異世界最強のレベル1

銀狐

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番外編

図書館に眠る主 1

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 まだ3人がTWFのゲームにいた時のこと。

「さて!今日のイベントだけどもう見た?」
「図書館に眠る主、だっけ?」
「そうそう!今日はそれに行こうと思うんだ。まだ俺も行っていないし」
「珍しいわね。いつもなら下見がてら10回クリアしたとか言うのに」
「たまにはみんなと一緒に初見で行こうかなあって思ったんだ」

 俺は時間を取ろうと思えばいくらでも時間を取れる。
 それに比べ、ファラとメルはあまり時間が取れない。
 詳しくは聞かなかったけど、まだ学生らしい。

「私たちが先に行っているとは思わなかったの?」
「大丈夫!俺はみんなが来る間、他のことをしながら二人のログイン状態を見ていたし」
「「……うわぁ」」

 まあ、普通引くよね。
 監視していたことだし。

「ごめん、でも今回はみんなと一緒に初見で行きたいと思って」
「まあ、僕はいいよ」
「私も構わないわ。それでその図書館はどこにあるの?」
「クエストを見たんじゃないの?」
「クエストタイトルしか見ていないわ」
「僕も同じくー」
「そうだったのか。図書館だけど、東の大樹林の中にあるみたいだよ」
「「はぁ!?」」

 驚くのも無理はない。
 大樹林なだけあって、場所は広い。
 その上、大樹林には人が住んでいない。
 他の種族がいてもおかしくはないが、あそこはレベルが高く設定されているため、町などは一切ない。

「あんなところに図書館なんてないわよ!」
「普通はそうだけど、イベント内容にそう書いてあるんだから間違いない」
「あったとして、その図書館に行ってどうするの?」
「一冊の特別な本を手に入れるみたい」

 詳しいことは全然書かれていなかった。
 恐らくネタバレ防止なのかな。
 というか、図書館なのに本を一冊だけって難しいことを言うな。

「うーん、とりあえず行ってみようか」
「そうね、行ってみないと何も始まらないわ」
「それじゃあ行こうか」

 俺たちは東の大樹林へ向かった。
 ここは最近に実装されたばかりだ。
 レベルが高いため、たまにボスレベルのモンスターが普通にいたりする。

「それで、どうやって探せばいいのかしら?」
「図書館ってことは大きい建物だよね?」
「そうだなあ、最初の街にある図書館はけっこう大きいし……」
「そうだ!それなら大きい木を探してみたら?」
「「ここらへん全部大きいけど」」
「あぅ……」

 周りは大きな木ばっかりで、中をくりぬけばどれでも図書館になりそうだ。
 でもそんな入り口みたいなものはない。

「中が空洞かを調べればいいんじゃないか?」
「木の中に図書館ってことね。いいかもしれないわ」
「ここらへん無駄に魔法除去が施されているからねえ。できるかなー?」

 ここのレベルが高いと言われるのは、レベルもそうだが他に理由がある。
 その理由が、ここの大樹林には魔法除去というものがあるということだ。

 例えば今まで姿を隠してレベルを上げていた人がここで姿を隠そうと魔法を使う。
 だけど、魔法使った瞬間その魔法が消えてしまうのだ。
 消える魔法は決まっているみたいで、俺でもどれが使えるか使えないかまでは把握していない。

 そのため、ここでクエストをやるには最前線でまともに戦える人しか来ない。
 だから今回はサポート系や後方の人は全然役に立たない。

「…使えないみたいだわ」
「要するに地道に探せってことか」
「段々面倒くさくなってきたー!」

 俺もそう思うよ。
 こういう地道系のクエスト苦手なんだよなあ。
 でもクリアマークがないのは、それはそれで嫌だし。

 そんな時、上から大きな岩が降ってきた。

「ロックロックロックだ。面白い奴が降ってきたな」
「ここは僕に任せて!霊槍クリスタルフレイム!」

 ロックロックロックは大きな岩のゴーレム。
 大体の魔法をはじく面倒くさい敵だ。

 そのためメルのように近接の方がいいんだが、相手は岩。
 普通なら武器の方が壊される。

 だけどそんなことはお構いなしに、メルはロックロックロックを倒した。

「こいつって硬すぎると思うんだよねー」
「よく壊れないなあ。何かしてあるの?」
「それは秘密。ディラでも言えないよー」

 うーん、秘密ならそれ以上は聞かないでおこう。

「一体どこにあるのかしら?あまりここに来ないから、私はしらみつぶししかできないわ」
「右に同じく……」
「流石にイベントだからしらみつぶしはないと思うけど、まあ頑張ってヒントを見つけようか」

 こうして大きな森での図書館探しが始まった。
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