LOVE TRIANGLE

鳴宮鶉子

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エピローグ

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「俺がソミーグループのCEOに就任したら、遥翔にはCFOになって貰う。そのために結奈の結婚相手になって、認められるよう仕事で大きな業績を残して欲しい」

朔兄は私と大貴の距離を開け、遥翔さんを急接近させ、遥翔さんと結婚させようと目論んでいたのかもしれない。

「結奈さんは覚えといかもしれないけど、俺達、アメリカで何度か会った事がある。結奈さんが朔弥さんに大学の課題を手伝って貰いに訪ねてきた時に俺、いたから」

留学していた時の事を思い出す。
スタンフォード大学の情報システム学コースに通ってた私。
難関なシステムの開発に頭を抱え、同じカルフォニア州にあるGoogleに勤めてた朔兄の所に教えて貰いに行ってた。

「……もしかして、いつも課題を手伝ってくれたハルさん!!」

いつも最終的に私の課題を仕上げてくれたのは朔兄とルームシェアしてた男性で、その男性が目の前にいる遥翔さんだったと知り、驚愕する。
ボサボサの髪と身体つきもひょろっとしていて、いつもパソコンの前に座ってひたすらカタカタとキーボードを叩いてた姿は今の遥翔さんとは別人にしか見えない。

「俺、あの時からずっと結奈さんに惹かれてた。AIシステム開発が思うようにいってなくて余裕がない俺にとって、月に数回会う結奈さんが女神に思えた。だから、今、結奈さんと結婚して側にいられるのがとても嬉しい」

遥翔さんは仕事モードになると周りが見えなくなる事がある。
そこは、昔と変わらない。

遥翔さんにとって私が初恋の人らしく、とても大切にしてくれる。
だから、仕事とプライベートのパートナーとして遥翔さんの隣にいるのがとても居心地がいい。

遥翔さんと結婚できた幸せに感謝してる。


【終わり】




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