婚約破棄されたわたしにエリート同期が愛を捧ぐ

鳴宮鶉子

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婚約破棄された女

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婚約破棄をされてから3ヶ月が経った。
わたしの元婚約者と親友は、わたしと元婚約者が挙げる予定だった結婚式場で挙式をし、元婚約者はゼミ仲間や教授を式に呼ぶ……という下衆っぷりをみせた。
わたしに同情し、誰も参列はしなかった。
ただ、花嫁が入れ替えてそのまま挙式を挙げた元婚約者の神経に、別れて正解だったと思った。

「藤宮さん、飲みに行こう!!」

「ありがとう。でも、このプログラム、早目にかきあげたいからごめん。誘ってくれてありがとう!!」

婚約破棄され、親友も失い、会社の同僚や同期、大学時代の友人達から金曜日の夜と週末に、飲みや遊びに誘われた。
でも……哀れみの目で見られてるのが苦痛で、1人でいたくて、丁重にお断りする。

「東條教授、お世話になります」


ーー 東京大学工学部東條教授研究室

東京大学がある本郷に日望のAI開発研究室がある。
週に1~2回、お世話に大学時代にお世話になった東條教授の元へ行く。

「藤宮ちゃん、よくきた」

現在、東條教授と介護ロボットの開発を進めてる。

「ボケ防止に雑談できる機能をつけてみた!!」

人に近いAIロボットを開発するのが教授の夢で、ドラ●もんを作る事が子供の頃の夢だったらしく、レジロボットに天気の話をさせる機能をつけたりして、かなりの破天荒な発想に時に困ったりする。

介護ロボットにしりとりやあやとりをさせる機能は必要なのか……。

日望製作所でAIロボットシステム開発エンジニアとして働き始めて2年。
卒業をしてからも大学のゼミに顔を出し、教授に手を貸して貰いAIロボットを手がける。
この2年間にレジスタッフロボットと多言語を話す観光スタッフロボットのシステムを開発した。

「……おい、藤宮。しりとり機能とあやとり機能はいらないだろ!!」

社に戻り、同期で上司な遠坂課長に持ち帰った看護ロボットのシステムを見せ、言われた。

ハーバード大学の大学院を修了したこの男は世界的快挙を成し遂げた【医療オペロボット エジソン】を開発した。
ソフトだけでなくハードにも詳しく、頭の良すぎる遠坂には冗談やユーモアは伝わらない……。

「看護ロボットにしりとり機能とあやとり機能はいらねぇー。東條教授に削除するよう言っとけ!!」

当たり前の結果だけど、東條教授のおふざけな機能は受け入れられなかった。


「藤宮さんって、日本のAIシステム権威の東大の東條教授とできてるんでしょ。
それで、カモフラージュで交際してた恋人と結婚する事になったけど恋人が最後の最後に逃げ出した。
学歴があって、しかも見た目が極上級。
教授ってバツイチで独り身だから、そろそろ勃たなくなって看護始まるね。
……だから、看護ロボットの開発始めたのか!!」

ーー 女子トイレ
個室に入っていたら、同じAIシステム開発部の事務スタッフが2人入ってきて、わたしに対する本音を話し出した。

「東條教授って、58歳だよねーー!!わたし、無理だわ。そんなおっさん」

「だから、カモフラージュといって、別に恋人を作って結婚しようとしたんじゃない」

「藤宮さん、結婚直前にその恋人から逃げられて、可哀想な気もするけど、自業自得だよね。
東條教授と結婚して、おっさんに抱かれて看護生活に早く突入したらいい」

わたしに対する陰口で盛り上がり、その後、女子トイレから出て行った。

この2人……さっきわたしを飲みに誘ってくれた子達で、わたしに同情して気づかいをする素振りを見せながら、陰でわたしを嘲笑ってる。

だから、誘いに乗らなかったのもある。

東條教授に目をかけて頂いてるのは確かだけど、東條教授とはそういう関係はない。
たまにご飯をご馳走になったりはする。
でも、東條教授は紳士的でわたしを娘のように可愛がって下さるだけで、そう言う関係になった事はない。

元婚約者からわたしが教授の口添えで大企業の日望でAIシステム開発エンジニアになった事に対して妬まれてた。
元婚約者は名の知れないベンチャー企業の小さな会社でAIシステム開発エンジニアをしてた。

礼香は、わたしの幼馴染でおっとりした可愛い系の子で、高校を卒業するまでわたしの隣に常にいた親友だった。

東大の工学部には女子生徒は少なく、それもあり、礼香が誘ってくれるからとよく女子会をしたりショッピングをしてた。

だから、元婚約者の和馬に紹介して、時々、3人でご飯を食べに行ったりもしてた。

短大卒の礼香は1年前に和馬の勤めてる会社に転職した。
親友だと思っていたけど、礼香にわたしは結婚式直前に恋人を寝取られた。


「-- 頭がいたい!!」

「なら、とっとと帰れっ」

金曜日の21時。
週末の金曜日は納期間際でなければ大抵の人は終業後、足早に帰っていく。
わたしだけが残ってると思ってたら、遠坂課長は残ってた。

遠坂課長は、現在、内視鏡癌探査ロボットを開発しているらしく、東京大学医学部に毎日足を運び、ロボットのプログラムに癌についての莫大なデータを入力していってる。

「……藤宮、仕事を切り上げろ。飲みに行こう」

「……えっ!!」

「婚約破棄されて1人寂しい金曜日を付き合ってやるって言ってんだ。
さっさとパソコンの電源を落として、机の上を片付けろ!!」

婚約破棄された寂しい女かもしれないけど、毒舌な遠坂課長と2人で飲みにいくなんて嫌だ!!と顔でリアクションしても、睨まれ、言われた通りに帰る仕度をした。

そして……、遠坂課長とオフィスビルを出た。





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