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逃げても無駄 side創志
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『美夢が居なくなった』
美夢が理人と京都の実家に帰省した週の日曜日の夕方。
理人からLINE通話がかかってきた。
通話に出ると慌てて早口に息切れをしてる理人から、美夢が実家に書き手紙を置いて居なくなったと連絡が来た。
手紙に《仕事を辞めたいからしばらく身を隠す》と書いてあったと聞き、肩を落とす俺。
美夢は、iPhoneを実家に置いて、財布だけ持って逃走したようだった。
警察に捜索願いを出し、それによって、銀行でお金を引き落とした際に実家に居場所が連絡行くそうだ。
でも、金曜日に窓口で300万円を引き落としてるから、しばらくは見つからないと思うと、理人が言っていた。
『須田、美夢と喧嘩でもしたか?』
「いや、してない。全く心当たりがない」
『草間達が、須田が美夢を社長室に閉じ込めて監禁してるって言ってけど、まじでやってたのか?』
「監禁??社長室で仕事はさせてたけど、閉じ込めては無い。確かに、遅い時間に1人で帰宅させるのが心配だから、裏の休憩部屋で寝泊まりさせてだけど…」
『監禁に近いだろ。俺、今から東京に戻る。親父とお袋が美夢の退職の手続きをするように言ってたけど、須田と美夢が恋人同士で痴話喧嘩でもしたんじゃ無いかって事にして話は濁した。美夢の気持ち次第では退職させる。そして、俺もおまえの会社から去るから。新幹線に乗るから切る』
監禁してるつもりは無い。
ただ、美夢をむやみに俺以外の他の男の目に触れさせたくなくて、社長室で仕事をさせていた。
大学卒業と共に、大学の友人達と【ドリームドア】を起業した。
俺がIT関連のポータルサイトを手がけ、理人がデジタルアートなどのイベントを引き受けて、草間が会社を管理運営とネットショッピングの出店先を探した。
言い出しっぺの俺が取締社長をし、理人と草間が取締役として会社運営をした。
会社運営をしながら、大学院に通っていて博士課程4年の秋に、大学のゼミに美夢が入ってきた。
一目惚れをした。
全身に電流が流れたような錯覚を
受け、美夢から目が離せなくなった。
美夢の苗字から、理人の妹と知り、俺の仕事の手伝いを理由に近づき、美夢にプログラミングなどの技術を教え込み、俺のサポート役として側に置いた。
美夢とは出会ってすぐに恋人同士になって、今まで俺なりに大切にしてきた。
何が不満だったのかわからない。
草間に事あるごとに、『美夢をもう少し自由にさせてやれ』とか『カゴの中の鳥状態で可哀想』と言われても、俺は美夢を大切にして、守ってるだけだった。
「須田、それは監禁だ。美夢は幼児じゃない。気晴らしに1人でショッピングとかしたい日もあるだろう。おまえ、重すぎ。そんな奴に、大切な妹は預けられないわ」
理人が東京駅に到着する時間に、草間も呼び出し、会社が入っているオフィスビル側の居酒屋のビックルームを予約して、美夢について話し合う事にした。
草間は管理運営の仕事をしてるのもあり、取締役室で仕事をしてる事が多い。
だから、俺と美夢の普段の様子をよく知っている。
俺が昼間はIT技術部で開発と社員教育をしてるため普段社長室にいない。
それで、社長室に美夢を1人で置いているのが不安で、美夢に何かあったらいけないから秘書に様子見という監視をさせてる。
それを草間が理人にバラした。
春に、美夢がふらっと社外に出て、半日帰ってこない事があった。
美夢がいない社長室に入り、美夢がいなくなる錯覚を受け、それ以降、俺の美夢に対する監視はエスカレートした気もする。
「美夢はバカじゃない。だから、少し1人旅して満足したら帰ってくると思う。ここに戻ってくるかはわからないけど」
理人が俺に呆れたといった目を向けていた。
理人に『美夢から連絡があったら話し合う場を設けて欲しい』と俺は頭を下げた。
理人は、美夢の兄だから『美夢しだい』、としか言わなかった。
美夢が俺の元に2度と帰ってこない気がして怖かった。
だから、美夢を俺が探し出し、話し合い連れ戻す事にした。
美夢が使っていたパソコンの消された履歴を復元し、美夢が検索をかけていたサイトから行き先を推測する。
パソコンでは仕事しかしてなくて、何もわからなくて、気を落とす。
俺の休憩室に、美夢がiPad置き忘れていた。
iPadはiCloudでiPhoneと繋がってる。
美夢のiPhoneのSafariを見て、美夢の計画はすぐにわかった。
美夢は北海道のどこかにいる
ものの15分で美夢の行動がわかった俺。
今すぐにでも、北海道に飛びたい。
でも、早く着きすぎると怪しまられるのと、北海道は範囲が広くて場所を突き止める事は難しいから、北海道の探偵事務所に連絡して、美夢の写真を送り探して貰う事にした。
