契約結婚に子作りは入ってません!!

鳴宮鶉子

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契約結婚は夫婦ではない

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「……一緒に住む必要ありますか?」

「俺たち、夫婦でしょ」

一花ちゃん家での宅飲みからの帰り、自分のマンションに帰ればいいのに、樹部長は私に着いてきて、部屋に入ってきた。

「……契約結婚ですよ。あーくらいくの株の移転が完了したら離婚するって取り決めましたよね?」

「動かす資産がでかいから、移転までに50年かかるって大雅が言ってたの、忘れた?離婚は現実的に無理だよ。夫婦としてやっていこう。来望の事、大切にするから」

贈与税の税率の高さから、株式の移転を譲渡で行う報告に決め、個人ではなく自社株として行うとためのプロセスから、長期戦になる事を理解した。

「……無理。私も散々な幼年期を過ごしたけど、樹部長も副社長の不貞の子で苦労したでしょ。家族を築く気になれないし、このしがらみから解放されたいとしか、思えない」

樹部長は私が所有してるあーくらいくの株を社長が養育費として貯めたお金から買収したと思っていたが、私の母の遺産からと知り、放心した。

母の不貞で授かった御曹司の樹部長も立場的に苦労は絶えないと思う。
私は父の不貞で授かり、母がシングルマザーとして産み、育てられた。
母を失ってからは1人で生きてきた。
かなり、悲惨だったと思う。

「俺に……償いをさせて。てか、あの社長と副社長のせいで俺ら、人生詰んでるんじゃん。助け合って生きていこう。あいつらに復讐しよう。傷を舐め合って生きていこう」

話している内容が酷過ぎて、一花ちゃんが酒を買い込んでるのもあり、酒に呑まれて樹部長は理性を失ってる。

母の死後、私は私立中高一貫校の寮生活を強いらえたけど、環境に恵まれていたのもあり、寂しさはあったけど、不満はなかった。

母の遺産額から、大企業の重役や政治の愛人として、多額の金銭を得てた事が計り知れる。

父に捨てられた反動による行動と思われる。

だけど、母は私をちゃんと育ててくれていた。

「嫌です。一花ちゃんにLINE送りました。大雅さんが迎えにきてくれるから、帰って下さい!!」

玄関から閉め出した状態で、樹部長を放置する。
10月下旬だから、気温的には問題ない。

自己防衛。
感情に流され、男女の体格差で押し倒され、子供を授かったら、私は産み育てる事は無理だ。

無責任に子供は産めない。
薬局で購入したした緊急避妊薬を倍量飲んだ。

樹部長とは戸籍上の夫婦で有りたい。

会社では夫婦を演じないといけないけど、私生活では関わりを持ちたくないと思った。

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