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ワンナイトらぶ魔がさした side大翔

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中学受験の時に同じ教室で入試を受けた美少女に俺は一瞬で恋に堕ちてしまった。

白い雪のようなきれいな肌に華奢な身体つき。小さいふっくらとした唇に大きな二重の瞳。
辻井彩葉は誰もが魅力される極上の美少女だった。

そんな彼女とキャンバスライフを送りたくて、俺は関西最難関男子校の薙校を蹴り、彼女がいるとは限らない、洛西校に入学を決めた。

入学式の日。桜の花びらが舞う中、体育館に向かう彼女の姿を見て、俺はガッツポーズをした。

彩葉と付き合い始めたきっかけは、可愛すぎる彩葉を他の男に取られたくなくて、早い者勝ちと入学式の次の日に即告白をして、俺の気迫に押された彩葉は首を縦に振り、彼氏の座を射止めた。

彩葉の自慢の恋人でいたくて、クラブに属してなくてもスケットで大会に参加し、関西圏の大会で上位の結果を出し、学校の中間期末テストは満点トップは当たり前で塾の模擬テストも全国トップ10入りをキープした。

彩葉が、愛おしすぎて、俺はかなり彼女にぞっこんだった。
彼女第一で常に俺の隣に彩葉がいて、彼女の事が最優先のキャンバスライフを送ってた。

彩葉は関西地区で戸建住宅で有名な辻井ホームの御令嬢だった。
父親には母親と結婚した当時から愛人がいて、それを知った母親が父親への当て付けのように若い男と遊び始め、彩葉はその遊び相手に中学3年生の時に襲われかけた。

俺に助けのLINE通話をかけてきて、万事休すで最後まではされずに助ける事ができた。

この事がきっかけで男性恐怖症に陥ってしまった彩葉。
両親は離婚をし、彩葉は母親に引き取られるも祖父母の家で暮らすようになり、心を閉ざした。
俺以外の男性に対して拒絶反応を起こした彩葉を支えて、なんとか普通に暮らせるようになるまでに3年かかった。

高校時代、愛おしい彩葉とセックスがしたい欲求にかられるも、怖い思いをした彼女に手が出せなかった。

大学生になり、一緒に東京へ出てからは俺のアパートで半同棲生活をし、彩葉を押し倒して抱こうとした。

だが、あの恐怖体験のせいなのか、彩葉の膣口は濡れなくて、俺のを挿入する事ができなかった。

何度試しても痛がりできなくて、彩葉は俺に申し訳なく感じてか、口と手で俺をイかせてくれた。

彩葉の事を俺は心の底から愛してる。
だから、彩葉とセックスができなくても一緒にいられればそれでいいと思った。

だが、彩葉の側にいたらどうしても彩葉を押し倒してしまい、彩葉を傷つけてしまいそうになる。

俺は彩葉から離れるためにマサチューセッツ工科大学に留学を決め、彩葉の前から居なくなった。

2度と彩葉の前に現れるつもりはなかったが、俺は9年後、彩葉とまた出会ってしまった。


マサチューセッツ工科大学の2学年先輩だった神崎拓磨さん。
世界各国から学生が集まる大学の中で、同じ学部の同じ国出身の先輩後輩は自然と絡むようになり、助け合うようになる。
住んでるアパートが同じだったのもあり、俺は拓磨さんに頭が上がらなくなるぐらいお世話になった。

九州中国四国地方で最大手の神崎工務店の御曹司て、リーダーシップが取れ面倒見がいい拓磨さん。

大学院修士課程を卒業する直前に神崎工務店で働かないかと声をかけられたが、馬島建設から高層ビルの意匠設計士として内定を貰った後だから断る事ができず、申し訳ないがお断りをした。

馬島建設と神崎工務店は絡みがあり、帰国してから仕事を通して拓磨さんと建築設計デザインを共に手がけたりした。

大学時代は単位取得が厳しくて全く遊ぶ暇がなく、時間があればひたすら建築デザインのコンペに応募していたのもあり、女性に全く欲情しなかった。

日本に戻ってからは、拓磨さんに誘われ、BARで飲んだ後に見た目が許容範囲の女性をホテルに誘い、童貞を卒業し、その後、何度かその場限りの女性とセックスするも、気持ちはいいが満足はしない。虚しさも感じてしまう。

俺は今でも彩葉の事が忘れられず、彩葉しか愛せないでいた。

彩葉と仕事で再会してしまい、彩葉への気持ちが膨らみなんとか抑えてる中で、BARで彩葉と2人きりで飲み、酔い潰れた彩葉にホテルに誘われ、俺はやらかしてしまった。

ハリウッドホテルのデラックスルームの部屋をとり、先に支払いをして、彩葉をベッドに寝かせたらすぐに帰るつもりだった。

なのに、俺が寝室から出て行こうとしたらふらふらな彩葉に背後から抱きつかれ、『行かないで……』と泣かれたら自制が効かなくなる。

彩葉は左手薬指に指輪をはめていて婚約してる恋人がいると誰かが言ってたが、実際はいないようで、男除けに指輪をつけてると思われた。

背後から抱きつかれ、彩葉の左手薬指にはめられたプラチナリングを見て嬉しくなる。

彩葉は俺がプレゼントしたペアリングをずっとはめてた。

酔って意識が朦朧としていてほんのり頬が赤い彩葉をベッドに組み敷き、小さなふっくらとした唇に貪るようにキスをしながら紺色のワンピースを脱がした。
華奢だった彩葉の身体は女性らしい丸みが帯び、遊びで女の身体を知ってしまった俺は好きな女の身体を目の前に我慢する事は不可能だった。

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