契約結婚に子作りは入ってません!!

鳴宮鶉子

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仕事が楽しくて堪らない

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「仕入れで余った食材で店舗限定日替わりのワンコインランチを限定メニューに加えるのはどうですか?SDGsの取り組みになりますし」

「……企画的には良いアイデアだと思うが、残念な事だが、店舗に日替わりメニューを立案できる社員はいないから無理だ」

新入社員の私は、まだまだ勉強が足りない。
そんな私の発言にちゃんと応えてくれて、丁寧に教えてくれるのは異母兄の長谷樹部長。
28歳と若いけど、部長職に就いている。

新規事業であるFCビジネスの立ち上げから、事業展開および運用に関わる管理監督業務を行う部署に私はいる。

FC事業内容の概要設計、FC契約関連の企画に運用、加盟店の開発と選定 、加盟店への定期的な指導に社内連携。
そのほかに人事考査、労務管理などの管理業務。

飲食チェーンの店舗出店はFC、フランチャイズで成り立っている。
FCとは、FC本部となる親企業に、加盟店がロイヤリティ(対価)を支払って、ブランド名や看板を使う権利や経営ノウハウを得て事業を行うビジネスシステムのこと。

FCオーナーによっては全く料理ができない人がいて、メニュー考案が無理な店舗もあるから、店舗限定オリジナルメニューは却下された。


集客人数が減り、売り上げが落ち込み、仕入れ食材も破棄で赤字のFCオーナーさんからのヘルプ要請がきて、緊急ミーティングが行われた。

ヘルプ要請があった店舗の1年間の売り上げデータを見る。
1日の平均来客人数が100人以下で、相当まずい状態という事が目に見てわかる。
日額の売上の目標は100万。
客単価が2千円程度だから、500人以上の来客がないと経営を続けていくのは難しい。

「場所的に集客見込めないところに店舗があるからな。和食レストランは家庭料理に近いからわざわざ食べにこようと思わないかもしれないし、思い切って、イタリアか回転寿司にチェンジしないか交渉してみようか?」

「無理だろ。オーナーが和食にこだわってるから」

「じゃあ、しゃぶしゃぶ専門店か、カツ屋、それか和食でもバイキングの店!!」

先輩社員達は店舗変更を薦める事に決め、その候補ブランドを決めるのに難航する。

「新規ブランドで立ち上げる定食屋はどうだ?」

「ナイスアイデア、さすが、樹《いつき》部長!!定食屋ならあのオーナー、手を打ってくれるかも。新ブランドだし」

樹部長の案に、皆が賛同する。
新ブランド店舗なら話題性も高く、集客率は上がる。

「定食屋のメニュー候補、メニュー開発部から届いた?」

「届いてます」

定食屋のメニュー候補のファイルを各自iPadで開き、確認する。

「……揚げ物だらけだな。ステーキにハンバーグ、定番すぎる。炒め物とか健康志向に焼き魚とか入れないと、客、来ないんじゃない?」

「……ですね」

新ブランドのメニュー検討に話し合いが変わる。

「杉原は定食の中で何が1番好き?」

「鯖の味噌煮、もしくは鯵の南蛮漬け、ですかね」

「……意外と健康志向なんだな」

新入社員の私にも樹部長は話を振ってくれる。
和気藹々と意見が飛び合うこの部署に配属され、仕事がとても楽しい。

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