8 / 10
7
しおりを挟む
須賀さんが渡米して半年が経った。
毎月、補佐の笹部さんと社報紙に載って、仕事面で活躍活躍をしているのをみると、彼の隣にいるのが自分で無い事の悲しさと嫉妬心で、心が乱れて、仕事がままならない日々を過ごしていた。
大規模農地を開拓して、新たにシティを作るプロジェクトを任されるなんて、彼の創り出す建築物の素晴しさは公共を超え世界に通用する。
この業界の最先端を行く才能のある人の側で建築について学べた事は幸運だった。
須賀さんがいない寂しさを埋めるために、実務経験がいる理由でとれなかった資格試験の勉強をし受験をした。
資格試験は9月、10月にあり、資格に関しては合格した。
一級建築士の資格を習得した事で出世コースの案件を扱う須賀さんがいた部署に異動になった。
大規模な仕事も請け負うようになり、会社からの評価も上がった。
でも、クライアントから受けた建物を上手く巧くイメージができず、採用はされても自分の中で思い描く建築物にならなくて、葛藤した。
彼がいた部署に異動した事で、彼の活躍を小さな事から大きな事まですぐに耳に入る。
同じ大学同じゼミ出身の同期入社という情報は履歴書でわかる事で、いくら社内で距離をあけててもわかる事で、彼の学生時代の事を聞かれた。
わたしの描くスケッチや図面が彼から教わった事も似ている事からも、男女関係が有る無しは関係なく付き合いがある事は分かるだろう。
わたしは、敢えて話を濁し、単なる後輩と誤魔化した。
とにかく、請け負ったプロジェクトに集中した。
月日の流れは早く、気がつくと12月になっていた。
クリスマス。
須賀さんから、わたしが伝えたいわけではないのに資格取得と出世コースの部署に異動した事に対するお祝いのメッセージと共にクリスマスプレゼントが届いた。
須賀さんの仕事は、須賀さんがアメリカにいる事を知った須賀さんのファンから依頼が殺到し、カシマ建設としても業績を上げたいからと請け負いかなり多忙になってるようだ。
そのせいか、毎日届いていたメッセージは、朝日の写真のLINEのみになり、わたしの方からは《既録》がつくのみで返事の写真やスタンプを押さなかった。
クリスマスプレゼントの中身はビトンのバッグとティファニーのネックレス。
彼から毎年ネックレスを貰い、普段使いで身につけていて、それがペットの猫につける首輪の様に思い、彼に飼われてると思ってしまうようになり、このプレゼントが届いてからはネックレス自体を身につけなくなった。
年始年末の休暇に入った。
実家でのんびりしようと旅行バックに服類を詰め込んでいると、玄関の鍵が開く音がした。
そして、ドアが開いたと思うと、少し痩せてやつれた疲れた顔をした須賀さんが立っていた。
アメリカも年始年末は5日間長期休暇があり、仕事を調整して休みを1日前倒して一時帰国して来たようで、わたしが玄関に駆けつけると抱きしめた。
「ただいま。元気だったか?」
抱きしめてたのを離し、わたしの顔を見て言った。
事前に聞いてなくて急に帰って来てびっくりした。
「佐倉、ゴメン。アメリカに行ってからあまり寝れてない。眠い、添い寝して」
須賀さんがわたしの手を引き、寝室へ向かい、わたしの狭いシングルベッドに寝転びわたしの手を引き抱きしめて目をつぶった。
わたしも、昨日は定時退社で早目に帰宅できたけど、多忙な日々で睡眠不足な生活が習慣になり不眠症になっていた。
だからか、睡眠時間が足りなかった事もあり、大好きな須賀さんの匂いで安心して一緒に眠りについてしまった。
毎月、補佐の笹部さんと社報紙に載って、仕事面で活躍活躍をしているのをみると、彼の隣にいるのが自分で無い事の悲しさと嫉妬心で、心が乱れて、仕事がままならない日々を過ごしていた。
大規模農地を開拓して、新たにシティを作るプロジェクトを任されるなんて、彼の創り出す建築物の素晴しさは公共を超え世界に通用する。
この業界の最先端を行く才能のある人の側で建築について学べた事は幸運だった。
須賀さんがいない寂しさを埋めるために、実務経験がいる理由でとれなかった資格試験の勉強をし受験をした。
資格試験は9月、10月にあり、資格に関しては合格した。
