異世界最強のレベル1

銀狐

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氷山の討伐

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 翌朝。
 俺たちはさっそく地下を調べるために町のはずれまでやってきた。

「みなさん何をする気なんですか?」
「調べ事だ。ここを掘っていいか?」
「えっ?まあ、ここまで離れているなら別に構いませんが……」

 町長はきょとんとしている。
 まあ、いきなり穴を掘りますと言われたらそうなるよな。

「俺たちが言っていたモンスターを覚えているか?」
「たしかアイスロック……」
「アイスマウンテンロックな。それでだが、昨日こんなものが見つかったんだ」
「これは氷結石ですね。よく砥石の代わりに使われます」
「名前や使い方は知らないが実はその石、生きているんだ」
「はぁ!?」

 驚くのも無理はない。
 普通だった石が生きていると言われても意味が分からないだろうし。
 ゴーレムほどの大きさならまだわかるかぐらい。

「石が生きているってどういう事なんですか?」
「そうだな、例えば人間は細胞で出来ているだろう?」
「ええ、そうですね」
「ゴーレムたちにとって石は人間で言う細胞みたいなものなんだ。そして細胞は生きている」
「ちょっと待ってください、その石がゴーレムの一部分だということですか!?」
「いや、ゴーレムとはまだわからないが、それに近い存在だろう」

 岩が本体の生き物は他にもいる。
 例えば岩でできたドラゴンや岩型のスライム。
 まだどれかは分からないけどな。

「待ってください、皆さんが討伐しに来たのってこの石がたくさんあるところにいるんですよね……?」
「恐らくだけどな」
「…私、この石がたくさんある場所を知っていますよ」
「本当か!?」

 それなら先に話しておけばよかった。
 わざわざこんなところまで来なくて済んだのに。

「今から行きますか?」
「そうさせてもらおうかな。早く依頼を終わらせたいし」
「分かりました。ではさっそく行きましょう」

 俺たちが向かったのは、最初から入ってきた入り口とは逆の入り口。
 たしか草原が広がっていると言っていた方だ。

 途中で道が分かれていた。
 道は上と下にあり、俺たちは下の方の道を行った。

 しばらく歩くとクラハドールさんが立ち止まった。
 薄暗くて分からないが、どうやら行き止まりみたいだ。

「行き止まりか?」
「そうです。これを見てください」
「「「!?!?」」」

 行き止まりに光を当てると、そこには壁一面ファラが持っていた石、氷結石が埋まっていた。
 なるほど、こういう事だったのか。

「……そういうことか。だからアイスマウンテンロックなのか」
「ど、どういうことなんですか?」
「名前通りだったってことだ。ここの雪山自体がモンスターってことだ」
「は、はぁ!?雪山がモンスター!?」

 普通に名前通りに考えればよかった。
 でもステージ級に大きいモンスターなんて今までいなかったから仕方ない。
 自然と選択肢から外していた。

「そ、そんな馬鹿な……」
「クラハドールさん、あなたが最後にここの雪山から出たのはいつ?」
「10年ほど前ですが……」
「ちょっと外へ行ってみよう。出たのはこっちだっけか?」
「ええ、そうです」

 俺たちはいったん外へ出ることにした。
 急いでいるため、俺は村長を抱えて空を飛んだ。

 飛んでいたためすぐに暴風雪の中から出ることができた。

「そんな……」
「草原って暴風雪が抜けた後すぐにあったのか?」
「…そうです」
「やっぱりそうだったか。どうやら俺が考えていたことは合っていたようだ」

 目の前には雪山が広がっていた。
 草原なんてない、雪景色が続いているだけだった。

 本当の北の山脈はもっと上、ここは北の山脈ブリザードではなかったのだ。

「この雪山、生きているだけあって動いているぞ」

 まさか雪山自体が動いているとはな。
 それなら異常気象の原因も頷ける。

 異常気象だと思っていた山は、どこからかやってきた別の山モンスターだった。
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