胃袋掴んだら御曹司にプロポーズされちゃいました

鳴宮鶉子

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結婚するなら、彼女がいい  side 雅人

大阪開発センターから東京開発センターに家電開発部門移転し、オーブンレンジの開発チームに所属していた長谷咲良と、出会った。

第一印象は地味で大人しい真面目な子。

大阪出身の古瀬リーダーは飲みの席が好き。
楽しく食事をする事が、相手と分かち合える方法だと思っている。
コロン禍を理由に会社関係の飲み会を禁止してるのもあり、彼からランチミーティングをしたいと言われ、応じた。
新型オーブンレンジの試作の実験を兼ねた社内のキッチンルームで調理したランチ。
会議室で試食しながら、新型オーブンレンジの改善点や追加する機能についての意見交換が行われた。

12~15人分の食事を長谷咲良がいつも1人で作っていた。
彼女が作った料理はとても美味しい。
スーパーで購入した安価な材料で、こんな味を出せるものなのかと、驚愕する。

バランスがとれた献立。
デザートも付いている。

ランチミーティング中、書記役を任され、話し合いの内容をノートパソコンに打ち込み、議事録をの作成もする。

ランチミーティングが終わった後、下げられた御膳の皿を手洗いしてから食洗機に入れ、回してる間に会議室の片付けと時間が余ればノート型パソコンを開き、仕様書と取扱説明書の作成を行なってる働き者な彼女を見て、叶わぬ願いだが、結婚するならこんな子としたいと思った。

料理上手で従順で、こんな子が奥さんになってくれたら、幸せだろうなと思った。


****

「……結婚相手の候補が決まった?」

オアシスアマミヤの社長を務める父から、お見合い写真を渡された。

候補は5人。

会社経営にプラスになる縁故を結びたい会社の御令嬢との縁談に溜息をつく。

オアシスアマミヤの跡継ぎとて、避けられない役目。
大企業になると一族経営を続ける事は難しくなる。
御曹司として産まれたからと、必ず社長になれるというわけではない。

縁談相手の写真と身上書、家族書に目を通していく。
難関私立女子大卒で親が経営している会社で秘書もしくは総務に勤めてる御令嬢達。

学歴だけでは仕事ができるかは、わからない。
縁故で仕事をしているから周りに甘やかされて、仕事を全くしてない可能性もある。

見た目からかなり金遣いが荒く、わがままそうな感じがして、家事や子育てもまとめにやらない、お飾りな奥さんになりそうな気がしてならない。

5人目のお見合い写真を見て、固まる。

成人式の時に撮影したと思われる、あどけなさが残る、長谷咲良の姿があった。

「……あーくらいくの御令嬢。嘘だろっ!!」

外食チェーンで2番目に大きい会社、オアシスアマミヤより規模が大きい。


他の御令嬢とは違い、手書きではなくパソコン入力で作成された身の上書。
箇条書きで学歴と職業、趣味と特技が記載されていて、自己紹介の書面はない。

本人が作成したものとは思えない。

身の上書に備考欄があり、本人未承諾と書かれていて、長谷咲良は俺との縁談を知らされてない事を知る。

長谷咲良は縁故ではなく、実力でオアシスアマミヤに就職した。
両親の反対を押し切って、オアシスアマミヤに就職したのだろう。
あーくらいくの仕事に就かなかった事で、両親と折が合わなくなり、現在、疎遠になっているのかもしれない。

デジタルの社員名簿を検索して、彼女の履歴書データを見る。
丁寧に書かれた自己PRと志望動機に好感が持て、彼女の勤務態度からも、オアシスアマミヤで家電開発の仕事をしたいという熱意が伝わる。

「長谷咲良と結婚したいな」

長谷咲良を奥さんに迎えたいと切に願う。
できるなら、お見合いではなく、彼女と恋愛結婚をしたいと思った。



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