ラストレター 〜君が残してくれた最後の手紙〜

鳴宮鶉子

文字の大きさ
4 / 6

咲良side 中倉財閥からの追っ手

しおりを挟む
9月28日に湊は京都に戻った。
出たアパートが運良く空いてて、そこにまた引っ越した。

私は律樹さんと姫花さんの住んでいる一軒家に居候して、1歳の玲斗くんのお世話を任された。

「咲良ちゃんがいてくれて助かる!!」

売れっ子設計士とインテリアプランナーの律樹さんと姫花さん。
律樹くんに会いにクライアント先と工事監理の合間に2人で帰ってくる。

居候させて頂くお礼に、毎日、朝昼晩の食事を作らせて貰った。

中倉財閥が探偵を雇って私を探してるかもしれないから、ネットスーパーで食材と日用品を購入する。

午前中はお庭の砂場で遊び、午後からは絵本を読み聞かせした。

「私も湊の子が欲しいな……」

玲斗くんのお世話が楽しかった。

*****
「湊、あのね……、わたし、湊の赤ちゃんが欲しい」

大学が休みに入り、湊が福岡にきた。
神崎工務店の年始年末休暇の時以外はバイトで律樹さんの仕事のお手伝いをしてた。
夜に私が間借りしてる部屋で2人で過ごす時間。
湊におねだりする。

「……今はまだダメだよ。俺が大学を卒業して神崎工務店に就職するまでは待って。
今、妊娠したら律樹さんと姫花さんに迷惑がかかる……」

年末年始の長期休暇に沖縄のコテージに来た。
5日間だけの2人きりの時間。

コテージのベッドにうつ伏せで寝そべりスマホを触ってる湊。

律樹の隣に同じようにうつ伏せで寝そべり、スマホの画面を見た。

アプリゲームを楽しんでる湊に腹をたてる。

「湊、ゲームをしないで私の相手をして!!」
「……わかった。おいで、咲良」

福岡で間借りしてる部屋でも音を立てないように、毎日やってたけど、離れてる時間が長いのと、赤ちゃんが欲しくて、湊に『抱いて』とねだるわたし。

湊はそんな私を抱いてくれた。
でも、『子供ができたらいけないから』と必ずゴムをつけて私の中に挿れる。

「後、1年ちょっとだけ待って」

私を抱きながら湊は言う。
私が中倉財閥の令嬢で政略結婚させられそうになって逃げ出したからこんな生活を送る事になったのに、湊は私の我儘を聞いてくれて宥めてくれて、私の事を第1に考えて動いてくれた。

政略結婚から逃げて8ヶ月が経った。
足が着いたらいけないからと住民票も移さず、クレジットカードのお金も引き落としなどせず、病院にも行かなかった。

そして、外にも出ず、律樹さんと姫花さんの家に引きこもって生活を送ってた。

*****
律樹さんと姫花さんがちょうど家に戻ってきてた時間に玄関のインターフォンがなる。
モニターを見た姫花が怪訝そうな表情を浮かべ、律樹さんを呼び、律樹さんと出て行く。
モニターを見ると1度お会いした私の政略結婚の相手 有川要がいた。

「ここにいる私の婚約者の中倉咲良さんとお話がしたいのですが」
「そんな女性はうちにいませんが」

有川要さんに私がここにいないと嘘をつく律樹さん。
すると、有川要さんがわたしがお庭で玲斗くんと遊んでる写真を出して、律樹さんと姫花さんに見せた。

「……今はもういないです。帰って下さい。仕事に行かないといけないのでもう帰って下さい」

姫花さんが律樹さんの腕を掴み、家の中に入った。
モニターでその様子を見ていたと思われないようモニターを切り、玲斗くんを抱きあげる。

「咲良ちゃん、これからしばらく家から出たらダメ。窓とか外から見える所にも居たらダメ」

律樹さんと姫花さんがリビングに入ってきた。
姫花さんがこの日は午後からは休みを取ってくれた。
そして、次の日からクライアント先のヒアリングのみ行き、それ以外は家で仕事をしてくれた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

虚弱姫はコワモテ将軍の筋肉に触りたい

隙間ちほ
恋愛
◼︎無骨な英雄×病弱な筋肉フェチ姫 ◼︎辺境伯の末娘エルナは、領軍の英雄マテウスとの結婚が決まった。政略結婚――のはずが、実は姫は将軍の熱烈なファン。姫がノリノリで嫁ぐ一方、当のマテウスは「か弱い姫君に嫌われている」と思い込み、距離を取ってしまう……。 ◼︎筋肉と鼻血とすれ違いラブコメ。 ◼︎超高速展開、サクッと読めます。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

完結*三年も付き合った恋人に、家柄を理由に騙されて捨てられたのに、名家の婚約者のいる御曹司から溺愛されました。

恩田璃星
恋愛
清永凛(きよなが りん)は平日はごく普通のOL、土日のいずれかは交通整理の副業に励む働き者。 副業先の上司である夏目仁希(なつめ にき)から、会う度に嫌味を言われたって気にしたことなどなかった。 なぜなら、凛には付き合って三年になる恋人がいるからだ。 しかし、そろそろプロポーズされるかも?と期待していたある日、彼から一方的に別れを告げられてしまいー!? それを機に、凛の運命は思いも寄らない方向に引っ張られていく。 果たして凛は、両親のように、愛の溢れる家庭を築けるのか!? *この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 *不定期更新になることがあります。

卒業まであと七日。静かな図書室で,触れてはいけない彼の秘密を知ってしまった。

雨宮 あい
恋愛
卒業まであと七日。図書委員の「私」は、廃棄予定の古い資料の中から一冊の薄いノートを見つける。 「勝手に見つけたのは、君の方だろ?」 琥珀色の図書室で、優等生な彼の仮面が剥がれ落ちる。放課後の密室、手のひらに刻まれた秘密の座標、そして制服のプリーツをなぞる熱い指先。日曜日、必死にアイロンを押し当てても消えなかったスカートの皺は、彼に暴かれ、繋がれてしまった心と肉体の綻びそのものだった。 白日の下の教室で牙を隠す彼と、誰にも言えない汚れを身に纏う私。卒業証書を受け取る瞬間さえ、腰元に潜む「昨日の熱」が私を突き動かす。 清潔な制服の下で深まっていく、二人にしか分からない背徳の刻印。カウントダウンの果てに待つのは、残酷な別れか、それとも一生解けない甘い呪縛か――。

らぶアディクト

鳴宮鶉子
恋愛
らぶアディクト

社長から逃げろっ

鳴宮鶉子
恋愛
社長から逃げろっ

彼が指輪を嵌める理由

mahiro
恋愛
顔良し、頭良し、一人あたり良し。 仕事も出来てスポーツも出来ると社内で有名な重村湊士さんの左薬指に指輪が嵌められていると噂が流れた。 これはもう結婚秒読みの彼女がいるに違いないと聞きたくもない情報が流れてくる始末。 面識なし、接点なし、稀に社内ですれ違うだけで向こうは私のことなんて知るわけもなく。 もうこの恋は諦めなきゃいけないのかな…。

処理中です...