結婚目前で婚約破棄された私を救ってくれたのは、競合会社の御曹司でした

鳴宮鶉子

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気になっていた彼女と0日婚 side 優司

コロンウイルスの大流行で、外食チェーン・飲食業界とホテル・旅行業界は、ガクッと落ち込んだ。

「リゾートホテル、旅館、レジャー施設の運営はこの時代、理に適わない。可哀想だな」

経営赤字が深刻なツーリストイン。
時代にそぐわない経営をする父である社長と、時代にそう経営に変革させようとする会長と娘のお家騒動が話題になった。

不景気で物価も上がり、旅行やレジャーにお金をかける余裕はない。
一部の富裕層も財布の紐を締め、豪遊しなくなった。

そんな時代に、ラグジュアリーホテルとレジャー施設の建設に着手しようとするツーリストインの社長は、会社を倒産させようとしてるとしか思えない。

入社1年目の娘、藤坂灯里は会長と既存ホテルの修繕とサービス向上に努めていた。

御令嬢だからと派手な身なりをせず、常にリクルートスーツを着用。
黒、ネイビー、グレーの就職活動を行なっている学生の模範的な服装。

そんな彼女のフレッシュな可愛らしさにマスコミは目をつけ、密着取材などを行う。
彼女は嫌な顔をせずメディアに露出し、宣伝広告塔として話題性を味方につけた。

同じ業界だから、ツーリストインの経営に関するお家騒動は耳に入る。
結果は社長はお飾り社長となり、会長と娘が会社経営の舵を切る事になった。

それにより、赤字経営を脱し、経営立て直しに成功させた。


****

「ツーリストインの藤坂灯里さんですよね?隣の席、いいですか?」

接待できていたザ・リット・カールトン東京、最上階にあるTHE BAR。
VIPルームで商談を終え、カウンターで独り飲み直そうと思ったら、場所にそぐわないリクルートスーツ姿の若い女性がやけ酒をしているのが見えた。
一目見て、その女性が藤坂灯里だと俺はわかった。

「私、永峰優司と申します。ルポグループの代表取締役社長を務めています。貴方と話してみたいと思っていました。いいですか?」

彼女の隣の席に座り、名刺を渡す。
かなり酔いが回り、意識が朦朧としている藤坂灯里が、とろっとした瞳で俺を見上げた。
ビジネスなら自身の名刺を取り出し渡すところだが、それが行えないぐらい泥酔している。

「は……はい。ですが、私、今日、ツーリストインとは無関係の人間になりました」

2年前に祖父である会長が亡くなり、また、社長がやりたい放題している。
長年不倫関係だった女性と再婚した社長は、隠し子の娘をツーリストインの受付嬢に採用し、CMやポスターのモデルとして起用し、かなり品の悪い広告を流していた。

「……そうですか」

経営権が社長に戻り、無駄な施設の建築費と客離れによる経営悪化をなんとか抑えようと、藤坂灯里が旅行会社にツアー企画の依頼に足を運び、ビジネスホテルの集客を増やすために学会等へ営業に出向いたりしていると噂で聞いていた。
藤坂灯里のおかげで、なんとか会社が持ち堪えている状態だったのに、それに気づいてない社長は彼女を追い出した。


「婚約者を異母妹に奪われ、異母妹がその彼とツーリストインを継ぎます」

藤坂灯里に大学時代から交際している同級生の恋人がいる事は知っていた。
大学卒業後、ツーリストインに就職し、彼女を支えていたと聞く。

「恋人と仕事を失いました。……これから、私、どうやって生きていけばいいんでしょうか」

大きな瞳から、涙が溢れる落ちる。
雪のように白い肌、ふっくらとした小さな唇、俺好みの顔立ちに見つめられ、胸が射抜かれてしまった。

「俺のとこにこないか。俺の奥さんになって、ルポグループの代表取締役副社長になって欲しい」

同じ業界とはいえ、ツーリストインは業績的に競合会社に値しない。
だが、同じ同族企業で気になる会社ではあった。

フレッシュな御令嬢の藤坂灯里の活躍が気になり、業界紙や広告代理店の営業から情報を仕入れていた。

会った事もない彼女に、惹かれていた。

「……私でいいんですか?」

「灯里がいい。俺と結婚してくれ!!」

傷心している彼女の手に、俺の手を添える。
自暴自棄に陥っている彼女は俺をすぐに受け入れた。

宿泊する部屋に俺を招き入れ、抱きついてきた彼女に対し、理性が飛び、彼女を抱き潰す。

苦労してきた彼女の体は壊れそうなくらい華奢で、庇護欲を駆られた。
全身に舌を這わせ、俺の物と紅い跡をつけていく。

「灯里、俺の子供を産んで、一緒に育ててくれる?」

「……はい」

避妊を行わず、何度も彼女の胎内に爆ぜる。
灯里を俺の奥さんにして、傍に置きたい。

翌朝起きた彼女は昨夜の事を全て忘れていたが、逃げないよう言い包め、婚姻届にサインをさせ、結婚式も挙げた。

それほどまでに、彼女が欲しかった。
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