貴方の子を産み育ててますが、結婚はお断りします

鳴宮鶉子

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地獄絵図な離婚騒動

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「伽音ちゃん、役所からこんな書類届いた!!」

年の瀬。
徹夜明けの疲労困憊な中、頼翔にご飯を食べさせ、幼稚園に連れて行れて行き、マンションに戻ると部屋のドアの前に青白い顔色した凛花ちゃんがいた。

手に持っている書類に目をやると、お知らせと書かれた離婚受理通知で、ご主人が役所に勝手に離婚届を提出したようだった。

凛花ちゃんのご主人が出て行って、半年になる。

「会社から年末調整の手続きで苗字変更するよう役所から連絡がきたとメール来てて、ポスト開いたら、これあって、……私、離婚されちゃったんだ」

家を出てしまったご主人の事をいまだに愛してた凛花ちゃん。

「離婚届に署名押印していないのに、相手に偽造されて勝手に提出された場合、離婚は無効になるよ。家庭裁判所に離婚無効の裁判を起こそう」

iPhoneを取り出し、離婚届を勝手に出された時にどうしたらいいかをWEB検索し、凛花ちゃんに伝える。

絶望感に苛まれて、表情が無くなり、涙を流し、座り込んでいる凛花ちゃん。

凛花ちゃんのご主人に会った事がないから人となりはわからない。
だけど、奥さんを放置して浮気相手に夢中になるような人で、浮気相手を妊娠するも躊躇なく中絶されてしまうような人だから、信用ができない最低最悪な人に思える。

離婚した方がいい人だと思う。
だけど、凛花ちゃんの気持ちがまだご主人にあるから、今は何を言っても無駄。
冷静に考えたら、ご主人と離婚した方がいいと分かるはず。
離婚騒動でご主人への愛情が無くなり、未練なく離婚できたらいいなと思う。

署名押印を勝手に偽造されている場合は、離婚意思の不存在の立証が比較的容易らしく、離婚案件に強い女性弁護士の間宮先生に依頼したのもあり、離婚の無効確認訴訟は直ぐに勝ちとれた。

「離婚届不受理申出を提出してたら、こんな事にはならなかったのに」

ご主人が話し合い無しに、離婚届を勝手に提出するとは思ってなかった凛花ちゃん。
心労で倒れ入院してる間に、私物を持ち出し出て行き、それ以降音無沙汰無しのご主人だから、私はやりかねないなと思ってた。

「ご主人、離婚届と婚姻届を同時に提出してた。重婚になるから後の婚姻は取消しになって、戸籍上はあなたが妻だけど、ご主人、離婚するためにあなたに接触してくるかもしれないわね」

家庭裁判所に離婚無効確認訴訟を起こしただけだから、ご主人に関する情報はわからない。

凛花ちゃんのご主人が、離婚要求に近いうちに来ると思ってた。
穏便に平和な話し合いですみますようにと、私は願ってた。



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