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この年始年末は実家に長く帰省するつもりが全く帰れなかった。
須賀さんが仕事を投げ出して日本に帰国し、それを年末に一晩徹夜でやり遂げ、その疲れでまた元日の昼過ぎまでまた2人で深い眠りについてしまった。
だから、実家に緊急の仕事で帰れなくなったと伝えた。
アメリカの営業部は人の力量や限界を考え座る無理難題な量を取れるだけ取って、設計士に仕事を投げる。
須賀さんが逃げたくなる理由がよくわかる。
しかも、わたしからの連絡が少ないからわたしが須賀さんから離れて行くという不安で仕事をほって会いに来るとは思わなかった。
変な意味でなく寝てばかりいて、でも、お互い今まで寝不足だったから、睡眠時間を充電できて良かった。
ただお互いの体温で温もり眠るのがこんなに気持ちが良くて幸せな事とは思わなかった。
休み明けの1月4日。
斎藤係長からの電話を須賀さんがとった事で、わたしが須賀さんといた事がバレてしまった。
大学のゼミ仲間と集まっていたと誤魔化せばいい。
2日の夕方の須賀さんはアメリカにたった。
たたせたが正しいかもしれない。
オフィスにつくと部署のみんなが何かを聞きたそうな顔をしていましたが気づかないふりをしてパソコンの電話を入れて仕事に取り掛かる。
須賀さんから
『佐倉のことを愛している。佐倉がそばにいないと俺は何も手がつかなくなる』
と言われた。あいまいな関係だったけど、須賀さんはわたしを愛してたとわかり嬉しかった。
赤ちゃんを作って既成事実を作ろうとした話を聞くとかなり呆れたけど、彼はわたしが離れていかないようにする方法を教えた故のとんでもない思考だったんだと思った。
とはいえ、入社してまだ3年。
まだ仕事を頑張りたいと思う。
しばらくは須賀さんはアメリカ駐在になるから離れ離れになるし、年末に一緒に仕事をし彼のレベルには到底敵わない彼に自分に情けなかった。
彼に多少は近づけた気がしていたけど、差は開く一方だったのかもしれない。
「佐倉さん、年末はありがとう」
斎藤さんがわたしに近づいてきた。
アメリカ営業部に提出したデータを一応斎藤係長にも送っていた。
「大学のゼミの先輩の尻拭いなので気になさらないで下さい。先輩のせいでご迷惑をおかけしました」
先輩と後輩の関係という位置付けを強調して話を終わらせようと試みた。
「須賀さんはアメリカに帰った?」
「さあ?帰ったんじゃないですか?」
上司に失礼な態度になるけど、忙しいと思わせたくて、パソコンで仕事をしながら適当に受け答えをする。
年末年始の須賀さんの逃亡でわかった事実。
須賀さんがアメリカに渡ってアメリカ支部の業績が例年の10倍以上を出し、その成果の大半は彼が手がけた仕事で彼が人の20倍ぐらいの量の仕事を手がけた事がわかった。
誰でも逃げたくなるよね…。
須賀さんは大学時代に短期留学でアメリカとイタリアとフランスに行って建築デザインの仕事に関わっていたから仕事関係の会話は問題無いからと、翻訳補佐でなく優秀な建設デザインの仕事を任される補佐を上司に求めた。
そして、わたしが4月に須賀さんがいるアメリカに駐在する事が決まった。
アメリカ営業部からわたしが指名された。
年末の彼の尻拭いの仕事を全てわたしが手がけたと勘違いされたようだ。
須賀さんとはこまめに些細な事をLINEで報告しあってる。
アメリカ駐在にわたしが指名された話は知らなかったようで彼はかなり喜んでいるようで、4月にわたしと同じアパートになるように引っ越そうとしている。
かなり多忙な日々を過ごしてるはずなのに…。
アメリカに渡り、須賀さんとペアで仕事に明け暮れる日々。
大学時代のゼミ室での楽しかった日々がまた訪れたように充実した日々を送った。
営業部からの無茶振りな仕事請け負いも須賀さんがアメリカに渡ってから3年目になると落ち着き、元々の目的だった新シティも完成した。
なので、やっと1月に帰国が決まり本部に戻ることになった。
須賀さんはまさかの部長として建築部に栄転で、わたしは産休…。
帰国後に籍だけ入れて、3月に出産予定になる。
年齢的にそろそろ子供が欲しいと思っていた。
須賀さんはかなり喜んでいた。
子供が産まれたら、半年育休をとり、また建設デザイン課で短時間勤務で勤めるつもりです。
須賀さんとの関係が付き合ってるのか、世話係なのか、悩んでた時期があった。
世話係でもそばにいられるだけで幸せだった。
遠距離になり、世話係ができず、仕事も上手くいかなくて、彼との離別を考えてた。
でも、また生活面も仕事面も彼の側でサポートしてる。
この関係はきっと、どちらかがこの世と違う世に逝くまで続くと思う。
