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再会は運命的に
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お盆休暇を開けて東京に戻ったわたし。
10日間も休暇を取ったから仕事が溜まりに溜まってた。
大学から東京に出てそのまま千代田区霞が関にある住宅設備メーカー LIXRIで、システムキッチンのデザイナーをしてる。
「えっ、また仕様変更。いい加減にして」
馬島建設のインテリアデザイナーは細かい。細か過ぎて、馬鹿建設とわたしは腹の底で思ってる。
タワーマンションのキッチンダイニングはオープンキッチンで目につくからこだわりたいのはよくわかる。
「システムキッチンのカラーバリエーションを増やすか……」
マンションのオリジナル仕様のシステムキッチンの設計デザインを5件とメーカーオリジナルのシステムキッチンの設計デザインを3件を同時進行で手がけている。
休み中に新規でマンションのシステムキッチンが3件割り振られていて、思わず溜息をつく。
「馬鹿建設の仕事が1件、馬場さんと仕事したくない……。後は瀬戸工コーポレ ーションが2件。
関東圏のマンション建設は年間200件ぐらいあり、タワーマンションは馬島工務店が実績数はNo.1だけど、マンション建設数の6割が今、瀬戸工コーポレ ーションが施工してる。
瀬戸工コーポレーションはカタログからシステムキッチンを選びオリジナル仕様を求めてこない。
それが横浜と銀座にタワーマンションを建築するにあたり、高級感を出すためにオリジナルシステムキッチンを依頼してきた。
「瀬戸工コーポレーションの設計士とインテリアプランナーが今日の10時に挨拶に来るから」
「……えっ、休み明け初日なのに」
設備機器デザイナー課の樋口課長に言われ、肩を落とす。
瀬戸工コーポレーションの建築予定のタワーマンションの外装と内装の画を見て、部屋に合うシステムキッチンをイメージする。
入社して6年目、肩書きは主任で女性デザイナーとして多くの仕事を任されてる。
いや、キャバオーバーの仕事を受けていて毎日早朝出勤深夜帰りのブラック企業に勤めてる社畜状態。
「1時間でイメージするなんてさすがに無理……」
顔合わせの名刺交換の挨拶で終わると思うけど、タワーマンションの外装と内装のイメージ画を渡されてる手間、こちらから提案をしないといけない。
なんとか高級仕様のカラーステンレスのL字型対面キッチンの設計デザインの提案書をパソコンで作成する。
なんとか10分前に出来上がり、関口課長に確認して頂いて、1階の受付に降り、瀬戸工コーポレーションの設計士とインテリアプランナーを待つ。
10時5分前に若い背の高い男性が2人、オフィスビルに入ってきた。
「瀬川さん、北島さん、お忙しいところお越しくださりありがとうございます」
関口課長が男性2人に話しかけた。
「うちの人気女性システムキッチンデザイナーの藤崎です。ひとまず応接室へ案内します」
関口課長がにこやかに2人と挨拶を交わす中、設計士と思われる男性と目が合い、焦る……。
小野海水浴場で出会って、アバンチュールなひとときを過ごした男性とこんな形で再会するとは思わなかった。
関口課長と瀬川さんと北島さんは先に応接室へ向かい、わたしはお茶を入れる為に休憩室に向かう。
そこで深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、お茶を入れお盆にのせ、応接室に向かった。
4回ノックして、部屋に入り、瀬川さん、北島さん、関口課長、自分用にお茶を配り、お盆を応接室の入り口に置いてある机の上に置き、関口課長の横の席まで行く。
「藤崎、挨拶をして」
「このたびシステムキッチンのデザイナーを任される事になりましたLIXRIの藤崎萌香と申します」
軽くお辞儀をしてから名刺は胸の高さで持ち挨拶をした。
瀬川さんに先に名刺を差し出し、その後に北島さんに差し出した。
「横浜と銀座に建築予定のタワーマンションの設計士を担当する事になりました瀬戸工コーポレーションの瀬川真斗です。これからよろしくお願いします」
瀬川さんから名刺を受け取る。
「インテリアプランナーを担当する北島遥希(きたじま はるき)です。よろしくお願いします」
北島さんも瀬川さんと同じぐらい好青年だった。
瀬川さんはどちらかといえば中性的な知的男性系で、北島さんは彫りが深いワイルド系。
正反対のハンサムな2人が並んでるのは絵になる。
自己紹介を終え、その後、システムキッチンの要望を伺った。
わたしのイメージと瀬川さんと北島さんが描いてたイメージがドンピチャで合っていて、設備や素材、カラーについての細かい仕様についてまで話が進んだ。
来週の金曜日にまた来客をされ、ミーティングを行う事になった。
関口課長と瀬川さんと北島さんをオフィスビルの外まで見送る。
