天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

文字の大きさ
21 / 46

DNA血縁鑑定 1

しおりを挟む
「心愛さん、32歳だから卵子凍結した方がいいよ!!」

女医は婚期が遅れる。
ダブルボードで小児科と産婦人科の専門医を取得するために後期研修を5年も受けたからこの歳になってしまった。

「……無理。卵子を実験に使われ兼ねないから」

後期研修を終え、生殖医療専門医を取得するために安達病院にお世話になっている。
夜間医として京都府立病院でバイトに入り、資格取得後は小児外科医兼務新生児科で勤務する事も決まった。

「じゃあ、俺と結婚して子供作るならいい?生殖医療専門医取得でうちの病院にいる間は日勤だから、子育てもしやすいし」

「お断りします。涼真先生と夫婦になるなんて無理です。他を当たって下さい。誰か紹介しましょうか?」

生殖医療学会で講演会の講義をする以外他の医師とは関わりは無く、安達病院でひたすら不妊治療に携わっている涼真先生は出会いが全くない。

40歳になり結婚に焦り始めたらしい。

「心愛ちゃん、極秘データ見る?」

涼真先生がノートパソコンの画面を私に見せ、体外受精の症例レポートを見せてきた。
画質から30年以上前のものと思われる。
涼真先生と瀬戸先生、私が体外受精で作られた時のレポートで、ノートパソコンを奪い読み漁る。

「この体外受精、誰が計画したかご存じですか?」

「久保教授。あの人、人として最低だよ」

体外受精で精子と卵子のパフォーマンスあげる研究で成果をあげて生殖医療研究分野で成功していた久保教授。

「咲愛さんの事が好きで付き合いたいがために、恋人だった瀬戸の親父凍結していた精子を勝手に使って瀬戸の親父に想いを寄せてる大病院の御令嬢との間に体外受精で子供を作り、お酒に媚薬入れて飲ませて既成事実作ってそれで妊娠したと責任とらせて結婚させた」

瀬戸先生の父は東京大学医学部の小児外科教授で、先天性疾患がある新生児の外科的治療のスペシャリスト。
体外受精と顕微受精からできた胚盤胞で妊娠した子供の先天性疾患を研究している人で、世界的に活躍してる人。

「咲愛さんに全く相手にして貰えず、当てつけに親父を脅して凍結している卵子を奪って、焼けっぱなしな実験を行なった。3人の男の精子を入れたのに受精してハイグレードな胚盤胞ができたからびっくりだよな」

レポートを読むと久保教授は新鮮精子使用で瀬戸先生のお父さんと涼介先生のは凍結精子。

凍結による急激な温度変化で融解後の精子の生存率は融解前の約50%~80%に低下するけれど、生存していた凍結精子は新鮮精子を用いた人工授精と比較しても、妊娠率において差は見られないが、レポートの考察を読むと久保教授は自分の精子が卵子と受精し、ハイグレード胚盤胞になったと思っているようだった。

「私、久保教授が父親って嫌だわ」

体の半分が久保教授の遺伝子でできてると思うと気持ち悪くなる。

「父親が誰か調べるなら、俺と瀬戸とDNA血縁鑑定だしたらわかると思う。俺も心愛さんの父親が誰か気になるし。なんとなくだけど、久保教授ではない気がする。あの人の血を引いてたらこんないい子にならないと思うから」

知らない方がいい真実もある。
もし、久保教授の娘だと判明したら、自分自身が嫌いになって、生きている事がつらく感じると思う。

「……鑑定はしない。私の親は倉沢咲愛、お母さんだけ。父親の存在は考えたくない!!」

現実逃避になるけれど、知りたくない。

「心愛さんが俺と異母兄妹だと嫌だな。血縁濃になると先天性疾患でやすくなるし不妊体質にもなる可能性が高くなるから、子供作れない」

「ごめんなさい。涼真先生とは異母兄妹でなくても結婚する気ないです」

涼真先生は悪い人ではない。
だけど、生殖医療専門医なのもあり、健康で優秀な子供を作る事ばかり考えてるところが受け入れられない。

「じゃじゃーん!!実はDNA血縁鑑定してました。俺とは血縁鑑定ありません!!瀬戸とは鑑定だしてないけど、瀬戸と心愛さん、性格とか行動が似てるし異母兄妹な気がする。瀬戸もそう思ってるんじゃないかな」

瀬戸先生の事を尊敬し、慕ってる。
それは恋心に近かったのか彼と異母兄妹と涼真先生に言われ、複雑な気持ちになった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...