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産婦人科にヘルプで涙
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「愛花、明日から2か月、産婦人科にヘルプで入ってくれないか?外科手術には回されないよう、手を打つから」
産婦人科は女医さんが多い。
3人同時に産休に入り、代替医師の補充が1人しか見つからず、ヘルプ要請で産婦人科医をする事に。
大学病院の産婦人科。
リスクのある妊婦さんが多数、受診する。
そして、不妊治療で受診する患者さんもいる。
「……今週期も、だめでしたか」
28歳から不妊治療を始め、10年間、子供を授かる事ができずにいる患者さんの眞部さんの診察にあたり、どう対処したらいいかわからず、かける声に悩む。
顕微鏡受精でできた胚盤胞は4BB、妊娠するために食生活に気をつけ、温活を心がけている。
夫婦染色体検査は問題ない。
遺伝子の過不足がある均衡型転座(相互転座およびロバートソン型転座)はない。
何度か胚盤胞を着床前診断(PGT-A)していて、そのデータをみると、トリソミーもなく、初期流産する理由がわからない。
『PGT-Aだけではわからない。染色体の数の異常(異数性)についてしか、わからないからな』
子供は授かりものとよくいうが、授かれない苦しみは相当な苦しみ。
「安達クリニックに転院したら、速度、妊娠させる自信、あるけどな」
違法治療と思われる治療をしてるからなっと、脳裏で呟く。
ポリジェニックスコア検査必須でPGT-Aだけなら5万ですむとこが25万かかってしまう。
不妊治療を長くしている眞部さんには痛すぎる出費で躊躇すると思う。
それだけではない。
安達クリニックはセレブ御用達だから、診療費のベースも高すぎる。
****
「愛花ちゃん、院長と副院長の血をひいてるから、手術、完璧だよ!!ここにいる医師の中でピカイチだよ!!」
ママから外科手術には回されないと言われたのに、不可抗力で日に1~2回、トリソミー疾患のある超超未熟児の帝王切開からの内臓修復手術に駆り出された。
現場を退いでもおかしくないママと一輝おじさんが、救急対応で新生児外科手術を執刀している。
「22週満たない500g以下の新生児手術はキツイな」
74歳になる一輝おじさん。
さすがに外科手術は体力的にキツくなってきたらしい。
日に5~7人、超超未熟児の内臓修復のオペが行われている。
22週までは堕胎が許される月齢だから、緊急帝王切開からの生きるための内臓修復手術を行うか、生存率などを考慮すると難しい。
『両親が赤ちゃんに生きて欲しいと願うなら、私達は最善を尽くすだけ』
ママと一輝おじさんの事を尊敬する。
ハイブリッド手術室で緊急帝王切開で母体から取り出し、臍の緒がついたまま、鼻孔開放術を行い鼻腔内に挿管チューブを入れ、経鼻的にレーザーを用いて両側後鼻孔開放術を行い、吸引チューブをステントとして留置し、経鼻呼吸、経口哺乳できるようにし、高酸素をチューブから入れ込み、臍の緒を切断、までが産婦人科医の勤めだけど、カテーテル手術で心房中隔欠損症と大動脈ステントグラフトを行うなど、わかる範囲で治療に立ち合う。
『愛花、オペセンスあるじゃん!!』
有馬先生のオペの第二執刀医を任される事が多く、時に罵声を浴びせられながらも超超未熟児の命を救っていった。
一輝おじさんと同じ、新生児外科医になって、産まれてくる子供の命救いたいと思った時期もある。
だけど、治療のための入院や通院、運動制限で高度範囲を制限され、それでも長く生きれない運命に、立ち合う覚悟が持てず、研究医として医学に貢献する道を選んだ。
2か月後に産休をとっていた女医さん達が復職し、大学院でのひたすら研究する日常に戻る。
遺伝子疾患だから、成長段階での細胞分裂で疾患がでてしまう。
入退院とキツい投薬をしながら生きていかないといけないトリソミー疾患の患者さんに寄り添うのは辛過ぎた。
「将生くん、胚盤胞のトリソミーゲノム編集って、早く認可降りないかな?」
