きい空間だ。
 何せこの空間には、丸々町一つがあるのだから。
 空間は大きさにして東京ドーム1個分ぐらい?
 相当広いぞ、これ。

 そんな洞窟でも光が差し込んでいた。
 穴が空いているわけでもなく、天井が光っているように見える。

「明るいけど、あれは疑似太陽かしら?」
「そうです!町のみんなで魔力を与えて明かりを保っています」

 実際の太陽とは比較にならないほど小さいが、それでもこの明るさを保つのは大変だろう。
 それならいっそ、数か月分の魔力を先に溜めておいたほうが楽だ。
 と言っても、その場合は俺たちでも結構魔力を持っていかれてしまうけど。

「さっそく町へ行きましょう!」
「そうだな。ちなみにだが、ここはどれぐらいの人が住んでいるんだ?」
「結構いますよ!詳しい数は分かりませんが……」

 そりゃあ数までは分からないだろうけど。
 見た感じ、町も大きいから人は確かに多そうだ。

「あっ、町長!」
「おぉ、ミアか。どこに行っていたんだ?」
「ちょっと外に行ってて」
「ほう、よく無事に帰って来たな」
「いやー、無事ではなかったんだけど――」

 ミアは町長に自分の身に起きたことを話した。
 全部話したら怒られていたけど。
 そりゃあ怒られるわ。
 俺たちが通ってなかったら死んでいたんだぞ。

「ミアを助けていただきありがとうございます。私はこのデローザの町の町長、クラハドールと言います」
「よろしくな、クラハドール」

 町長と言ったものの、随分と若い。
 どう見ても20歳から30歳の間にしか見えない。

「ところでなぜこんなところへ?」
「そうそう、ここにいるアイスマウンテンロックっていうのを倒しに来たんだ」
「アイスマウンテンロック……?」

 聞き覚えがないみたいな顔をしている。
 ここに住んでいたら知っていそうなものだけど。

「すみません、力にはなれなさそうです」
「大丈夫だよ。それはこっちで調べるから。少し話が変わるけど、聞きたいことがあるんが」
「なんでしょうか?」
「ここに住んでいる人って、外へ普通にでれるの?」

 疑問に思っていたことの1つ、なぜミアは鎧などを着ずにあの暴風雪の中にいれたのか。
 冒険所ではあまりの勢いで体を貫通すると言われている。
 それなのに、外傷なしに外にいたというのは、何か引っかかる。

「全員ではないです。レベルが1000を超えた者は外出を許されています」
「「「!?!?」」」

 聞き間違い、というわけではなさそうだ。
 ファラもメルも同じように驚いているからな。
 俺だけ聞き間違えた、なんてことではない。

「ちなみにクラハドールさんのレベルは?」
「私は最近少し上がり、Lv.1850です」
「ほぼ2000じゃないか」

 どういうことだよ!
 最初にいた村だと村長はLv.10ぐらいだったぞ!
 ほぼ200倍じゃないか……。

「……ミアのレベルは?」
「1003だよ!最近上がったばかりなんだー!」

 こんな小さな子供のミアでも1000を超えている。
 一体何なんだよこの町は!

「ところでディラさんたちのレベルは?」
「「「Lv.1だけど?」」」
「「えっ?」」

 そんなポカーンってする驚くことか?
 いやまあ、1000に比べればそりゃあ低すぎて驚くだろうけど。
 何もそんなに驚くことはないでしょ……。

「ご、御冗談を。Lv.1がこの暴風雪の中に入れば風穴だらけになりますよ」
「と言っても……」
「事実だからねー」

 決して嘘を言っているわけではない。
 ただ、Lv.9999のステータスでLv.1という被り物を被ってしまっただけなんだ。

「まあそれは置いといて」
「置いとくんですか……」
「Lv.1ってのすごく気になるんだけど……」

 だって、いつまでも俺たちの話をしていたら進めないじゃないか。

「そんなにレベルが高いなら冒険者をやっていたりしているのか?」
「「……冒険者って?」」

 えっ?
 もしかして俺、質問を間違えた?
 そんなはずはない、よね?

「ここに冒険所というところはないのかしら?」
「そういう建物はありませんよ。私たちは昔からずっとここで暮らしていますので」

 どうやら俺たち、秘密の町を見つけてしまったみたいだ。
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