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経営悪化の原因は継母
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「社長と副社長、いがみ合ってるだけで仕事しないから、樹部長、大変だよな」
経営戦略の立案や資金繰りの確認、外部との交渉やトップセールス、各部署の社員とのコミュニケーション。
ファミリーレストラン事業の店舗運営及び食品等の販売を行う会社だから、店舗開発本部新規FC事業の仕事を優先的に取り行っているけど、店舗に卸す食品の仕入れ先との契約や加工食品の開発生産の立ち合いなど、かなりの仕事を1人で請け負っていた。
私にとって、社長は父で、副社長は継母。
母の死後手続きで会った時に、私の事を認知すると言っていた父だけど、戸籍謄本を取り寄せてみたら、されていなかった。
社会的立場がある人だから仕方がないと自分に言い聞かせたけど、悲しかった。
私の事を認知して引き取る事ができなかったのは、副社長をしている奥様との関係が上手くいってなかったからかもしれない。
継母は冷凍食品をはじめとした加工食品の開発製造販売を行っている大手企業スカイシーの御令嬢。
レストランで提供する冷凍食品などの加工品を自社生産に切り替えた事が継母は不服で、それにより、スカイシーがあーくらいくを吸収合併しようと動きているらしい。
会社の支配権は、株式の保有率で決まる。
株主総会で決められる普通決議は出席株主の過半数が賛成することによって成立するも、会社の重要事項を決める特別決議は出席株主の3分の2以上(67%以上)の賛成がないと設立しない。
生産工場建設のための株式増資と、その後、経営悪化により自己株式を資金調達のための売却したため、社長の持ち株20%しか保有してなく、一族経営は破綻している。
オアシスアマミヤが10%保有しているものの、合算して30%しかなく、支配権はない。
スカイシーの持ち株率は15%。
残り50%の株式は個人の投資家が保有しているらしく、それを買い集められたら、あーくらいくはスカイシーに乗っ取られてしまう。
あーくらいくのお食事券を株式優待券にして個人投資家に株を売却した社長。
経営赤字で配当がなくても高額なお食事券が年に2回貰えるから、安易に売りに出されないと思っているらしい。
一花ちゃんが酔っ払って話していた内容がやっと理解できた。
あーくらいくは現在、窮地に陥ってる。
「樹部長はあーくらいくがこのまま存続するのと、スカイシーに吸収合併されるの、どちらが最善と思われてるんですか?」
店舗開発本部に戻ってきた樹部長に聞いてみた。
「存続に決まってるだろ。スカイシーに吸収合併されたら、料理の質が絶対に落ちる。社長が自社工場建設した理由がそれだから」
それを聞いて安心した。
樹部長が社長の味方で良かった。
経営戦略の立案や資金繰りの確認、外部との交渉やトップセールス、各部署の社員とのコミュニケーション。
ファミリーレストラン事業の店舗運営及び食品等の販売を行う会社だから、店舗開発本部新規FC事業の仕事を優先的に取り行っているけど、店舗に卸す食品の仕入れ先との契約や加工食品の開発生産の立ち合いなど、かなりの仕事を1人で請け負っていた。
私にとって、社長は父で、副社長は継母。
母の死後手続きで会った時に、私の事を認知すると言っていた父だけど、戸籍謄本を取り寄せてみたら、されていなかった。
社会的立場がある人だから仕方がないと自分に言い聞かせたけど、悲しかった。
私の事を認知して引き取る事ができなかったのは、副社長をしている奥様との関係が上手くいってなかったからかもしれない。
継母は冷凍食品をはじめとした加工食品の開発製造販売を行っている大手企業スカイシーの御令嬢。
レストランで提供する冷凍食品などの加工品を自社生産に切り替えた事が継母は不服で、それにより、スカイシーがあーくらいくを吸収合併しようと動きているらしい。
会社の支配権は、株式の保有率で決まる。
株主総会で決められる普通決議は出席株主の過半数が賛成することによって成立するも、会社の重要事項を決める特別決議は出席株主の3分の2以上(67%以上)の賛成がないと設立しない。
生産工場建設のための株式増資と、その後、経営悪化により自己株式を資金調達のための売却したため、社長の持ち株20%しか保有してなく、一族経営は破綻している。
オアシスアマミヤが10%保有しているものの、合算して30%しかなく、支配権はない。
スカイシーの持ち株率は15%。
残り50%の株式は個人の投資家が保有しているらしく、それを買い集められたら、あーくらいくはスカイシーに乗っ取られてしまう。
あーくらいくのお食事券を株式優待券にして個人投資家に株を売却した社長。
経営赤字で配当がなくても高額なお食事券が年に2回貰えるから、安易に売りに出されないと思っているらしい。
一花ちゃんが酔っ払って話していた内容がやっと理解できた。
あーくらいくは現在、窮地に陥ってる。
「樹部長はあーくらいくがこのまま存続するのと、スカイシーに吸収合併されるの、どちらが最善と思われてるんですか?」
店舗開発本部に戻ってきた樹部長に聞いてみた。
「存続に決まってるだろ。スカイシーに吸収合併されたら、料理の質が絶対に落ちる。社長が自社工場建設した理由がそれだから」
それを聞いて安心した。
樹部長が社長の味方で良かった。
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