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夜の顔(1)裏の顔で専務を堕とせるか
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21時15分、仕事を終え、丸の内にあるオフィスビルから出で、徒歩5分のところにあるタワーマンションの2階の自宅に戻り、Adrianna Papellのワインレッドの胸元と背中がざっくり開いていて足元にスリットが入ったロングドレスを身に纏い、髪をほどき、ゆるい天パの髪を下ろして整え、メイクを施す。
Adrianna PapellとRachel Zoe、Tadashi Shojiのドレスがウォークインクローゼットにずらっと並ぶ。
サンローランやクリスタルディオールのドレスもあるけど、ハイブランドすぎるドレスは今からいくところには着ていかない。
21時45分にタクシーを呼び、乗り込んで銀座のタワーびるの最上階にある高級クラブ【蝶々】へ向かう。
ここでわたしは 椿《つばき》という芸名で、No.1キャスト、ホステスをしてる。
紅、紫といったカラーの妖艶なドレスを身に纏い、昼間のわたしとは違い、男達を見た目の美しさと話術で惹きつけ紳士達を癒し、心を奪う。
今日も麗しきホステスに癒されに、紳士達が 高級クラブ 蝶々 に訪れる。
「高本様、お逢いできてとても嬉しいです。お隣失礼致します」
「椿さん、今日もお美しい」
「ありがとうございます。高本様、お酒をお造り致しますが、いつもので宜しいでしょうか?」
マニュアル通りの挨拶をする。
黒服の男が持ってきたおしぼりを広げ、高本様に渡す。
高本様は初期の頃からの常連客で、既婚の40代前半の証券会社の幹部社員。
わたしが隣に座るとわたしに助平心丸出しの緩んだ表情をしてわたしの胸元を見てくる。
「いつものお願い……」
わたしの全身に見惚れて陶酔してる。
わたしの常連客は現時点で、63人いる。
お酒を作って差し上げて、高本様からお酒を一杯頂き、乾杯をする。
高本様のお話を笑顔で伺い、相槌を打つ。
わたしにつく常連客は一夜限りを条件に身体関係を持つ。
高級クラブのホステスがやってはいけない安売り……。
2度目に応じないから高級クラブから去る客もいる。
誰とでも応じるわけではない。
30代後半から40代後半の既婚の紳士としかしない。
高級クラブには高収入である程度肩書きがある人でないと足を踏み入れる事はできない。
そういう人は身なりも身体もきちんとしている。
そして、既婚の紳士はその場限りの関係だと割り切り、わたしのファンになり通ってくれる。
黒服の男がわたしに近づいてきて、わたしの常連客がもう1方来客された事を伝えてきた。
新人のホステスに目線を向け、高本様の相手をお願いし、来店して席に案内されたばかり大手銀行で幹部社員をされていらっしゃる既婚の40代後半の佐藤様のところへ向かう。
「椿、紹介しよう。馬島建設の常務 馬場篤志《ばば あつし》くんとプリンセスホテルグループの専務 久我宗司くんだら」
ダンリーな紳士 佐藤さんは、高額収入な客を連れてきてくれていつもドンペリや高級シャンパンを注文してくれる。
だから、お一人で来られた時に限り、アフターで時々、身体関係を持ってる。
割り切った関係でわたしの身体を快感で満たしてくれるから応じてる。
佐藤さんが誇らしく連れてきた2人は、わたしの兄と、上司で縁談相手。
篤志兄にとってのわたしは女子アナファッション レッセパッセとアプワイザーリッシェの服を身につけた清楚な女性で、久我専務にはダサい社畜女としか思われてないはず。
なにより、いつものわたしは身体の線が出るような服を着ない。
巨乳と桃尻とくびれが目立たない格好を心がけてる。
メイクもこんな真紅な口紅はつけない。
「お綺麗な方ですね」
篤志兄は気づいてないようだった。
大企業の御曹司が2人も来客したから、婚活キャストの桔梗と牡丹がヘルプで入る。
