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第二十話
ウィル様に頂いたドレスを身に纏って屋敷の玄関に向かう。既に父とウィル様が待機していた。
「ソフィ、綺麗だ」
私を見るなり柔らかな笑みを浮かべ近寄ってきたのはウィル様だった。彼も私の贈った礼服を身に纏ってくれている。似合うだろうと思っていたけど想像以上だ。
「ウィル様もお似合いです」
「嬉しいよ、ありがとう」
自分の贈った物を嬉しそうに着てもらえる。その嬉しさに頬を緩めれば、抱きしめられてしまう。
お父様もお母様も見ているのに…。
恥ずかしくなって逃げ出そうとするが簡単には逃してもらえない。
「ウィル様、離してください。恥ずかしいです」
「ソフィが可愛いのが悪い」
「理由になっていません」
目の前にある胸板を軽く叩けばようやく離してくれた。
顔が熱い。
にやにやと向けられる母の視線や父が泣きそうになっている光景は居心地が悪い。
「二人は本当に仲良しなのね」
「お母様、からかわないでください…」
真っ赤な顔で言っても怖くないのか母は余計に笑みを深めた。
「良いじゃない。どうせ夫婦になるのだから」
いずれ夫婦となるだろうが気が早すぎる。
私達は婚約したばかりなのだから。
母の言葉を聞いたウィル様は上機嫌になり、再び私を腕に抱え込もうとする。
今回は逃げさせてもらった。
「逃げなくても良いだろ?」
「恥ずかしいので嫌です」
「二人きりになったら抱きしめて良いか?」
耳元で尋ねられて「なっ…」と声を漏らす。
ウィル様を睨みつけると意地悪な微笑みを返される。
「その反応は肯定として受け取っておこう」
「何も言っていませんわ」
前向きに捉えすぎでしょう。
確かに嫌じゃないけど家族の前では肯定出来ない。
「ソフィが望んでくれるのならいくらでも抱きしめるぞ」
「な、何を言ってるのですか!望みませんよ!」
「望んでくれないのか?それは寂しいな」
しょんぼりと眉を下げるウィル様。
望みますと言わせるような表情をされるが計算高い彼の事だ。わざとそう見えるようにしているだけなのだろう。
分かっているのに…。
「時々お願いします…」
どうして彼を甘やかしてしまうのだろう。
ウィル様といると自分が自分でなくなるような時がある。でも悪い気はしないのだ。不思議な事もある。
「嬉しいよ、ソフィ」
見つめ合っていると咳払いの音が聞こえてはっと我に返る。
完全に二人きりの世界に浸っていたのだ。
眉間に皺を寄せた父は私達の間に割って入りウィル様を睨み上げる。
「ウィリアム殿下、娘との婚約は許しましたがあまりくっつかないでいただきたい」
「オズワルデスタ公、狭量な態度を取ると娘に嫌われますよ」
「ソフィが私を嫌うはずないでしょう」
なっ、と尋ねられるので大きく頷く。
何があっても父を嫌ったりしません。ほらみろと言わんばかりに得意気になる父には少しだけ呆れてしまいますけどね。
「流石、父親。簡単には勝てないか」
「当たり前ですよ」
何の勝負に勝てないと言うのですか。
よく分からない父と婚約者の言い合いはジョセフが来るまで続けられた。
「ソフィ、綺麗だ」
私を見るなり柔らかな笑みを浮かべ近寄ってきたのはウィル様だった。彼も私の贈った礼服を身に纏ってくれている。似合うだろうと思っていたけど想像以上だ。
「ウィル様もお似合いです」
「嬉しいよ、ありがとう」
自分の贈った物を嬉しそうに着てもらえる。その嬉しさに頬を緩めれば、抱きしめられてしまう。
お父様もお母様も見ているのに…。
恥ずかしくなって逃げ出そうとするが簡単には逃してもらえない。
「ウィル様、離してください。恥ずかしいです」
「ソフィが可愛いのが悪い」
「理由になっていません」
目の前にある胸板を軽く叩けばようやく離してくれた。
顔が熱い。
にやにやと向けられる母の視線や父が泣きそうになっている光景は居心地が悪い。
「二人は本当に仲良しなのね」
「お母様、からかわないでください…」
真っ赤な顔で言っても怖くないのか母は余計に笑みを深めた。
「良いじゃない。どうせ夫婦になるのだから」
いずれ夫婦となるだろうが気が早すぎる。
私達は婚約したばかりなのだから。
母の言葉を聞いたウィル様は上機嫌になり、再び私を腕に抱え込もうとする。
今回は逃げさせてもらった。
「逃げなくても良いだろ?」
「恥ずかしいので嫌です」
「二人きりになったら抱きしめて良いか?」
耳元で尋ねられて「なっ…」と声を漏らす。
ウィル様を睨みつけると意地悪な微笑みを返される。
「その反応は肯定として受け取っておこう」
「何も言っていませんわ」
前向きに捉えすぎでしょう。
確かに嫌じゃないけど家族の前では肯定出来ない。
「ソフィが望んでくれるのならいくらでも抱きしめるぞ」
「な、何を言ってるのですか!望みませんよ!」
「望んでくれないのか?それは寂しいな」
しょんぼりと眉を下げるウィル様。
望みますと言わせるような表情をされるが計算高い彼の事だ。わざとそう見えるようにしているだけなのだろう。
分かっているのに…。
「時々お願いします…」
どうして彼を甘やかしてしまうのだろう。
ウィル様といると自分が自分でなくなるような時がある。でも悪い気はしないのだ。不思議な事もある。
「嬉しいよ、ソフィ」
見つめ合っていると咳払いの音が聞こえてはっと我に返る。
完全に二人きりの世界に浸っていたのだ。
眉間に皺を寄せた父は私達の間に割って入りウィル様を睨み上げる。
「ウィリアム殿下、娘との婚約は許しましたがあまりくっつかないでいただきたい」
「オズワルデスタ公、狭量な態度を取ると娘に嫌われますよ」
「ソフィが私を嫌うはずないでしょう」
なっ、と尋ねられるので大きく頷く。
何があっても父を嫌ったりしません。ほらみろと言わんばかりに得意気になる父には少しだけ呆れてしまいますけどね。
「流石、父親。簡単には勝てないか」
「当たり前ですよ」
何の勝負に勝てないと言うのですか。
よく分からない父と婚約者の言い合いはジョセフが来るまで続けられた。
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