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第十二話 困窮する母娘
「……あ、あの」
差し出した私の声は、自分でも驚くほど震えていた。
路地裏の冷たい地面に座り込む二人の人影。
母親らしき女性が、びくりと肩を揺らして私を見上げた。
その瞳には、深い絶望と、通りすがりの者に対する強い警戒心が宿っている。
けれど、私の手元にある包みから立ち上がる「お米と大葉の香り」が、彼女たちの理性を一瞬で追い越した。
「……これ、お昼ご飯に作ってきたおにぎりなんです。もしよかったら、食べてくれませんか?」
女性は一瞬、戸惑ったように私と包みを交互に見た。
しかし、彼女の腕の中で丸まっていた小さな女の子が、ひくひくと鼻を鳴らし、力なく目を開けた。
「……おかあさん……なんだか、すごく、いいにおい……」
「ミナ……っ。……すみません、お嬢さん。お気持ちは嬉しいですが、私たちにはもう、お返しできるものが何もないのです」
女性の掠れた声に、私は胸が締め付けられるような思いがした。
お返しなんて、いらない。
今の私は、ただ誰かに「美味しい」と言ってほしかった。
一人で限界まで働き、皿を割って泣きそうになっていた自分を、救ってほしかっただけなのかもしれない。
「いいんです。私も、一人でご飯を食べるのが寂しかっただけですから。……さあ、どうぞ。中にお塩が入っているから、元気が出ますよ」
私は包みを広げた。
真っ白で艶やかなお米の塊。おばあちゃんの裏庭から摘んできた大葉を巻いた、シンプルなおにぎり。
母親(エレンさんという名前らしい)は、震える手でそれを一つ手に取った。
半分に割り、まずは娘のミナちゃんの口へと運ぶ。
ミナちゃんが、小さな口で真っ白な塊を一生懸命に頬張った。
「…………っ!!」
次の瞬間、ミナちゃんの大きな瞳から、大粒の涙がぼろぼろと溢れ出した。
「……あったかい……。あまくて、ちょっと、しょっぱくて……。お母さん、これ、すごくおいしいよ……っ!」
「ミナ! ……本当、本当ね……。こんなに優しい味、初めて……」
エレンさんも、残りの半分を口に運び、溢れる涙を拭おうともせずに咀嚼した。
精製された白いお米の甘み。そして、この世界では貴重な、混じりけのない純粋な塩の味。
極限状態だった彼女たちの身体に、日本のソウルフードが染み渡っていく。
二人がおにぎりを食べ終えるのを、私は黙って見守った。
最後の一粒まで大切に口に運び、飲み込んだエレンさんは、深く、深く私に向かって頭を下げた。
米粒一つさえも慈しむように食べるその姿を見て、私の心は不思議と決まっていた。この人なら、おばあちゃんの遺した大切な台所を、一緒に守っていけるかもしれない、と。
「……ありがとうございます。……本当に、ありがとうございます。……この御恩は、一生忘れません」
「エレンさん……。あの、もし行き場に困っているのなら、私と一緒に来ませんか?」
私の唐突な提案に、エレンさんは目を見開いた。
「実は私、森の奥でカフェを経営しているんです。でも、最近忙しすぎて一人じゃ手が回らなくて……。住み込みで、お店を手伝ってくれる人を探しているんです」
「……私たちのような、明日をも知れぬ者を、雇ってくださるというのですか?」
「ええ。エレンさんさえよければ。……ミナちゃんも、森の中は空気が綺麗だから、きっとすぐに元気になれるわ」
エレンさんは私の目をじっと見つめた。
私の手が、一人で皿洗いを続けて荒れているのを見て、彼女は何かを悟ったように小さく頷いた。
「……わかりました。この命、美里様に預けます。……ミナを助けてくださったあなたのためなら、どんな苦労も厭いません」
私は二人を連れて、合流場所で待っていたハンスさんの馬車へと向かった。
ハンスさんは二人の姿を見て一瞬驚いていたけれど、私の決意を伝えると「美里さんらしいや」と苦笑いして、快く荷台に乗せてくれた。
夕闇に包まれ始めた森を抜け、おばあちゃんの屋敷に到着した。
夕日に照らされたモダンな古民家を見て、二人は言葉を失っていた。
「わあぁ……! きれいなお家……! 魔法使いのお城みたい!」
「ミナ、静かにしなさい。……美里様、本当に、ここへ入ってもよろしいのですか?」
「ええ。今日からここは、お二人の家でもあるんですから。……さあ、まずは汚れを落として、ゆっくりしましょう」
私は二人を、あの五右衛門風呂へと案内した。
竹の管から流れ出る豊富な水。
薪で温められた、檜の香りが漂う湯船。
「……夢を見ているようです」
浴室から聞こえてくるミナちゃんの楽しそうなはしゃぎ声と、エレンさんの安堵したような溜息。