わたしは佐藤様の隣でお酒を作り微笑むだけのリアクションで接客をし、篤志兄と久我専務は桔梗と牡丹にお願いした。
「馬場常務と久我専務は32歳で独身。椿。どう?」
どう?……と聞かれ、困った顔をする。佐藤様は将来有望そうな男性を連れて来られ、わたしに勧める。
さすがに……実兄と鬼畜専務は無理だ。
「とても美しい方ですね」
兄に女として見られる事にぞくっと寒気を感じる。
高級クラブでキャストを始めて2年、いろんなお客様のお相手をしてきた。
見た目や性格が受け付けない人ともそれなりに接待した。
でも、尊敬してる仕事ができる兄がホステス遊びをしてるんだと知り、失望した。
兄にもわたしの置かれてる立場と同じで花嫁候補が7人、馬島建設で勤めてる。
「……遊びでは椿を任せられないよ。私の娘みたいな大切な娘《こ》だから」
ブランデーの水割りを口にして佐藤様は言う。
この2人は花嫁候補がいてその中から選ばないといけない身だから、ホステスとは遊びでしか付き合えない。
「厳しいな。佐藤さんの大切な娘《こ》を傷つけて融資が受けれなくなったら困るので辞めときます」
篤志兄が私をターゲットにするのを辞めてほっとする。
何度か佐藤さんに御膳立てされて、それなりに有名な企業の御曹司とIT起業社長とアフターに行った。
でも、独身男性とは一線を超えなかった。割り切った関係になれないから。
「……馬場常務は遊び人と有名だから、椿、久我専務はどうだ?今日のアフター、彼と過ごしておいで!!」
佐藤さんはわたしに男性を紹介しようと連れてきたら、絶対に2人きりで食事をさせようとする。
23時過ぎ、久我専務とアフターで高級クラブ 蝶々 から追い出された。
篤志兄と久我専務は中高一貫男子校からの親友で、久我専務がわたしの一応、花婿候補だと知ってる。
なのに、篤志兄は花婿候補の女遊びを咎めない。
高級クラブのキャストとは本気の付き合いはしないとたかをくくってなのか、「楽しんでこい!!」と久我専務の肩を叩いて送り出した。
篤志兄……よその高級クラブのキャストもしくは仕事で絡みがあった容姿端麗やモデルや女優さん達と、絶対に遊びで身体関係を持ってる。
御曹司にとって女遊びは当たり前なのかもしれない……。
自分の兄に失望しつつ、やけを起こしたわたしの花婿候補で秘書としてついてる久我専務が女にすぐ手を出す人なのか気になり、本気で堕とせるか誘惑してみることにした。
Adrianna PapellとRachel Zoe、Tadashi Shojiのドレスがウォークインクローゼットにずらっと並ぶ。
サンローランやクリスタルディオールのドレスもあるけど、ハイブランドすぎるドレスは今からいくところには着ていかない。
21時45分にタクシーを呼び、乗り込んで銀座のタワーびるの最上階にある高級クラブ【蝶々】へ向かう。
ここでわたしは 椿《つばき》という芸名で、No.1キャスト、ホステスをしてる。
紅、紫といったカラーの妖艶なドレスを身に纏い、昼間のわたしとは違い、男達を見た目の美しさと話術で惹きつけ紳士達を癒し、心を奪う。
今日も麗しきホステスに癒されに、紳士達が 高級クラブ 蝶々 に訪れる。
「高本様、お逢いできてとても嬉しいです。お隣失礼致します」
「椿さん、今日もお美しい」
「ありがとうございます。高本様、お酒をお造り致しますが、いつもので宜しいでしょうか?」
マニュアル通りの挨拶をする。
黒服の男が持ってきたおしぼりを広げ、高本様に渡す。
高本様は初期の頃からの常連客で、既婚の40代前半の証券会社の幹部社員。
わたしが隣に座るとわたしに助平心丸出しの緩んだ表情をしてわたしの胸元を見てくる。
「いつものお願い……」
わたしの全身に見惚れて陶酔してる。
わたしの常連客は現時点で、63人いる。
お酒を作って差し上げて、高本様からお酒を一杯頂き、乾杯をする。
高本様のお話を笑顔で伺い、相槌を打つ。
わたしにつく常連客は一夜限りを条件に身体関係を持つ。
高級クラブのホステスがやってはいけない安売り……。
2度目に応じないから高級クラブから去る客もいる。