一級建築士の資格を習得した事で出世コースの案件を扱う須賀さんがいた部署に異動になった。
大規模な仕事も請け負うようになり、会社からの評価も上がった。
でも、クライアントから受けた建物を上手く巧くイメージができず、採用はされても自分の中で思い描く建築物にならなくて、葛藤した。
彼がいた部署に異動した事で、彼の活躍を小さな事から大きな事まですぐに耳に入る。
同じ大学同じゼミ出身の同期入社という情報は履歴書でわかる事で、いくら社内で距離をあけててもわかる事で、彼の学生時代の事を聞かれた。
わたしの描くスケッチや図面が彼から教わった事も似ている事からも、男女関係が有る無しは関係なく付き合いがある事は分かるだろう。
わたしは、敢えて話を濁し、単なる後輩と誤魔化した。
とにかく、請け負ったプロジェクトに集中した。
月日の流れは早く、気がつくと12月になっていた。
クリスマス。
須賀さんから、わたしが伝えたいわけではないのに資格取得と出世コースの部署に異動した事に対するお祝いのメッセージと共にクリスマスプレゼントが届いた。
須賀さんの仕事は、須賀さんがアメリカにいる事を知った須賀さんのファンから依頼が殺到し、カシマ建設としても業績を上げたいからと請け負いかなり多忙になってるようだ。
そのせいか、毎日届いていたメッセージは、朝日の写真のLINEのみになり、わたしの方からは《既録》がつくのみで返事の写真やスタンプを押さなかった。
クリスマスプレゼントの中身はビトンのバッグとティファニーのネックレス。
彼から毎年ネックレスを貰い、普段使いで身につけていて、それがペットの猫につける首輪の様に思い、彼に飼われてると思ってしまうようになり、このプレゼントが届いてからはネックレス自体を身につけなくなった。
年始年末の休暇に入った。
実家でのんびりしようと旅行バックに服類を詰め込んでいると、玄関の鍵が開く音がした。
そして、ドアが開いたと思うと、少し痩せてやつれた疲れた顔をした須賀さんが立っていた。
アメリカも年始年末は5日間長期休暇があり、仕事を調整して休みを1日前倒して一時帰国して来たようで、わたしが玄関に駆けつけると抱きしめた。
「ただいま。元気だったか?」
抱きしめてたのを離し、わたしの顔を見て言った。
事前に聞いてなくて急に帰って来てびっくりした。
「佐倉、ゴメン。アメリカに行ってからあまり寝れてない。眠い、添い寝して」
須賀さんがわたしの手を引き、寝室へ向かい、わたしの狭いシングルベッドに寝転びわたしの手を引き抱きしめて目をつぶった。
わたしも、昨日は定時退社で早目に帰宅できたけど、多忙な日々で睡眠不足な生活が習慣になり不眠症になっていた。
だからか、睡眠時間が足りなかった事もあり、大好きな須賀さんの匂いで安心して一緒に眠りについてしまった。
15
あなたにおすすめの小説
恋色メール 元婚約者がなぜか追いかけてきました
國樹田 樹
恋愛
婚約者と別れ、支店へと異動願いを出した千尋。
しかし三か月が経った今、本社から応援として出向してきたのは―――別れたはずの、婚約者だった。
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
溺愛のフリから2年後は。
橘しづき
恋愛
岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。
そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。
でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
五年越しの再会と、揺れる恋心
柴田はつみ
恋愛
春山千尋24歳は五年前に広瀬洋介27歳に振られたと思い込み洋介から離れた。
千尋は今大手の商事会社に副社長の秘書として働いている。
ある日振られたと思い込んでいる千尋の前に洋介が社長として現れた。
だが千尋には今中田和也26歳と付き合っている。
千尋の気持ちは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる