ラストレター 〜君が残してくれた最後の手紙〜

鳴宮鶉子

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湊side 一緒に暮らそう

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GWに入り、福岡に咲良さんを迎えに行く。
今年は4月27日から5月6日まで休みだから、咲良と北海道の富良野にあるコテージへ旅行に行く事にした。

律樹さんから中倉財閥が動き出し、政略結婚の相手 有川要が福岡にいるらしく、福岡にいる方が危ないと判断し、GW明けからはまた咲良と京都の俺のマンションで暮らす事にした。

中倉財閥は俺と咲良が付き合ってる事を知っているはず。
でも、福岡にいてもマークされてるから俺のマンションの中に匿う方がいい。

連休中の前半5日間は北海道の富良野のコテージでのんびり過ごそう。
律樹さんと姫花さんのうちの周りを中倉財閥の人間がうろちょろして、咲良はずっと外から見えない所にいたらしい。4月27日の朝一の新幹線で福岡の律樹さんの家へ行き、1泊泊めて貰い、次の日の早朝に律樹さんに福岡空港まで連れて行って貰って、飛行機で千歳空港まで飛んで、JRで富良野のコテージへ向かった。

「………外に出るの、怖い……」

北海道にきたのに外に出たがらない咲良。
捕まって強制的に東京に連れて行かれ、有川要と結婚させられるかもしれないと思うと不安なようだった。

富良野の大自然を散策したかったけれど、食材だけ買って、コテージで4泊5日過ごす事に……。

*****
「……咲良、咲良は俺と結婚してずっと一緒にいられるから」

コテージの硬いベッドの上で、ひたすら咲良を抱く。
なるべく咲良だけ感じさせて、長い時間行為が持続できるようにした。

咲良の白い細い身体。
大きめの丸いグレープフルーツの大きさの胸にむしゃぶりつき、谷間に顔を埋める。
リードして行為を続けたいのに、俺の勃った男を掴まれ手でしごかれ、俺が咲良に覆い被さってた上半身を起こすと咲良が俺を押し倒し、俺の男を愛窪に埋めた。

「ゴムつけてない」
「ゴムつけたくない。赤ちゃん欲しい」

桃のように柔らかいお尻に手をやり抜こうとしても抜く事ができず、昨日の夜に2回出したのに、あっけなく、俺は咲良の中に果ててしまった。

ちなみに昨日も咲良に翻弄されるまま、騎馬位と座位で中出ししてしまった。

「……咲良、ゴムつこいならもうやらないから。今、子供できたらどうするんだ!!」
「………2月の終わりに産まれる。湊、もう卒論終わってる時期だし、湊と一緒に産まれたばかりの赤ちゃんを育てたい。
……それに、湊と結婚して子供が産まれたら、お爺様も私と有川要を結婚させるのは諦めてくれるかもしれない」

確かに結婚して子供がいたら、俺と別れさせようとはしないだろう。
有川要も流石に他の男の子を産んだ咲良子と他人の子を奪って家族になる事は無いだろう。

「わかった。咲良、子供を作ろう」

GWの10連休………ちょうど咲良の排卵期の時期で富良野のコテージと俺のするアパートでずっとセックスをし続けた。

「赤ちゃん、できたかな?」
「できてたらいいな」

咲良と子供と3人で幸せに暮らす日々を思い描いてた。

咲良との京都での生活は長くは続かなかった。

俺の留守中に有川要が俺のアパートにきて、居留守を使ったようだけどここにいたら捕まると咲良は俺の家から出て行った。

咲良は悪阻が始まり、妊娠検査薬で陽性が出て、GWの行為で見事に妊娠した。
有川要に捕まり、無理矢理中絶させられたら嫌だからと咲良は子供が産まれる直前まで全国各地を転々とした。