その日までわたしは、彼と寄り添っていきたい。
須賀さんが仕事を投げ出して日本に帰国し、それを年末に一晩徹夜でやり遂げ、その疲れでまた元日の昼過ぎまでまた2人で深い眠りについてしまった。
だから、実家に緊急の仕事で帰れなくなったと伝えた。
アメリカの営業部は人の力量や限界を考え座る無理難題な量を取れるだけ取って、設計士に仕事を投げる。
須賀さんが逃げたくなる理由がよくわかる。
しかも、わたしからの連絡が少ないからわたしが須賀さんから離れて行くという不安で仕事をほって会いに来るとは思わなかった。
変な意味でなく寝てばかりいて、でも、お互い今まで寝不足だったから、睡眠時間を充電できて良かった。
ただお互いの体温で温もり眠るのがこんなに気持ちが良くて幸せな事とは思わなかった。
休み明けの1月4日。
斎藤係長からの電話を須賀さんがとった事で、わたしが須賀さんといた事がバレてしまった。
大学のゼミ仲間と集まっていたと誤魔化せばいい。
2日の夕方の須賀さんはアメリカにたった。
たたせたが正しいかもしれない。
オフィスにつくと部署のみんなが何かを聞きたそうな顔をしていましたが気づかないふりをしてパソコンの電話を入れて仕事に取り掛かる。
須賀さんから
『佐倉のことを愛している。佐倉がそばにいないと俺は何も手がつかなくなる』
と言われた。あいまいな関係だったけど、須賀さんはわたしを愛してたとわかり嬉しかった。
赤ちゃんを作って既成事実を作ろうとした話を聞くとかなり呆れたけど、彼はわたしが離れていかないようにする方法を教えた故のとんでもない思考だったんだと思った。
とはいえ、入社してまだ3年。
まだ仕事を頑張りたいと思う。
しばらくは須賀さんはアメリカ駐在になるから離れ離れになるし、年末に一緒に仕事をし彼のレベルには到底敵わない彼に自分に情けなかった。
彼に多少は近づけた気がしていたけど、差は開く一方だったのかもしれない。
「佐倉さん、年末はありがとう」
斎藤さんがわたしに近づいてきた。
アメリカ営業部に提出したデータを一応斎藤係長にも送っていた。
「大学のゼミの先輩の尻拭いなので気になさらないで下さい。先輩のせいでご迷惑をおかけしました」
先輩と後輩の関係という位置付けを強調して話を終わらせようと試みた。
「須賀さんはアメリカに帰った?」
「さあ?帰ったんじゃないですか?」
上司に失礼な態度になるけど、忙しいと思わせたくて、パソコンで仕事をしながら適当に受け答えをする。
年末年始の須賀さんの逃亡でわかった事実。
須賀さんがアメリカに渡ってアメリカ支部の業績が例年の10倍以上を出し、その成果の大半は彼が手がけた仕事で彼が人の20倍ぐらいの量の仕事を手がけた事がわかった。
誰でも逃げたくなるよね…。
須賀さんは大学時代に短期留学でアメリカとイタリアとフランスに行って建築デザインの仕事に関わっていたから仕事関係の会話は問題無いからと、翻訳補佐でなく優秀な建設デザインの仕事を任される補佐を上司に求めた。
そして、わたしが4月に須賀さんがいるアメリカに駐在する事が決まった。
アメリカ営業部からわたしが指名された。
年末の彼の尻拭いの仕事を全てわたしが手がけたと勘違いされたようだ。
須賀さんとはこまめに些細な事をLINEで報告しあってる。
アメリカ駐在にわたしが指名された話は知らなかったようで彼はかなり喜んでいるようで、4月にわたしと同じアパートになるように引っ越そうとしている。
かなり多忙な日々を過ごしてるはずなのに…。
アメリカに渡り、須賀さんとペアで仕事に明け暮れる日々。
大学時代のゼミ室での楽しかった日々がまた訪れたように充実した日々を送った。
営業部からの無茶振りな仕事請け負いも須賀さんがアメリカに渡ってから3年目になると落ち着き、元々の目的だった新シティも完成した。
なので、やっと1月に帰国が決まり本部に戻ることになった。
須賀さんはまさかの部長として建築部に栄転で、わたしは産休…。
帰国後に籍だけ入れて、3月に出産予定になる。
年齢的にそろそろ子供が欲しいと思っていた。
須賀さんはかなり喜んでいた。
子供が産まれたら、半年育休をとり、また建設デザイン課で短時間勤務で勤めるつもりです。
須賀さんとの関係が付き合ってるのか、世話係なのか、悩んでた時期があった。
世話係でもそばにいられるだけで幸せだった。
遠距離になり、世話係ができず、仕事も上手くいかなくて、彼との離別を考えてた。
でも、また生活面も仕事面も彼の側でサポートしてる。
この関係はきっと、どちらかがこの世と違う世に逝くまで続くと思う。
その日までわたしは、彼と寄り添っていきたい。
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