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プロローグ

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ーー 痛い女っていわれてもいい。

私にとって、心底惚れていて猛烈に愛せる人は中高一貫校時代に出会い、6年半付き合った元彼 瀬川大翔《せがわ ひろと》だけで、何度か他の男と付き合おうとしたけど、どうしてもキス以上の事ができなかった。

『彩葉《いろは》、あんた、このままだと一緒独身で処女のままだよ。せっかく出るとこ出て引っ込むとこ引っ込んでるナイスバディーで、可愛い顔してるのに!!もったいない!!』

親友でビッチの魔性の女というより魔女の宮坂凛花《みやさかりんか》ちゃんに、ランチかエステなどの女磨きに誘われた時に、いつも哀れみの目で見られ、同情される。

特定の彼氏を作らず、暇な夜に銀座や歌舞伎町などにある会員制のBARへ行き、ハイグレードな男を捕まえてワンナイトラブをしてる凛花ちゃん。
凛花ちゃん曰く、美味しいカクテルを奢って貰って一夜を愉しむ後腐れのない最高の関係らしいけど、金持ちで見た目が良ければ誰とでもエッチをするビッチじゃん。

『元彼との思い出の写真をオカズに自己処理する彩葉よりはマシ』

元彼の思い出の写真をオカズにして自己処理をする私の方がマシだと思う……。


辻井彩葉《つじいいろは》27歳。
フリーランスでアドレスホッパーをしながらインテリアプランナーをしてる。
都内にある最難関の建築学科を卒業し、建築とインテリア関係の実務経験無しでとれる資格は全てとり、それを活かしてフリーランスで全国を飛び回ってる。

とはいえ、主な収入は株の売り買いのデイトレーダーでインテリアプランナーの仕事は、もはや趣味。

「……元彼を見つけるために全国を回るなんて、てか、元彼、日本にいるの?T大を半年で辞めてマサチューセッツ工科大学にいったんでしょ?」

ーー私と大翔は仲はとてもよかった。

なのに破局してしまった原因は、大翔の逸物が巨根だったから。

大学進学で京都から東京に出てきて、大学がある本郷で1人暮らしをしてた私と大翔。
同じ大学で同じ学科だったから常に一緒にいて、だから、私は大翔の部屋に上がり込み同棲してた。

身体の線が細くて処女の私にはどうしても大翔の逸物が入らなくて、何度かやろうとしたけど痛くて泣いてしまい、それが原因で気まずくなり、大翔が私と別れる為に留学してしまった。

痛くても我慢して大翔を受け入れればよかったと後悔してる。


ーー大翔以上に良い男はいない。
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