胚盤胞時点ではトリソミーは治療できる。
トリソミーで苦しむ子供を受精する段階で治療する方法を確立し、遺伝子編集で彼らを助けたいと思った。
産婦人科は女医さんが多い。
3人同時に産休に入り、代替医師の補充が1人しか見つからず、ヘルプ要請で産婦人科医をする事に。
大学病院の産婦人科。
リスクのある妊婦さんが多数、受診する。
そして、不妊治療で受診する患者さんもいる。
「……今週期も、だめでしたか」
28歳から不妊治療を始め、10年間、子供を授かる事ができずにいる患者さんの眞部さんの診察にあたり、どう対処したらいいかわからず、かける声に悩む。
顕微鏡受精でできた胚盤胞は4BB、妊娠するために食生活に気をつけ、温活を心がけている。
夫婦染色体検査は問題ない。
遺伝子の過不足がある均衡型転座(相互転座およびロバートソン型転座)はない。
何度か胚盤胞を着床前診断(PGT-A)していて、そのデータをみると、トリソミーもなく、初期流産する理由がわからない。
『PGT-Aだけではわからない。染色体の数の異常(異数性)についてしか、わからないからな』
子供は授かりものとよくいうが、授かれない苦しみは相当な苦しみ。
「安達クリニックに転院したら、速度、妊娠させる自信、あるけどな」
違法治療と思われる治療をしてるからなっと、脳裏で呟く。
ポリジェニックスコア検査必須でPGT-Aだけなら5万ですむとこが25万かかってしまう。
不妊治療を長くしている眞部さんには痛すぎる出費で躊躇すると思う。
それだけではない。
安達クリニックはセレブ御用達だから、診療費のベースも高すぎる。
****
「愛花ちゃん、院長と副院長の血をひいてるから、手術、完璧だよ!!ここにいる医師の中でピカイチだよ!!」
ママから外科手術には回されないと言われたのに、不可抗力で日に1~2回、トリソミー疾患のある超超未熟児の帝王切開からの内臓修復手術に駆り出された。
現場を退いでもおかしくないママと一輝おじさんが、救急対応で新生児外科手術を執刀している。
「22週満たない500g以下の新生児手術はキツイな」
74歳になる一輝おじさん。
さすがに外科手術は体力的にキツくなってきたらしい。
日に5~7人、超超未熟児の内臓修復のオペが行われている。
22週までは堕胎が許される月齢だから、緊急帝王切開からの生きるための内臓修復手術を行うか、生存率などを考慮すると難しい。
『両親が赤ちゃんに生きて欲しいと願うなら、私達は最善を尽くすだけ』
ママと一輝おじさんの事を尊敬する。
ハイブリッド手術室で緊急帝王切開で母体から取り出し、臍の緒がついたまま、鼻孔開放術を行い鼻腔内に挿管チューブを入れ、経鼻的にレーザーを用いて両側後鼻孔開放術を行い、吸引チューブをステントとして留置し、経鼻呼吸、経口哺乳できるようにし、高酸素をチューブから入れ込み、臍の緒を切断、までが産婦人科医の勤めだけど、カテーテル手術で心房中隔欠損症と大動脈ステントグラフトを行うなど、わかる範囲で治療に立ち合う。
『愛花、オペセンスあるじゃん!!』
有馬先生のオペの第二執刀医を任される事が多く、時に罵声を浴びせられながらも超超未熟児の命を救っていった。
一輝おじさんと同じ、新生児外科医になって、産まれてくる子供の命救いたいと思った時期もある。
だけど、治療のための入院や通院、運動制限で高度範囲を制限され、それでも長く生きれない運命に、立ち合う覚悟が持てず、研究医として医学に貢献する道を選んだ。
2か月後に産休をとっていた女医さん達が復職し、大学院でのひたすら研究する日常に戻る。
遺伝子疾患だから、成長段階での細胞分裂で疾患がでてしまう。
入退院とキツい投薬をしながら生きていかないといけないトリソミー疾患の患者さんに寄り添うのは辛過ぎた。
「将生くん、胚盤胞のトリソミーゲノム編集って、早く認可降りないかな?」
胚盤胞時点ではトリソミーは治療できる。
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