週に2回、手紙が送られてくる。
定住をせず、福島県にいたはずが3日後は愛媛にいたりする。
住所は書かれてなく、切手に貼られた消印でどこにいるかがわかった。

1月の終わりにに論文を完成させ提出した。
発表は3月の初めにあるけれど、教授に子供が産まれる事を話し、早めに卒論だけ提出させて貰った。

2月に入り、咲良が大きなお腹を抱えて俺のアパートに帰ってきた。
そして、結婚届を出し、咲良が産婦人科にかかってなかった事を知り、母子手帳を貰って、国民保険の手続きをしてから近くの産婦人科へ向かった。

*****
「39週と3日で妊娠10ヶ月。そして、二卵性の双子ですね。
すぐにでも帝王切開で出さないと子供も母体も危険な状態になります。
ただ……ここでは双子の38週以降の帝王切開は対応できないです。
紹介状を書くので京都大学付属病院へ行って下さい」

京都大学付属病院は午前しか診療をしてないから明日の朝一で行く事にし、アパートに帰る。

お腹が大きいのもあり、少し動くだけでも咲良は辛そうで、アパートのベッドに横になりじっとしていた。

妊娠は病気ではない……。
だけど双子を妊娠し、中倉財閥の追ってから逃げるために大きなお腹で全国各地を転々とし、居場所がばれる懸念から病院にもいかなかった。

夜中に咲良が苦しみだした。
救急車を呼び、京都大学付属病院に搬送され、救急に産婦人科医の先生を呼んで頂いて緊急帝王切開を行なった。

15分後に2人の赤ちゃんの声が聞こえた。
だけど、その後1時間経ってオペ室から出てきたドクターからの言葉に、頭の中が真っ白になった。

「お子さん2人は無事に産まれましたが、奥様は内臓破裂によりお亡くなりになりました」

3580gの女の子と4250gの男の子が細い咲良の身体の中で育ってたから、子宮に圧迫され他の臓器が潰されて破裂してもおかしくない。

亡くなった咲良がオペ室から出てきた。
2人の赤ちゃんが出てきた時、咲良は涙を流して嬉しそうに笑みを浮かべ、そして意識をなくして亡くなったとドクターは話してくれた。

咲良の御両親に電話をかけ、咲良が双子を産み亡くなった事と伝えた。
中倉財閥からの追っ手から逃げるために病院に行かず、咲良は全国各地を転々としてきた事も伝えた。

葬儀と火葬は、俺と俺の両親、咲良の両親と福岡から律樹さんと姫花さんが駆けつけてくれた。
双子の兄弟は病院に入院している中、咲良とのお別れをした。

咲良が全国を転々としながら週に2回送ってきた手紙、54通。
中には咲良の元気そうな写真が必ず1枚入ってた。

火葬が終わり、骨壷に入った咲良のお骨を俺のアパートへ持ち帰り、その後、双子に会いにいく。

咲良が亡くなり、双子の名付けと出産届を出すのを後回しにしてた。
咲良が亡くなった哀しみの中、咲良の御両親と俺の両親が初孫を抱っこし、初孫の誕生を喜んでた。

双子は俺が働きながら育てる。

姫花さんが神崎工務店の本社に22時まで預けられる託児所を作ったと言ってた。

家に帰ってから、咲良が持ち帰ったスーツケースを開けた。

中に1通の桜の花びらの柄の手紙が入ってた。

*****

湊へ

   湊がこの手紙を読んでるとしたら、私が死んでしまった時だと思う。
   私、湊と結婚して湊の赤ちゃんを産んで一緒に育てたかった。
   でも、私は中倉財閥から逃げる事ができない。
   全国各地でいきなり知らない人と声をかけられ、怖かった。
   私のお腹の中にたぶん、双子がいる。男の子と女の子かな。
   この子達には普通の家庭で育って欲しい。
   双子の出産はハイリスク。
   私は命と引き換えにこの子達を産みます。それしか中倉財閥から逃れる方法が見つからない。

   湊、ごめんね。産まれてくる子に、女の子が珊瑚、男の子に礁とつけてくれたら嬉しいな。

  湊の事を愛してます。

*****

咲良が自分の命が尽きる覚悟をしてたと知った……。

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