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prologue
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『咲花、急患入ったから、今日、帰れなくなった』
恋人の新道蓮《しんどうれん》から、今日も帰ってこられないとLINE通話がかかってきた。
「……そっか、わかった。連絡ありがとう」
『今日は帰れると思ったのに……残念だ。咲花の声が聞けてよかった。じゃ、診療に戻る』
前期研修2年目の彼と私は5年同棲してる。
心臓外科医を目指す彼は今、大阪にある国立循環器医療センターで研修医をしていて、オペの実績を増やすため研修プログラムの期間を外科と救急で埋めてるため、緊急手術や術後の経過観察で家に滅多に帰ってこない。
ーー研修医が多忙極まりない事は知ってる。
蓮と出会った時、私は東京にある榊記念病院の小児科で看護師として勤務をしていて、彼の10歳の離れた妹 萌花《もか》ちゃんの受け持ちをしてた。
妹の心臓を治したいと心臓外科医を目指していた当時医学部の3年生の蓮と、中学校を卒業し5年一貫教育コースの看護専門学校を卒業して看護師になって1年目だった私。
毎日見舞いにくる蓮と親しくなり、私は蓮と付き合うようになった。
蓮と付き合い始めて半年後。
心臓のドナーを待っていた萌花ちゃんの容態が急変し、急死してしまった。
私の事を姉と思い慕ってくれた萌花ちゃんが亡くなり、私は蓮と一緒に哀しみに暮れる。
両親を亡くし萌花ちゃんの兄と親役をしていた蓮は、血の繋がりのある家族がいなくなり、自暴自棄に陥ってしまい、彼を支えるために私は彼と一緒に暮らすようになり、彼が研修医になってからも研修先の病院に着いて来て欲しいと言われ、着いていき、同じ病院の小児科で看護師をしてる。
研修医は若い看護師にモテるから、蓮に院内で私と付き合っている事を秘密にして欲しいとお願いした。
理由は、色恋沙汰で人間関係を悪くしたくないから。
だから同じ病院に勤めていても、院内で会ってもお互い知らんぷりをしていてる。
頭脳明晰で容姿端麗な蓮は、高校生クイズで3年連続優勝し、大学時代に6年間クイズ番組に出演してた。
それもあり、院内でモテモテの蓮。
ーーそんな彼との関係に、私は悩んでた。
恋人の新道蓮《しんどうれん》から、今日も帰ってこられないとLINE通話がかかってきた。
「……そっか、わかった。連絡ありがとう」
『今日は帰れると思ったのに……残念だ。咲花の声が聞けてよかった。じゃ、診療に戻る』
前期研修2年目の彼と私は5年同棲してる。
心臓外科医を目指す彼は今、大阪にある国立循環器医療センターで研修医をしていて、オペの実績を増やすため研修プログラムの期間を外科と救急で埋めてるため、緊急手術や術後の経過観察で家に滅多に帰ってこない。
ーー研修医が多忙極まりない事は知ってる。
蓮と出会った時、私は東京にある榊記念病院の小児科で看護師として勤務をしていて、彼の10歳の離れた妹 萌花《もか》ちゃんの受け持ちをしてた。
妹の心臓を治したいと心臓外科医を目指していた当時医学部の3年生の蓮と、中学校を卒業し5年一貫教育コースの看護専門学校を卒業して看護師になって1年目だった私。
毎日見舞いにくる蓮と親しくなり、私は蓮と付き合うようになった。
蓮と付き合い始めて半年後。
心臓のドナーを待っていた萌花ちゃんの容態が急変し、急死してしまった。
私の事を姉と思い慕ってくれた萌花ちゃんが亡くなり、私は蓮と一緒に哀しみに暮れる。
両親を亡くし萌花ちゃんの兄と親役をしていた蓮は、血の繋がりのある家族がいなくなり、自暴自棄に陥ってしまい、彼を支えるために私は彼と一緒に暮らすようになり、彼が研修医になってからも研修先の病院に着いて来て欲しいと言われ、着いていき、同じ病院の小児科で看護師をしてる。
研修医は若い看護師にモテるから、蓮に院内で私と付き合っている事を秘密にして欲しいとお願いした。
理由は、色恋沙汰で人間関係を悪くしたくないから。
だから同じ病院に勤めていても、院内で会ってもお互い知らんぷりをしていてる。
頭脳明晰で容姿端麗な蓮は、高校生クイズで3年連続優勝し、大学時代に6年間クイズ番組に出演してた。
それもあり、院内でモテモテの蓮。
ーーそんな彼との関係に、私は悩んでた。
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