予知夢少女

momo

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夢5 約束

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 私が予知夢を見てから、すでに4日たった。
 今日か明日か、それとも……。
 どっちにしろ、そろそろだ。
 私はそればかり気になって、授業に全く集中出来ない。
 先生には怒られるし、友達は相変わらずいないし。
 私の高校生ライフは散々だ。
 まぁ、友達が出来ない理由は分かっているつもりなんだけどね。
 理由は簡単!
 柊君と仲良くしているように見えるから!
 別に柊君と仲良くしているのには、事情があるからで、気がある訳じゃないのになあ……。
 隣の席の柊君を盗み見て、ため息をつく。
 モテる人と仲良くするって大変だ。
 私は、改めてそう思った。




「宵巳、行こう」

「待って!今行くっ」

 毎日、こんなやり取りが続き、一緒に帰っているためかクラスメイトの反応も次第に弱くなっていった。
 まだ若干あるけどね……。
 私はいつもと同じように柊君の隣に並び、歩き出した。

「柊君、ランニングしてない?」

「ああ。やってない。早く走りてーよ」

 柊君が後頭部で、手を組ながら笑った。
 
「でも、3日我慢したら走れるし!あとちょっとの辛抱だよ!」

 私は、親指をたてて見せた。

「だな!」

 柊君は嬉しそうに、もう一度笑った。
 
「……ここまでだね。じゃあ、また明日!気を付けて帰ってね」

「じゃあな!宵巳も気を付けろよ」

 手を振り、柊君に背を向ける。
 後は、3日か……。
 3日たったら柊君との関係はどうなるのかな……。
 友達でも、ましてや恋人でもないし。
 ___ただ、予知夢で繋がった特殊な関係。
 だから、運命が変わり、私と帰らなくて良くなったら、私と柊君の接点はなくなってしまう。
 そうなったら、私は1人になる。
 柊君は元から人気者だったし、私と居なくたって1人じゃない。
 でも、私は……。
 胸がズキズキと痛み、唇を噛み締めた。
 1人でも大丈夫……。
 家だって同じようなものだし。
 自分に言い聞かせても、柊君の顔が浮かんで、自分の気持ちが分からなくなる。
 私は、悲しいの?悔しいの?怒っているの?

「……あ"あ"っ!」

 家に着いても考えはまとまらず、頭をかきむしった。
 どっと疲れが……。
 今すぐにでもベッドにダイブしたくなり、とりあえず家の中に入ることにした。
 



「……ただいまー」

 私は、玄関の扉をそっと開け呟く。
 あっ……知らない人の靴。
 大きいし、男物っぽい。
 また、か……。
 細く息を吐き出し、目を伏せる。
 私の部屋に行くには、リビングを通らなければならない。

「た、ただいま~」

「あっ、お帰り。……それでね、宏くん!」
 
 お母さんは、私にチラリと目を向けただけで、すぐ知らない男の人に喋りかけてしまった。
 私は、無言で自分の部屋に入り鍵を閉めた。
 ドアを背にズルズルとしゃがみこむ。
 昔は、お母さんも私もこんな風じゃなかったな……。
 もう、慣れたし昔のように戻ることはないだろうけど。




 そう思っていると___
 スマホの着信音が鳴った。
 誰から?

「柊君……」

 何かあったときのために、柊君とは電話番号とLINEを交換したのだ。
 
「もしもし?」

「あっ……宵巳?はぁ、はぁ、ごめん。約束、守れそうに、ないわ」

「え?ちょっ……!柊君?柊君!」

 一方的に電話が切られる。
 約束って……外に出ないこと?
 そうだったら、危険だよ!
 私は、居ても立ってもいられなくなり、自分の部屋から飛び出した。
 制服のままだけど、髪の毛ぐちゃぐちゃだけど、この際どうだっていい!
 外は暗くなっていて、よく見えない。
 柊君は、そう簡単に約束を破ったりしない。
 だからこそ、心配なのだ。
 柊君に何かあったのかな?
 心配で、心配でたまらない。
 私は、夜の街を走り出した。


 
 
 
 
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