契約結婚に子作りは入ってません!!

鳴宮鶉子

文字の大きさ
3 / 23

大食い体質なんですよ

しおりを挟む
「来望《くるみ》は太らない体質だから、いいね」

大学時代からの親友で、デザートメニュー開発課に所属している今井陽香ちゃんが、私の食べっぷりに呆れてる。

和食レストラン天庵のランチメニュー、天庵御膳(海鮮丼・天ぷら盛り合わせ・ミニうどん)をぺろっと平らげ、物足りないからと、からあげ専門店“から好き”の甘とろから揚げ丼&蕎麦セットを購入して戻ってきた私に、誰もがドン引きする。

「時間あるし、食べれるなら食べとかないと、もったいない」

あーくらいくブランドの季節限定と一部定食メニューが社員価格500円で食べられる。
だから、時間がある時は、セットメニューを3食、食べてる。

「本当によく食うよな」

樹部長と同じ課の佐伯主任、山内主任がガッシュの膳を持って、やってきた。
私の隣に座った樹部長は季節限定のサーロインステーキをナイフとフォークを使って華麗に食べていて、思わず、じっと見つめてしまう。

「……食べたいのか?」

「いいえ。ナイフとフォークの使い方が上手だなっと見惚れてました」

ナイフとフォークを使う料理を大学に入るまで食べた事がなかったから、私は苦手。
だから、ステーキは食べる事ができない。

「やるっ!!」

フォークに刺さったステーキの1番美味しいところを口元に突き出され、思わず、パクリ。

「……美味しい!!」

柔らかい肉肉しいステーキに感激する。

「……来望、あんた、独身女性社員全員を敵に回すよ」

「……へっ?」

周りを見回すと結婚適齢期の女性社員達が私を睨んでいた。

次期社長で仕事ができるイケメンの部類の樹部長がモテてる事を忘れていた。

「樹部長とはそんな関係ではございません。ただの食い意地がはった部下に餌付けしただけです」

誤解された気がして、独り言のように弁論する。

「太るから、やる。もっと食え」

「……いりません!!」

面白がってカットしたステーキを私の口元に持ってくる樹部長に対して、首を横にふり、拒絶した。


ランチタイム。
私にちょっかいをかけに樹部長がしょっちゅう隣の席にくる。
社長夫人の座を狙っている女性社員達の視線が痛い。

「来望、早く食べないと休憩時間なくなるよ!!」

2食目に頼んだ甘とろから揚げ丼&蕎麦セットをまだ一口も口にしていなかった。

急いで、から揚げ丼を口にかけこみ、蕎麦をすする。

「ご馳走様でした!!」

5分かからずに完食。

「……大食いに早食い、フードファイターか!!」

「部長、お先に失礼します。陽香ちゃん、行こう!!」

陽香ちゃんと席を立ち、食器を戻して社員食堂を後にする。


「もしかして、樹部長、来望の事が好きなんじゃない?」

樹部長は知らないと思うけど、私と樹部長は異母兄妹。

だから、恋人関係にはなれない。

「まさか、ないない。同じ部署の上司と部下だからだよ」

構ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと戸惑ってる。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

練習なのに、とろけてしまいました

あさぎ
恋愛
ちょっとオタクな吉住瞳子(よしずみとうこ)は漫画やゲームが大好き。ある日、漫画動画を創作している友人から意外なお願いをされ引き受けると、なぜか会社のイケメン上司・小野田主任が現れびっくり。友人のお願いにうまく応えることができない瞳子を主任が手ずから教えこんでいく。 「だんだんいやらしくなってきたな」「お前の声、すごくそそられる……」主任の手が止まらない。まさかこんな練習になるなんて。瞳子はどこまでも甘く淫らにとかされていく ※※※〈本編12話+番外編1話〉※※※

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

一夜限りのお相手は

栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

【完結】 女に弄ばれた夫が妻を溺愛するまで

紬あおい
恋愛
亡き兄の恋人を愛し、二年後に側室に迎えようと政略結婚をした男。 それを知りつつ夫を愛し、捨てられないように公爵夫人の地位を確立しようと執務に励む女。 そんな二人が心を通わせるまでのお話。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー

藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。フィアンセの、橘俊幸、31歳、弁護士とお互い一目惚れし、結婚を前提のお付き合いのラブラブ生活を送っていたが、早く花蓮と結婚式をあげたい俊幸にブレーキをかけるのも大変で・・・ このお話は、前に掲載された「彼と私と甘い月」で、リクエストを頂いた番外編です。「彼と私と甘い月」の話の続き、短編となります。楽しんでいただけると嬉しいです。 この作品はムーンライトノベルズと同時掲載されました。

ガネット・フォルンは愛されたい

アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。 子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。 元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。 それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。 私も誰かに一途に愛されたかった。 ❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。 ❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。

処理中です...