カモフレ

鳴宮鶉子

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セフレ……一線を超えてしまった

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就寝前、わたしの体中に手を這いずり回り触りながら、濃厚なキスをしてくる理人……。

体を触る事は許可してない。
なのに、理人はパジャマの上から胸やお尻、脚を触る。

キスは服から出てる範囲だけするから、首筋に赤いバラが多数咲いてる。

文句を言うと、パジャマの上のボタンを外し、ブラからはみ出た胸の谷間に赤いバラを咲かせようとしたから足蹴りした。

「調子に乗るな!!限度が超えてる!!」

理人に愛されてるのではと勘違いしてしまうぐらい、理人はわたしを溺愛してる。

理人はわたしに「カモフレになろう」と言った。
だから、好きだとか愛してるとかでなく、愛でる彼女という存在が欲しくて、その彼女にわたしが選ばれただけ。

同棲を始めて1ヶ月半が経った。

「クリスマスイブ、銀座のプリンセスホテルの最上階にあるソレイユでディナーの予約を取ったから」

クリスマスイブの1週間前の就寝前に言われた。しかも、スイートルームも予約したと嬉しそうに言われた。

「……わたし達、カモフレなんだからね。わかってる!!」

わたしをベッドに組み敷き、当たり前のようにわたしの胸の谷間に顔をうずめる感触を楽しんでる理人に言った。

「……わかってる。クリスマスぐらい恋人気分を味あわせて」
と、唇を唇で塞がれ、すぐに舌を差し入れられ、とろけるようなキスに酔わされる。

カモフレはデートする関係のはずなのに、添い寝とキスまでされてる。

クリスマスイブの日。
クリスマスイブの日に残業したくないから先輩がズル休みし、新規の物件のヒアリングをわたしが行くはめになった。
しかも、仕事が立て込んでいて営業と2人で行かないといけなくて、その営業が永岡主任で気まずくてならない。

仕事だから仕方がない。
午後3時からのアポで社用車の助手席に乗り込み、永岡主任の運転でクライアント先へ向かう。
先輩がシステムの提案に関して何も作ってなくて、助手席でノートパソコンを開いて、即席で依頼されたwebサイトを作る。

片道1時間、永岡主任と会話はなかった。

代理の物件だったけど、わたしが引き受ける事になり、納期は3月末だから余裕はあるけど退職を決めてるからあまり仕事を抱え込みたくないわたしはため息をつく。

帰りの車内、少しでも仕事を終わらせたくて、ノートパソコンで依頼されたwebサイトの枠組みだけ作成していく。

ふと、顔を上げて景色を見ると、行きとは違う道を走っている事に気づく。
会社に着いておかしくない時間なのに、なぜか山道を走ってた。

「……永岡主任、どこに向かってるんですか!?」

「……2人きりになれて、あいつがすぐに駆けつけれないとこ」

19時半にディナーを予約してるのに、時計の針を見たら18時過ぎていて、ここがどこかわからない状態で、頭の中が混乱した。

iPhoneを取り出して、理人に
LINEしようとしたらiPhoneを永岡主任に奪われた。

「俺を蔑ろにした罰を受けろ」

どこかわからない山奥のキャッスルみたいなホテルの駐車場に車を入れ、わたしを助手席から無理矢理手を引いて出し、適当に部屋を取り、嫌がるわたしを連れて行った。

泣きながら嫌がるのをホテルのフロントの人は声だけ聞いてるのに助けてくれない。

永岡主任に抱かれるのは嫌だった。

高専時代、IT関連の資格取得と学校経由のアルバイトでHP作成や簡単なシステム開発のアルバイトをしていて、恋人を作らなかった。
神崎テクノロジーに入社してからも多忙で深い仲になる恋人はいなかった。

永岡主任にベッドに押し倒されて無理矢理舌を入れ込まれキスをされ、スーツとブラウスのボタンを外され、露わにされた胸を掴まれる。

怖くて、気持ち悪かった。
理人に『助けて』と心の中で叫んだ。


右胸を口に含まれ、足の付け根の窪みに指を入れられ、恐怖に震える。

「……永岡主任、無理矢理はどうかと思いますよ!!」

理人がフロントの人に鍵を開けて貰って入ってきた。

永岡主任がわたしに離れた瞬間に、わたしは乱れた半裸な服装のまま理人の所に駆け寄る。

「舛岡さんの所に言って吐かせた。永岡主任が一花と2人きりでヒアリングに行ってラブホに連れ込もうとしてるって」

「1ヶ月半付き合ってたのにお預けを食らったんだ。1度ぐらい抱いてもいいだろ!!」

「ふったのは永岡主任ですよね。一花に執着しないで下さい。次にこういう事をしたら警察と会社に通報しますから」

そういうと理人がさはわたしのカバンを持ち部屋から出て、わたしの乱れた服を整え、ラブホから出て待たせていたタクシーの後部座席に乗り込んだ。

「怖かったな……」
と震えるわたしを抱きしめてくれる理人の胸の中で、わたしは大粒の涙を流した。

タクシーでそのまま銀座のプリンセスホテルに向かい、クリスマスディナーを楽しむ。
気持ち的に食べる気は起きなかったけど、見た目も味も抜群な料理を一口口に入れるとついつい全部口の中に入れてしまい、完食してた。

「……今日は、俺と一緒に寝るの怖いだろ。ここのスイートルームで1人でゆっくりして」
と、食事を終えて、理人にカードキーを渡された。

「……理人と一緒にいたい。そばにいて」

理人と一緒に、1つ下の階にあるスイートルームに入り、入ってから理人にわたしは抱きついた。

「……理人に抱かれたい」

永岡に触られ、唇で首筋や胸を犯された体を理人が上書きしてくれた。

わたしが気にするから、一緒にスイートルームの大理石でできたバスタブに湯をため、体を洗ってくれて体を清めてくれて、一緒に使った。

湯あたりするぐらいの長い時間、バスタブの中で舌を絡め合うキスをした。

そして、バスルームから出て、体を拭かれて寝室に連れて行かれ、全身に口づけをされ、わたしの中に、熱い熱を割り入れた。

感じて潤っていたわたしの窪みだったけど、初めての行為はやはり痛くて、涙した。

「一花、初めてなんだ。嬉しい。痛かったら、言って」

と言いつつ、何度もわたしの中に果て、腰を振り続けた。
避妊具を1箱使い切り、諦めてわたしを抱きしめて眠りについたけど、まだ治らないのか朝起きてシャワーを浴びてモーニングを食べて帰るとすぐにわたしを押し倒し、土曜日のクリスマスの昼間はベッドの上にいた。
でも、夜はイルミネーションを見に行き、六本木の鉄板焼きの名店に連れて行って貰って、美味しい肉と海鮮とお酒を堪能し、そして、マンションに帰りひたすら体を繋げた。


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