美夢、逃げても、無駄だよ。
美夢が理人と京都の実家に帰省した週の日曜日の夕方。
理人からLINE通話がかかってきた。
通話に出ると慌てて早口に息切れをしてる理人から、美夢が実家に書き手紙を置いて居なくなったと連絡が来た。
手紙に《仕事を辞めたいからしばらく身を隠す》と書いてあったと聞き、肩を落とす俺。
美夢は、iPhoneを実家に置いて、財布だけ持って逃走したようだった。
警察に捜索願いを出し、それによって、銀行でお金を引き落とした際に実家に居場所が連絡行くそうだ。
でも、金曜日に窓口で300万円を引き落としてるから、しばらくは見つからないと思うと、理人が言っていた。
『須田、美夢と喧嘩でもしたか?』
「いや、してない。全く心当たりがない」
『草間達が、須田が美夢を社長室に閉じ込めて監禁してるって言ってけど、まじでやってたのか?』
「監禁??社長室で仕事はさせてたけど、閉じ込めては無い。確かに、遅い時間に1人で帰宅させるのが心配だから、裏の休憩部屋で寝泊まりさせてだけど…」
『監禁に近いだろ。俺、今から東京に戻る。親父とお袋が美夢の退職の手続きをするように言ってたけど、須田と美夢が恋人同士で痴話喧嘩でもしたんじゃ無いかって事にして話は濁した。美夢の気持ち次第では退職させる。そして、俺もおまえの会社から去るから。新幹線に乗るから切る』
監禁してるつもりは無い。
ただ、美夢をむやみに俺以外の他の男の目に触れさせたくなくて、社長室で仕事をさせていた。
大学卒業と共に、大学の友人達と【ドリームドア】を起業した。
俺がIT関連のポータルサイトを手がけ、理人がデジタルアートなどのイベントを引き受けて、草間が会社を管理運営とネットショッピングの出店先を探した。
言い出しっぺの俺が取締社長をし、理人と草間が取締役として会社運営をした。
会社運営をしながら、大学院に通っていて博士課程4年の秋に、大学のゼミに美夢が入ってきた。
一目惚れをした。
全身に電流が流れたような錯覚を
受け、美夢から目が離せなくなった。
美夢の苗字から、理人の妹と知り、俺の仕事の手伝いを理由に近づき、美夢にプログラミングなどの技術を教え込み、俺のサポート役として側に置いた。
美夢とは出会ってすぐに恋人同士になって、今まで俺なりに大切にしてきた。
何が不満だったのかわからない。
草間に事あるごとに、『美夢をもう少し自由にさせてやれ』とか『カゴの中の鳥状態で可哀想』と言われても、俺は美夢を大切にして、守ってるだけだった。
「須田、それは監禁だ。美夢は幼児じゃない。気晴らしに1人でショッピングとかしたい日もあるだろう。おまえ、重すぎ。そんな奴に、大切な妹は預けられないわ」
理人が東京駅に到着する時間に、草間も呼び出し、会社が入っているオフィスビル側の居酒屋のビックルームを予約して、美夢について話し合う事にした。
草間は管理運営の仕事をしてるのもあり、取締役室で仕事をしてる事が多い。
だから、俺と美夢の普段の様子をよく知っている。
俺が昼間はIT技術部で開発と社員教育をしてるため普段社長室にいない。
それで、社長室に美夢を1人で置いているのが不安で、美夢に何かあったらいけないから秘書に様子見という監視をさせてる。
それを草間が理人にバラした。
春に、美夢がふらっと社外に出て、半日帰ってこない事があった。
美夢がいない社長室に入り、美夢がいなくなる錯覚を受け、それ以降、俺の美夢に対する監視はエスカレートした気もする。
「美夢はバカじゃない。だから、少し1人旅して満足したら帰ってくると思う。ここに戻ってくるかはわからないけど」
理人が俺に呆れたといった目を向けていた。
理人に『美夢から連絡があったら話し合う場を設けて欲しい』と俺は頭を下げた。
理人は、美夢の兄だから『美夢しだい』、としか言わなかった。
美夢が俺の元に2度と帰ってこない気がして怖かった。
だから、美夢を俺が探し出し、話し合い連れ戻す事にした。
美夢が使っていたパソコンの消された履歴を復元し、美夢が検索をかけていたサイトから行き先を推測する。
パソコンでは仕事しかしてなくて、何もわからなくて、気を落とす。
俺の休憩室に、美夢がiPad置き忘れていた。
iPadはiCloudでiPhoneと繋がってる。
美夢のiPhoneのSafariを見て、美夢の計画はすぐにわかった。
美夢は北海道のどこかにいる
ものの15分で美夢の行動がわかった俺。
今すぐにでも、北海道に飛びたい。
でも、早く着きすぎると怪しまられるのと、北海道は範囲が広くて場所を突き止める事は難しいから、北海道の探偵事務所に連絡して、美夢の写真を送り探して貰う事にした。
美夢、逃げても、無駄だよ。
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