【完結】伊達騒動秘録 ~ 左近、影に潜む。友と猫が見た伊達の闇~

月影 流詩亜

文字の大きさ
29 / 59
第三章:亀千代の危機

ここまでの登場人物の紹介

しおりを挟む

主要登場人物

 🔷 吉良 左近(きら さこん)

   伊達屋敷の料理人として働く男。
 普段はどこか頼りなく、おっとりとしたおネエ言葉を使うため「昼行灯」と揶揄され、同僚や武士たちからは敬遠されがち。

 しかし、その実は幕府から伊達家の内情を探るべく送り込まれた凄腕の密偵。
 料理の腕は確かで、「料理は愛情!」が口癖。
 冷静沈着な判断力と、いざという時には卓越した武術の腕前も披露する。
 元は取り潰された某藩の浪人で、権力者の陰謀によって父を亡くした過去を持つ。徳松、千代とは幼馴染であり、千代の夫。


🔷 今川 徳松(いまがわ とくまつ)

    左近の同僚であり、無二の親友。伊達屋敷の料理人。

 無類の猫好きで、屋敷内外の多くの猫と心を通わせ、猫たちから事件解決の思わぬ手がかりを得ることも。
 明るく爽やかなイケメンで女性に非常にモテるが、本人は左近や猫たちと過ごす時間を優先しがち。

 元は犬好きだったが、幼い頃に左近の「洗脳」によって大の猫好きになったとされる。左近の裏の顔に薄々気づきながらも、彼を信じ、自分にできる形で支えようと行動する。千代の兄。


 🔷 千代(ちよ)

    左近の妻であり、徳松の妹。

 夫である左近に深く惚れ込み、献身的に支える。左近が幕府の密偵として危険な任務に身を投じていることにも薄々感づいているが、不安を胸に秘めながらも気丈に振る舞い、夫の帰りを待つ。実の兄である徳松に対しては、なぜか素っ気なく冷たい態度を取ることが多い(左近と徳松が仲が良すぎることへの嫉妬や、過去の出来事が原因であることが示唆されている)。


伊達屋敷の料理方

 🔶 お粂(おくめ)

    伊達屋敷の厨房で働く古参の女性料理人。

 四十路過ぎの恰幅の良い女丈夫で、口は悪いが左近や徳松の面倒を見ることもある。
 左近の「昼行灯」ぶりには呆れつつも、時に鋭い指摘をすることも。

 🔶 料理長

    伊達屋敷の厨房を取り仕切る責任者。

 厳格な性格で、料理人たちを厳しく指導する。
毒殺未遂事件では大きな心労を抱えることになる。


事件に関わる猫たち

 ❤️ ミー

   徳松が特に可愛がっている三毛猫。

 賢く、気位が高い。冒険好きで、原田甲斐の屋敷に忍び込み、事件の重要な手がかりとなる溝口主膳の着物の端切れを偶然運んでくる。

 ❤️ トラ

    徳松が世話をする虎毛の猫。

 普段は食い意地が張っているが、毒殺未遂事件の当日に、毒が仕込まれた可能性のある鯛のアラを異常に嫌がり、事件解決の重要なヒントを徳松に与える。


事件の犠牲者・関係者

 🟩 お勝(おかつ)

    伊達屋敷の下働きの女中。

 おとなしく目立たない存在だったが、実家の借金という弱みを原田甲斐派の溝口主膳につけこまれ、亀千代毒殺未遂事件に利用される。真相を語ろうとした矢先、口封じのために殺害され、自害として処理される。


幕府関係者

 🟪 了然(りょうぜん)

   左近が所属する幕府密偵組織の上役。

 表向きは江戸市中の薬種問屋の老人として活動している。左近に伊達家の内偵を命じ、陰ながら支援する。冷静沈着で、目的のためには非情な判断も下す。


原田甲斐とその一派


 ♦️ 原田 甲斐(はらだ かい)

    仙台藩伊達家の家老。

 藩の実権を掌握しようと様々な陰謀を巡らす野心家。
 幼君・亀千代の後見人である伊達兵部宗勝と激しく対立している。
 冷酷かつ用心深い策略家で、邪魔者は容赦なく排除しようとする。
 左近の動きを危険視し、監視や刺客を送る。


 ♦️ 溝口 主膳(みぞぐち しゅぜん)

    原田甲斐の腹心。

 甲斐の威光を笠に着て屋敷内でも傍若無人に振る舞う。
 派手な装いを好み、左近の揺さぶりには動揺を見せる。お勝を脅迫し、毒殺未遂事件の実行犯の一人となる。


伊達家の人々

 🟦 伊達 亀千代(だて かめちよ)

    仙台藩の幼い藩主。後の伊達綱村。

 原田甲斐の陰謀の標的となり、毒殺されそうになる。


 🟦 伊達 兵部 宗勝(だて ひょうぶ むねかつ)

    亀千代の後見人。

 清廉な人物と目されているが、病気がち。
 藩の実権を握ろうとする原田甲斐と対立しており、甲斐によって毒殺の危機に晒される。


その他


 🟨 田所 兵助(たどころ ひょうすけ)

    伊達屋敷の若い警備の武士。

 勤勉で実直な性格。屋敷の塀際で不審な人影(原田甲斐が放った密偵の可能性)を目撃する。


 🟨 小太郎(こたろう)

    藩主・伊達亀千代に仕える小姓。

 子供らしい無邪気さから、左近に屋敷内の情報(兵部と甲斐の対立など)を漏らしてしまう。


 🟨 お花(おはな)

    伊達屋敷の女中。

徳松に原田甲斐の屋敷周辺の不穏な噂話をする。


 🟨 お絹(おきぬ)

    伊達屋敷の女中。

 徳松に伊達兵部の病状や、彼が服用している特別な薬についての噂話をする。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末

松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰 第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。 本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。 2025年11月28書籍刊行。 なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。 酒と肴と剣と闇 江戸情緒を添えて 江戸は本所にある居酒屋『草間』。 美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。 自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。 多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。 その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。 店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。

【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜

旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】 文化文政の江戸・深川。 人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。 暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。 家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、 「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。 常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!? 変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。 鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋…… その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。 涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。 これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

 神典日月神示 真実の物語

蔵屋
歴史・時代
 私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。 この方たちのお名前は 大本開祖•出口なお(でぐちなお)、 神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。  この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。  昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。 その神示を纏めた書類です。  私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。  日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。 殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。 本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。 日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。 そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。 なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。 縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。 日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。 この小説は真実の物語です。 「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」 どうぞ、お楽しみ下さい。 『神知りて 人の幸せ 願うのみ 神のつたへし 愛善の道』  歌人 蔵屋日唱

お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜

ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。 「だって顔に大きな傷があるんだもん!」 体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。 実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。 寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。 スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。 ※フィクションです。 ※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...