それを聞きながら、私は厨房で夕飯の準備を始めた。
今夜は歓迎会だ。
おばあちゃんの備蓄庫から、とっておきの食材を出そう。
一時間後。
お風呂から上がり、おばあちゃんのクローゼットにあったリネンの服に着替えた二人は、見違えるほど綺麗になっていた。
特にエレンさんは、汚れを落とすと、凛とした美しさを持つ知的な女性であることがわかった。
「エレンさん。……今日はお疲れ様。まずは、これ、食べてください」
並べたのは、炊き立ての白いご飯に、オーク肉の生姜焼き、そして裏庭の野菜をたっぷり入れたお味噌汁。
「いただきます……」
三人で囲む、初めての食卓。
おばあちゃんの広い屋敷が、ようやく「家」としての温かさを取り戻したような気がした。
「……おいしい。本当においしいです、美里様」
エレンさんは、一口食べるごとに噛みしめるように言った。
彼女は元は兵士の妻だったが、夫を亡くした後、貴族の屋敷で働いていたこともあるらしい。
「あの、美里様。……この調理場の片付け、私がやってもよろしいでしょうか?」
「え? でも、今日はゆっくり休んで……」
「いいえ。……私を雇ったことを、後悔させたくありませんから」
そう言って立ち上がったエレンさんの動きは、驚くほど無駄がなかった。
彼女は私の使い慣れた調理場を瞬時に把握し、汚れたお皿を魔法のような手際で洗い、整理していく。
布巾の絞り方、棚の整頓、そして床の拭き掃除……。
その動きは完璧なプロのそれだった。
「……エレンさん、すごすぎ……」
「ふふ、これくらいはお任せください」
ミナちゃんも「ミナもお手伝いする!」と、小さな手で椅子を揃えてくれている。
一人の限界に怯えていた昨日までの自分が、遠い昔のことのように感じられた。
「……おばあちゃん。私、いい人たちに出会えたよ」
私は二人に個室を用意した。
清潔なシーツ、ふかふかの枕。
ミナちゃんが「お姫様のお部屋だ!」とベッドで跳ね回っている声を聞きながら、私は静かに窓の外の月を眺めた。
明日から、カフェ『みさと』は三人体制。
一人では成し得なかった「最高のおもてなし」が、ここから始まるのだ。
次回予告
エレンさんの仕事ぶりが完璧すぎて、私、店主なのに立場がない!? 「美里様、その揚げ方は温度が低いです。油切れが悪くなりますわ」 ……えっ、エレンさん、キャラ変わってません!? 意外とスパルタ!? そんな時、噂を聞きつけた「お忍びのおじいちゃん」がやってきた。 ちょっと、そのおじいちゃん……なんか風格が凄すぎて、空気が凍りついてるんですけど!?
次回、「新しい家族」。 エレンさんの有能スキルが、カフェに革命を起こします!
差し出した私の声は、自分でも驚くほど震えていた。
路地裏の冷たい地面に座り込む二人の人影。
母親らしき女性が、びくりと肩を揺らして私を見上げた。
その瞳には、深い絶望と、通りすがりの者に対する強い警戒心が宿っている。
けれど、私の手元にある包みから立ち上がる「お米と大葉の香り」が、彼女たちの理性を一瞬で追い越した。
「……これ、お昼ご飯に作ってきたおにぎりなんです。もしよかったら、食べてくれませんか?」
女性は一瞬、戸惑ったように私と包みを交互に見た。
しかし、彼女の腕の中で丸まっていた小さな女の子が、ひくひくと鼻を鳴らし、力なく目を開けた。
「……おかあさん……なんだか、すごく、いいにおい……」
「ミナ……っ。……すみません、お嬢さん。お気持ちは嬉しいですが、私たちにはもう、お返しできるものが何もないのです」
女性の掠れた声に、私は胸が締め付けられるような思いがした。
お返しなんて、いらない。
今の私は、ただ誰かに「美味しい」と言ってほしかった。
一人で限界まで働き、皿を割って泣きそうになっていた自分を、救ってほしかっただけなのかもしれない。
「いいんです。私も、一人でご飯を食べるのが寂しかっただけですから。……さあ、どうぞ。中にお塩が入っているから、元気が出ますよ」
私は包みを広げた。
真っ白で艶やかなお米の塊。おばあちゃんの裏庭から摘んできた大葉を巻いた、シンプルなおにぎり。
母親(エレンさんという名前らしい)は、震える手でそれを一つ手に取った。
半分に割り、まずは娘のミナちゃんの口へと運ぶ。
ミナちゃんが、小さな口で真っ白な塊を一生懸命に頬張った。
「…………っ!!」
次の瞬間、ミナちゃんの大きな瞳から、大粒の涙がぼろぼろと溢れ出した。
「……あったかい……。あまくて、ちょっと、しょっぱくて……。お母さん、これ、すごくおいしいよ……っ!」
「ミナ! ……本当、本当ね……。こんなに優しい味、初めて……」
エレンさんも、残りの半分を口に運び、溢れる涙を拭おうともせずに咀嚼した。
