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エピローグ
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「ーー 輝、走ったらダメ!!」
「父さんもじいちゃんも僕の心臓は大丈夫だって言ってたよ!!」
6年後の桜の花が咲き乱れる4月6日。
輝は私立小学校に入学した。
朝、校門の前に下ろすと走って校舎に向かう蓮に助手席から声をあげる。
蓮も父さんも、輝の心臓に問題ないと太鼓判を押すけど、小さすぎる心臓にメスを入れ縫合したのもあり、輝の身体が大きくなるたびに、無事に心臓が大きくなるか私は心配でならない。
「大丈夫。輝は小学校で普通に生活できる」
運転席で蓮はそう言うけど、心臓病で苦しんで育った私は気が気でない。
時間に融通がきく機械回しのオペ看に異動し、私は看護部長として若手看護師の指導にあたってる。
なるべく17時半に輝を小学校まで迎えに行きたいから。
「輝、今日は19時に迎えにくるからね!!」
でも、難易度の高い予定オペが行われる日は、私が機械回しとして蓮とお父さんの補佐でオペに立ち合うため、蓮には小学校で課外授業受けて待って貰ってる。
「ーー わかった。母さん、お仕事頑張ってね!!」
かけがえのない1人息子の輝を育てながら、心臓病で苦しむ人の命を助ける仕事に携われてる日常。
「……今日の午後からのオペ、成功させようね」
「大丈夫。俺とお父さんが執刀するんだから」
重度な複雑性心疾患のある赤ちゃんが予定帝王切開で産まれてくる。
命は助かっても、完璧な心臓に造りかえる事が難しい。
「咲花が機械回しをしてくれるから、オペのスピードが上がる。だから、完璧なオペができるから大丈夫だ」
蓮と先天性心臓病をもって産まれた子の命を救っていきたい。
そして……、
「あのね、言いにくいんだけど、お腹に2人目ができたの」
「ーーエッ!!」
避妊に徹底していた蓮だけど、夜勤がない日は毎日のように私を抱いてるから授かってしまった。
「……蓮とお父さんで、また、私と赤ちゃんの命を守ってね!!信じてるから!!」
【終わり】
「父さんもじいちゃんも僕の心臓は大丈夫だって言ってたよ!!」
6年後の桜の花が咲き乱れる4月6日。
輝は私立小学校に入学した。
朝、校門の前に下ろすと走って校舎に向かう蓮に助手席から声をあげる。
蓮も父さんも、輝の心臓に問題ないと太鼓判を押すけど、小さすぎる心臓にメスを入れ縫合したのもあり、輝の身体が大きくなるたびに、無事に心臓が大きくなるか私は心配でならない。
「大丈夫。輝は小学校で普通に生活できる」
運転席で蓮はそう言うけど、心臓病で苦しんで育った私は気が気でない。
時間に融通がきく機械回しのオペ看に異動し、私は看護部長として若手看護師の指導にあたってる。
なるべく17時半に輝を小学校まで迎えに行きたいから。
「輝、今日は19時に迎えにくるからね!!」
でも、難易度の高い予定オペが行われる日は、私が機械回しとして蓮とお父さんの補佐でオペに立ち合うため、蓮には小学校で課外授業受けて待って貰ってる。
「ーー わかった。母さん、お仕事頑張ってね!!」
かけがえのない1人息子の輝を育てながら、心臓病で苦しむ人の命を助ける仕事に携われてる日常。
「……今日の午後からのオペ、成功させようね」
「大丈夫。俺とお父さんが執刀するんだから」
重度な複雑性心疾患のある赤ちゃんが予定帝王切開で産まれてくる。
命は助かっても、完璧な心臓に造りかえる事が難しい。
「咲花が機械回しをしてくれるから、オペのスピードが上がる。だから、完璧なオペができるから大丈夫だ」
蓮と先天性心臓病をもって産まれた子の命を救っていきたい。
そして……、
「あのね、言いにくいんだけど、お腹に2人目ができたの」
「ーーエッ!!」
避妊に徹底していた蓮だけど、夜勤がない日は毎日のように私を抱いてるから授かってしまった。
「……蓮とお父さんで、また、私と赤ちゃんの命を守ってね!!信じてるから!!」
【終わり】
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