アバンチュールな身体の関係を持った相手とまさか仕事で関わりを持ってしまうなんて思ってなかった。
でも瀬川さんとの出会いに運命的なものを感じていて、この再会もそうなのかもしれないと、思うわたしがいた。
10日間も休暇を取ったから仕事が溜まりに溜まってた。
大学から東京に出てそのまま千代田区霞が関にある住宅設備メーカー LIXRIで、システムキッチンのデザイナーをしてる。
「えっ、また仕様変更。いい加減にして」
馬島建設のインテリアデザイナーは細かい。細か過ぎて、馬鹿建設とわたしは腹の底で思ってる。
タワーマンションのキッチンダイニングはオープンキッチンで目につくからこだわりたいのはよくわかる。
「システムキッチンのカラーバリエーションを増やすか……」
マンションのオリジナル仕様のシステムキッチンの設計デザインを5件とメーカーオリジナルのシステムキッチンの設計デザインを3件を同時進行で手がけている。
休み中に新規でマンションのシステムキッチンが3件割り振られていて、思わず溜息をつく。
「馬鹿建設の仕事が1件、馬場さんと仕事したくない……。後は瀬戸工コーポレ ーションが2件。
関東圏のマンション建設は年間200件ぐらいあり、タワーマンションは馬島工務店が実績数はNo.1だけど、マンション建設数の6割が今、瀬戸工コーポレ ーションが施工してる。
瀬戸工コーポレーションはカタログからシステムキッチンを選びオリジナル仕様を求めてこない。
それが横浜と銀座にタワーマンションを建築するにあたり、高級感を出すためにオリジナルシステムキッチンを依頼してきた。
「瀬戸工コーポレーションの設計士とインテリアプランナーが今日の10時に挨拶に来るから」
「……えっ、休み明け初日なのに」
設備機器デザイナー課の樋口課長に言われ、肩を落とす。
瀬戸工コーポレーションの建築予定のタワーマンションの外装と内装の画を見て、部屋に合うシステムキッチンをイメージする。
入社して6年目、肩書きは主任で女性デザイナーとして多くの仕事を任されてる。
いや、キャバオーバーの仕事を受けていて毎日早朝出勤深夜帰りのブラック企業に勤めてる社畜状態。
「1時間でイメージするなんてさすがに無理……」
顔合わせの名刺交換の挨拶で終わると思うけど、タワーマンションの外装と内装のイメージ画を渡されてる手間、こちらから提案をしないといけない。
なんとか高級仕様のカラーステンレスのL字型対面キッチンの設計デザインの提案書をパソコンで作成する。
なんとか10分前に出来上がり、関口課長に確認して頂いて、1階の受付に降り、瀬戸工コーポレーションの設計士とインテリアプランナーを待つ。
10時5分前に若い背の高い男性が2人、オフィスビルに入ってきた。
「瀬川さん、北島さん、お忙しいところお越しくださりありがとうございます」
関口課長が男性2人に話しかけた。
「うちの人気女性システムキッチンデザイナーの藤崎です。ひとまず応接室へ案内します」
関口課長がにこやかに2人と挨拶を交わす中、設計士と思われる男性と目が合い、焦る……。
小野海水浴場で出会って、アバンチュールなひとときを過ごした男性とこんな形で再会するとは思わなかった。
関口課長と瀬川さんと北島さんは先に応接室へ向かい、わたしはお茶を入れる為に休憩室に向かう。
そこで深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、お茶を入れお盆にのせ、応接室に向かった。
4回ノックして、部屋に入り、瀬川さん、北島さん、関口課長、自分用にお茶を配り、お盆を応接室の入り口に置いてある机の上に置き、関口課長の横の席まで行く。
「藤崎、挨拶をして」
「このたびシステムキッチンのデザイナーを任される事になりましたLIXRIの藤崎萌香と申します」
軽くお辞儀をしてから名刺は胸の高さで持ち挨拶をした。
瀬川さんに先に名刺を差し出し、その後に北島さんに差し出した。
「横浜と銀座に建築予定のタワーマンションの設計士を担当する事になりました瀬戸工コーポレーションの瀬川真斗です。これからよろしくお願いします」
瀬川さんから名刺を受け取る。
「インテリアプランナーを担当する北島遥希(きたじま はるき)です。よろしくお願いします」
北島さんも瀬川さんと同じぐらい好青年だった。
瀬川さんはどちらかといえば中性的な知的男性系で、北島さんは彫りが深いワイルド系。
正反対のハンサムな2人が並んでるのは絵になる。
自己紹介を終え、その後、システムキッチンの要望を伺った。
わたしのイメージと瀬川さんと北島さんが描いてたイメージがドンピチャで合っていて、設備や素材、カラーについての細かい仕様についてまで話が進んだ。
来週の金曜日にまた来客をされ、ミーティングを行う事になった。
関口課長と瀬川さんと北島さんをオフィスビルの外まで見送る。
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