精製された白いお米の甘み。そして、この世界では貴重な、混じりけのない純粋な塩の味。
極限状態だった彼女たちの身体に、日本のソウルフードが染み渡っていく。
二人がおにぎりを食べ終えるのを、私は黙って見守った。
最後の一粒まで大切に口に運び、飲み込んだエレンさんは、深く、深く私に向かって頭を下げた。
米粒一つさえも慈しむように食べるその姿を見て、私の心は不思議と決まっていた。この人なら、おばあちゃんの遺した大切な台所を、一緒に守っていけるかもしれない、と。
「……ありがとうございます。……本当に、ありがとうございます。……この御恩は、一生忘れません」
「エレンさん……。あの、もし行き場に困っているのなら、私と一緒に来ませんか?」
私の唐突な提案に、エレンさんは目を見開いた。
「実は私、森の奥でカフェを経営しているんです。でも、最近忙しすぎて一人じゃ手が回らなくて……。住み込みで、お店を手伝ってくれる人を探しているんです」
「……私たちのような、明日をも知れぬ者を、雇ってくださるというのですか?」
「ええ。エレンさんさえよければ。……ミナちゃんも、森の中は空気が綺麗だから、きっとすぐに元気になれるわ」
エレンさんは私の目をじっと見つめた。
私の手が、一人で皿洗いを続けて荒れているのを見て、彼女は何かを悟ったように小さく頷いた。
「……わかりました。この命、美里様に預けます。……ミナを助けてくださったあなたのためなら、どんな苦労も厭いません」
私は二人を連れて、合流場所で待っていたハンスさんの馬車へと向かった。
ハンスさんは二人の姿を見て一瞬驚いていたけれど、私の決意を伝えると「美里さんらしいや」と苦笑いして、快く荷台に乗せてくれた。
夕闇に包まれ始めた森を抜け、おばあちゃんの屋敷に到着した。
夕日に照らされたモダンな古民家を見て、二人は言葉を失っていた。
「わあぁ……! きれいなお家……! 魔法使いのお城みたい!」
「ミナ、静かにしなさい。……美里様、本当に、ここへ入ってもよろしいのですか?」
「ええ。今日からここは、お二人の家でもあるんですから。……さあ、まずは汚れを落として、ゆっくりしましょう」
私は二人を、あの五右衛門風呂へと案内した。
竹の管から流れ出る豊富な水。
薪で温められた、檜の香りが漂う湯船。
「……夢を見ているようです」
浴室から聞こえてくるミナちゃんの楽しそうなはしゃぎ声と、エレンさんの安堵したような溜息。
それを聞きながら、私は厨房で夕飯の準備を始めた。
今夜は歓迎会だ。
おばあちゃんの備蓄庫から、とっておきの食材を出そう。
一時間後。
お風呂から上がり、おばあちゃんのクローゼットにあったリネンの服に着替えた二人は、見違えるほど綺麗になっていた。
特にエレンさんは、汚れを落とすと、凛とした美しさを持つ知的な女性であることがわかった。
「エレンさん。……今日はお疲れ様。まずは、これ、食べてください」
並べたのは、炊き立ての白いご飯に、オーク肉の生姜焼き、そして裏庭の野菜をたっぷり入れたお味噌汁。
「いただきます……」
三人で囲む、初めての食卓。
おばあちゃんの広い屋敷が、ようやく「家」としての温かさを取り戻したような気がした。
「……おいしい。本当においしいです、美里様」
エレンさんは、一口食べるごとに噛みしめるように言った。
彼女は元は兵士の妻だったが、夫を亡くした後、貴族の屋敷で働いていたこともあるらしい。
「あの、美里様。……この調理場の片付け、私がやってもよろしいでしょうか?」
「え? でも、今日はゆっくり休んで……」
「いいえ。……私を雇ったことを、後悔させたくありませんから」
そう言って立ち上がったエレンさんの動きは、驚くほど無駄がなかった。
彼女は私の使い慣れた調理場を瞬時に把握し、汚れたお皿を魔法のような手際で洗い、整理していく。
布巾の絞り方、棚の整頓、そして床の拭き掃除……。
その動きは完璧なプロのそれだった。
「……エレンさん、すごすぎ……」
「ふふ、これくらいはお任せください」
ミナちゃんも「ミナもお手伝いする!」と、小さな手で椅子を揃えてくれている。
一人の限界に怯えていた昨日までの自分が、遠い昔のことのように感じられた。
「……おばあちゃん。私、いい人たちに出会えたよ」
私は二人に個室を用意した。
清潔なシーツ、ふかふかの枕。
ミナちゃんが「お姫様のお部屋だ!」とベッドで跳ね回っている声を聞きながら、私は静かに窓の外の月を眺めた。
明日から、カフェ『みさと』は三人体制。
一人では成し得なかった「最高のおもてなし」が、ここから始まるのだ。
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