Destiny Lover〜檸檬の薫りのような恋〜

鳴宮鶉子

文字の大きさ
9 / 10

俺が今、愛してるのは  side 大翔

しおりを挟む
ぐっすり眠ってる一花を起こすのが可哀想で、週末でも欠かさず行なわないといけない、回診をしに、病院へ向かった俺。

一花が目覚める前に、帰りたいと、患者の所に顔を出しても上の空だった俺、重傷患者がいないから良いものの、短時間で終わらせ、家に戻った。

一花がうちで、待っていてくれてると思ってた俺……。

帰ったら、一花はいなかった。

そして、気づく。
俺の部屋に至るところに置いてある咲良と俺の2ショット……。

一花はこれを観て、もしかしたら、自分が身代わりなのではと思って、俺に不信感を抱いて、出て行ったのかもしれない。

何度も一花にライン着信をしても、通じない。

焦る俺がいた。

週明けから、一花は循環器内科の研修に入り、俺との接点は無い。

一花に何度も、ライン着信をしても、既録もつかない。

焦る俺。

院内で俺にばったり会っても、顔を怖ばせ、拒絶される。

このままでは、いけないとあせる俺。

金曜日の夕方、一花の指導医になった先生が俺と絡みがある先生で、お願いして、俺が迎えに行くまで一花を循環器内科の医局から出さないようにメールでお願いした。

外科医だからオペばかりの生活。
過密スケジュールで、定時を1時間超えた18時半に、循環器内科の医局に、一花を迎えに行った。

「遅いよ、結城先生」

基本的に循環器内科医は定時で帰宅できる。
何で残されてるか理解してなかった一花は、俺が循環器の医局に現れて、目を丸くしていた。

「一花、来い」

動こうとしない一花に近づき、鞄を勝手に出し持ち、一花の手を引き、連れて行く事にした。

「藤堂先生、ありがとうございます」.

一花の手を引き、循環器内科の医局を出て、病院から出た。

一花を俺の車の助手席に座らせ、俺の家に連れて行く事にした。

一花は、口を閉ざし、何も言わない……。

「一花、写真立ての写真を見て、俺を拒絶してるんだろ」

俺のうちに一花を連れ込み、一花と話し合う事にした。  

「大学時代に付き合ってた彼女に一花が姿形が似ていて惹かれた事は否定しない。
でも、今の俺は、一花個人に惹かれてる。一花の指導医として半年間勤め、常に側にいた一花に俺は惹かれた。
一花、今の俺は、一花しか愛して無い。だから、俺を拒絶しないで欲しい」

一花を抱きしめ、俺は、言った。
俺の言葉は本心だった。

俺の中にはもう、咲良はいなくて、一花しかいなかった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

憧れの小説作家は取引先のマネージャーだった

七転び八起き
恋愛
ある夜、傷心の主人公・神谷美鈴がバーで出会った男は、どこか憧れの小説家"翠川雅人"に面影が似ている人だった。 その男と一夜の関係を結んだが、彼は取引先のマネージャーの橘で、憧れの小説家の翠川雅人だと知り、美鈴も本格的に小説家になろうとする。 恋と創作で揺れ動く二人が行き着いた先にあるものは──

皆に優しい幸崎さんは、今日も「じゃない方」の私に優しい

99
ライト文芸
奥手で引っ込み思案な新入社員 × 教育係のエリート社員 佐倉美和(23)は、新入社員研修時に元読者モデルの同期・橘さくらと比較され、「じゃない方の佐倉」という不名誉なあだ名をつけられてしまい、以来人付き合いが消極的になってしまっている。 そんな彼女の教育係で営業部のエリート・幸崎優吾(28)は「皆に平等に優しい人格者」としてもっぱらな評判。 美和にも当然優しく接してくれているのだが、「それが逆に申し訳なくて辛い」と思ってしまう。 ある日、美和は学生時代からの友人で同期の城山雪の誘いでデパートのコスメ売り場に出かけ、美容部員の手によって別人のように変身する。 少しだけ自分に自信を持てたことで、美和と幸崎との間で、新しい関係が始まろうとしていた・・・ 素敵な表紙はミカスケ様のフリーイラストをお借りしています。 http://misoko.net/ 他サイト様でも投稿しています。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない

如月 そら
恋愛
「二度目は偶然だが、三度目は必然だ。三度目がないことを願っているよ」 (三度目はないからっ!) ──そう心で叫んだはずなのに目の前のエリート役員から逃げられない! 「俺と君が出会ったのはつまり必然だ」 倉木莉桜(くらきりお)は大手エアラインで日々奮闘する客室乗務員だ。 ある日、自社の機体を製造している五十里重工の重役がトラブルから莉桜を救ってくれる。 それで彼との関係は終わったと思っていたのに!? エリート役員からの溺れそうな溺愛に戸惑うばかり。 客室乗務員(CA)倉木莉桜 × 五十里重工(取締役部長)五十里武尊 『空が好き』という共通点を持つ二人の恋の行方は……

私の婚活事情〜副社長の策に嵌まるまで〜

みかん桜
恋愛
身長172センチ。 高身長であること以外ごく普通のアラサーOL、佐伯花音。 婚活アプリに登録し、積極的に動いているのに中々上手く行かない。 「名前からしてもっと可愛らしい人かと……」ってどういうこと? そんな男、こっちから願い下げ! ——でもだからって、イケメンで仕事もできる副社長……こんなハイスペ男子も求めてないっ! って思ってたんだけどな。気が付いた時には既に副社長の手の内にいた。

同期に恋して

美希みなみ
恋愛
近藤 千夏 27歳 STI株式会社 国内営業部事務  高遠 涼真 27歳 STI株式会社 国内営業部 同期入社の2人。 千夏はもう何年も同期の涼真に片思いをしている。しかし今の仲の良い同期の関係を壊せずにいて。 平凡な千夏と、いつも女の子に囲まれている涼真。 千夏は同期の関係を壊せるの? 「甘い罠に溺れたら」の登場人物が少しだけでてきます。全くストーリには影響がないのでこちらのお話だけでも読んで頂けるとうれしいです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

処理中です...