誰とでも応じるわけではない。
30代後半から40代後半の既婚の紳士としかしない。
高級クラブには高収入である程度肩書きがある人でないと足を踏み入れる事はできない。
そういう人は身なりも身体もきちんとしている。
そして、既婚の紳士はその場限りの関係だと割り切り、わたしのファンになり通ってくれる。
黒服の男がわたしに近づいてきて、わたしの常連客がもう1方来客された事を伝えてきた。
新人のホステスに目線を向け、高本様の相手をお願いし、来店して席に案内されたばかり大手銀行で幹部社員をされていらっしゃる既婚の40代後半の佐藤様のところへ向かう。
「椿、紹介しよう。馬島建設の常務 馬場篤志《ばば あつし》くんとプリンセスホテルグループの専務 久我宗司くんだら」
ダンリーな紳士 佐藤さんは、高額収入な客を連れてきてくれていつもドンペリや高級シャンパンを注文してくれる。
だから、お一人で来られた時に限り、アフターで時々、身体関係を持ってる。
割り切った関係でわたしの身体を快感で満たしてくれるから応じてる。
佐藤さんが誇らしく連れてきた2人は、わたしの兄と、上司で縁談相手。
篤志兄にとってのわたしは女子アナファッション レッセパッセとアプワイザーリッシェの服を身につけた清楚な女性で、久我専務にはダサい社畜女としか思われてないはず。
なにより、いつものわたしは身体の線が出るような服を着ない。
巨乳と桃尻とくびれが目立たない格好を心がけてる。
メイクもこんな真紅な口紅はつけない。
「お綺麗な方ですね」
篤志兄は気づいてないようだった。
大企業の御曹司が2人も来客したから、婚活キャストの桔梗と牡丹がヘルプで入る。
わたしは佐藤様の隣でお酒を作り微笑むだけのリアクションで接客をし、篤志兄と久我専務は桔梗と牡丹にお願いした。
「馬場常務と久我専務は32歳で独身。椿。どう?」
どう?……と聞かれ、困った顔をする。佐藤様は将来有望そうな男性を連れて来られ、わたしに勧める。
さすがに……実兄と鬼畜専務は無理だ。
「とても美しい方ですね」
兄に女として見られる事にぞくっと寒気を感じる。
高級クラブでキャストを始めて2年、いろんなお客様のお相手をしてきた。
見た目や性格が受け付けない人ともそれなりに接待した。
でも、尊敬してる仕事ができる兄がホステス遊びをしてるんだと知り、失望した。
兄にもわたしの置かれてる立場と同じで花嫁候補が7人、馬島建設で勤めてる。
「……遊びでは椿を任せられないよ。私の娘みたいな大切な娘《こ》だから」
ブランデーの水割りを口にして佐藤様は言う。
この2人は花嫁候補がいてその中から選ばないといけない身だから、ホステスとは遊びでしか付き合えない。
「厳しいな。佐藤さんの大切な娘《こ》を傷つけて融資が受けれなくなったら困るので辞めときます」
篤志兄が私をターゲットにするのを辞めてほっとする。
何度か佐藤さんに御膳立てされて、それなりに有名な企業の御曹司とIT起業社長とアフターに行った。
でも、独身男性とは一線を超えなかった。割り切った関係になれないから。
「……馬場常務は遊び人と有名だから、椿、久我専務はどうだ?今日のアフター、彼と過ごしておいで!!」
佐藤さんはわたしに男性を紹介しようと連れてきたら、絶対に2人きりで食事をさせようとする。
23時過ぎ、久我専務とアフターで高級クラブ 蝶々 から追い出された。
篤志兄と久我専務は中高一貫男子校からの親友で、久我専務がわたしの一応、花婿候補だと知ってる。
なのに、篤志兄は花婿候補の女遊びを咎めない。
高級クラブのキャストとは本気の付き合いはしないとたかをくくってなのか、「楽しんでこい!!」と久我専務の肩を叩いて送り出した。
篤志兄……よその高級クラブのキャストもしくは仕事で絡みがあった容姿端麗やモデルや女優さん達と、絶対に遊びで身体関係を持ってる。
御曹司にとって女遊びは当たり前なのかもしれない……。
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