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昔の貴方に戻る

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「愛弓、毎日夕ご飯作ってくれてありがとう」

「自分の分、作るついでだから」

毎日、仕事が終わった後にわたしの顔を見たいと結斗がわたしの部屋のドアベルを鳴らすから、家に上がって貰ってカロリー控えめ目栄養満点ご飯をご馳走した。

ちなみに今日のメニューはサバの味噌煮と冷や奴とほうれん草のお浸し、キャベツとえのきとワカメの味噌汁。

「いつも遅い時間にごめん。また明日」

時計の針を見て結斗は急いで帰っていく。
24時過ぎ、次の日仕事があるから気にしてくれてご飯を食べたら結斗は直ぐに帰っていく。
結斗にY AH A A!JAPANでwebライターの仕事をしてる事を話したら、ライブアメバに来ないかと誘われた。
社長直属のwebライターにならないかと言われて意味不明……。

社長だから休日関係無しで毎日朝の8時から22時過ぎまで仕事をしてる結斗。

平日に毎日わたしが夕ご飯を作ってくれるからお礼にと土日に高級な店のディナーに食べに連れて行ってくれた。

「愛弓、GWに1泊2日で旅行に行かないか?」

4月の初めに結斗に旅行に誘われ、首を縦に振った。

結斗と再会して半年が経った。

再会は最悪だったけど、毎日わたしに会いにきて美味しそうにわたしが作ったご飯を食べて穏やかな顔になって帰っていく結斗に対して、昔の好きだった感情が戻ってた。

5月3日と4日が休みで、その日に結斗が休みを取ってくれて、熱海の高級旅館に連れて行って貰った。

午後2時に出発して車を走らせ2時間ほどで目的地の高級旅館に着く。

離れの家族風呂がある庭園が一望できる素敵な部屋をとってくれてた。

「18時に夕食にしたから、温泉入ろう?」

結斗が部屋の外の家族風呂にわたしを誘う。

「一緒に入りたい。……愛弓が温泉に入ったら俺、行くから」

スーツケースから下着を取り出し旅館の浴衣の中に入れて脱衣所へ行く。

結斗とやり直す事に決めたから一緒に旅行するのを承諾した。

身体と髪を洗い、長い髪を高い位置でお団子にして露天風呂の中に入る。
部屋からここが見えるから、わたしが露天風呂の中に入ったのを見てすぐに結斗がきて、猛スピードで身体を髪を洗ってわたしの隣にきた。

白濁のお湯で身体のラインが見えなくてよかった。

特に話す事もなく、ただ湯に浸かり、20分ほどで先に結斗が露天風呂から出た。
結斗が客室に戻ったのを見届け、身体と髪をもう1度洗い、脱衣室で浴衣を着て客室へ戻った。

18時ちょうどに仲居さん達が豪華な料理を配膳してくれて、日本酒を少し飲みながら堪能する。

新鮮な豪華なお造りの盛り合わせに、A5ランクの黒毛和牛のすき焼き、そしてさくさくの天ぷら。
他にも少量ずつ和のおかずがあり、全てが美味しくて幸せな気持ちになる。

デザートのレモンシャーベットを食べ終えた後、また仲居さん達が来て、配膳を下げてくれてシングル布団を2組並べて敷いてくれた。

食後に歯磨きをし、20時前だけどもう寝ようかっと、でも早いよねっといった気まずい空気が流れた。

女遊びで仕事のストレスを発散していた結斗。
わたしと再会してから半年間、やってない。

わたしが嫌がるかもしれないと結斗も言い出せないようだった。

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